物件探偵 (新潮文庫)

著者 : 乾くるみ

• 新潮社 (2020年12月23日発売)

作品紹介・あらすじ

高利回りのマンションを手に入れたはずが、オーナー生活は４ヵ月で終了。なぜ？　新幹線の座席が残された部屋、HDDから覚えのない録画が流れたり、バルコニーに鳩の死骸を見つけたり。全て何者かの嫌がらせなのか？　格安、駅近、など好条件にも危険が。事故物件をチェックしただけでは見抜けない「謎」を宅地建物取引を極める不動尊子(たかこ)が解明。物件×人を巡る極上ミステリー６話。

感想・レビュー・書評

[おびのりさんの感想 · 2023年12月13日]

都内の一般的な売買物件の契約等に潜んでいたちょっとしたミステリを　宅地建物取引士である不動尊子さんが解明して、すっきり解決してくれる6物件。
乾さん、頑張って不動産売買取引についてよくお勉強されましたって感じです。凄く悪どい取引というよりは、出来心からの謎です。
最後にデベロッパー案件は、企業小説家の作者さんにお任せするとあるように、もしかしたら、売買をお考えの方は、経験してしまうかもという身近なミステリー。でも、最近は不動産業界もコンプラ厳しいからそうでもないかな。
とりあえず、遠方といっても、物件を見ないで契約するのは、やめましょう。

[おびのりさん · 2023/12/13]

真面目な不動産屋

[ゆーき本さん · 2023/12/13]

子ども達の一人暮らしの部屋探しを2年連続で付き合ったけど、部屋の写真って日当たりのいい時間に上手に撮られてるなぁって感心した笑
実際見てみないとわからないよね。安いには安いワケがある。
しかし、心霊探偵とか、色んな探偵がいるもんだねぇ笑

[おびのりさん · 2023/12/14]

15歳で宅建士を受験という設定。
中卒以上が受験資格だからね。
お部屋探しは、楽しい。
最近は、すっごくクリーニングしっかりしないと、新入居者が納得しないから、オーナーさん大変。

[キョーさんの感想 · 2021年1月6日]

新しいジャンルのミステリー。

サクッと軽く読みたい時に
オススメ。

急に家の前に宅建アピールしてくる人
いたら焦るけどね！笑

[machinobuさんの感想 · 2022年8月28日]

不動産ミステリー。
高級マンションや賃貸物件など、建物や住まいの謎を解く不動 尊子。

格安