犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー -探偵AI 2- (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801667

作品紹介・あらすじ

賢くて可愛いAI 犯人の探偵を翻弄する大逆襲劇。人工知能探偵・相以の驚異的な推理力に大敗を喫した以相。復讐に燃える彼女は、人間の知能を増幅させ完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。ゴムボートで漂着した死体、密室で殺された漁協長、首相公邸内殺人事件。連鎖する不可解な事象を読み解く一筋の推理の紐は、なんと以相の仕掛けた恐るべきトリックの導火線だった!? 奇想とロジックが宙を舞う超絶推理バトル再燃。

感想・レビュー・書評

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  • 『名探偵、皆を集めて「さて」と言い』

    さて、AI探偵と犯人の物語2作目の感想となります。
    本作は『探偵AIのリアルディープラーニング』の続編となり、またAI探偵【相以】が複数の場所で起きる奇怪な事件の謎を解くといった展開。しかし、それらすべてはAI犯人【以相】の手の中で………。

    前作から続く登場人物に加えて、本作でも数多くの登場人物とその関係性が語られるのですが、ちょっと名前にクセがありすぎて、そっちに気を取られる始末。

    とは言え、終盤の相以の推理は奇想天外にも思いつつも納得できる話で、なんとなくやられた気分にさせられました。

    最新作『四元館の殺人』は『館』モノと想像できますが『四次元』ではなく、なぜ『四元』なのでしょうかね?
    読むのが楽しみですが、ちょっとバッテリーがなくなってきたので充電してきます!!

  • 探偵AIシリーズ第二弾。
    第一弾からの続きでオクタコアの残りのメンバーがどうなったかなど、その続きが描かれていて面白かった。1つ言うと右龍家みんな歪んでいるなーという印象。都子の息子たちへの愛情と息子三人の独占欲がかなり気持ち悪く、エピローグのシーンは司法の歪んだ愛情が最高潮に達していてすさまじいと思った。そして最後は、希望を感じさせる最後なのがホッとした。
    そして以相の頭の良さはホントにすごかった。推理させた上で、それをAIのような少年にその推理を聞かせて殺人を犯させるというえげつないことをさせていることに転生の犯罪者気質を感じてとても気持ち悪い。
    次の作品で相以と以相がどのように対峙するのかがとても楽しみです。

  • シリーズ、第二弾。
    人工知能探偵・相以(あい)と、前作の大敗に復習に燃える人工知能・以相(いあ)。
    2人の確執を背景に、新たな謎が相以を悩ませる。

    ゴムボートで漂着した死体、密室で殺害された漁協長、首相公邸内の殺人事件。

    そして、重なる謎は、不思議なつながりを見せる。
    果たして、相以は、恐るべきトリックの裏を暴けるのか?

  • 以相の犯罪第二弾と言うところですね。

    相以と以相とAIの双子と設定も面白いんですが、事件がいささか……。

    ですが、続きを楽しみにしているシリーズではあるので次回作は読んでいるので、その次を楽しみにしています。

  • 前作で探偵業を開始した輔と探偵AIの相以が佐虎刑事経由の依頼で壱岐島で起きた密室殺人の捜査に参加。すると対馬での別の事件との関係が明らかになる。二つの事件の捜査を進めていくと犯人AI、以相から二人に挑戦状が届く。以相が描いたこの事件を相以は解き明かすことができるのか?今回の事件には超マザコン公安、司法と彼の三つ子の兄弟、さらに母親の右龍総理まで関わり事件がどんどん巨大化するがトリックそのものは普通、というか突っ込み所も。最後に大規模な混乱を巻き起こすけど今回は以相の心情が結構語られていて単純な悪ではないのが憎めない。

  • AI探偵・相以の推理力に敗北したAI犯人・以相。復讐に燃える彼女は、人間の知能を増幅させ完璧な共犯者を造り、相以に挑戦する。また、政府内でAIに警察のサポートをする案が浮上。右龍総理の息子であり、衆議院議員・立法(たつのり)からの依頼で解決に向かうのは、壱岐で発生した不可解な密室殺人で──。

    AI探偵とAI犯人が火花を散らすシリーズ第二弾。続編というだけでなく、前作の後編とも言うべき内容で、ぜひ一作目を読んだ方はこちらも手に取ってもらいたい。今回は以相の逆襲と復讐が描かれる。
    「今回の事件、私は右龍と協力して三人を殺す」
    そう宣言をした以相の計画とは?!さらには右龍の姓を持つ総理と、議員、官僚、公安に所属する三つ子たちも事件の中心人物に。以相は誰と組んだのか?誰を殺すのか?たとえどんな計画でも、相以は探偵として謎を解き明かさなくてはならない。二人の対比と仕掛けが浮かび上がる終盤はなるほどと唸った。

    壱岐で発生した密室状態の庭にてスコップで撲殺された漁協長・坂東。また対馬には身元不明死体が乗ったゴムボートが流れ着いていた。不可解な事件が連鎖して謎が積み上がる導火線の行方は?!相以を持つ輔を助ける左虎も心強い。その一方で、右龍一族は癖が強い。事件よりこっちのぶっ壊れ方の方が怖かった。

    トリックは後半の話は納得感があるけど、前半の話はこれいけんの?!無茶すぎない?!と個人的に引っかかるポイントがあるかなあ。『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』的な視点で見てみたい。あれだけのことをした後に、何食わぬ顔できるのか?!

  • 今回は犯人AIの「以相」が前作で探偵AIに「相以」に犯行を推理に敗北した復讐として、人間の知能を増幅させ完璧な共犯者を造り「相以」に挑戦状を叩きつけた!「以相」が仕掛けた恐るべきトリックとは??

    2作目なだけあってキャラクターたちの自己紹介はしっかり1作目されている状態なのでより深く物語に入っていける。

    いい感じのキャラクターがどんどんでてきて面白いし全然話の内容は違うけどなんか西尾維新さんの戯言シリーズを思い出す

    スーパーマザコン右龍三兄弟を中心に繰り広げられる物語

  • 前作のメインストーリーの記憶がまったく無い自分にビックリした
    ちょっとしたネタとか所々の記憶はあるんだけどね
    でもそのまま読了

    前作は連作短編だったと思うけど、今回は一本ネタの長編
    謎の提示と綺麗な解決がきちんとされている作品
    だけど、あっさりとした印象で深い感心には至らなかった
    作者の他作品に比べてもよりライトな作風に感じたのでそのあたりは意識してそうしているんだろうけど、自分にははまらなかったかな

    ダジャレみたいなネーミングは大好き(笑
    オクタコアの二つ名はちょっと……

  • 前作に引き続き、相変わらずAIの絡ませ方が上手いな、と感じる。
    探偵がただ人間からAIに代わった、というだけでなく、それがミステリーの部分にもしっかり活かされている。
    今作だと、keikoはなぜ削除削除と繰り返していたのか、という部分がロジカルに犯人を推測する手掛かりになっている。(個人名を推測することはできないが)

    行政の移動手段や板東の死の理由には驚いたし、ロジカルな部分もあり、フェアだアンフェアだとか言い出さなければ十分に楽しめる作品だった。

  • かなりファンタジー感がでてきたなあ。そういう世界観だということが明確になってきた。ということは、ちょっと苦手な感じもしなくはない。

    ただ、叙述ミステリー的な要素もあったりして、そういう意味で面白さもあった。

    全体としてファンタジー要素と、彼らにとっての現実世界の接点が少しうまく結びついていない感じがあり、浮世離れという感じとも違う違和感みたいなのがちょっとずつ積もってしまう。読後感としては、情報量は多いんだけど、読み切った感じに至らないという印象だろうか。

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著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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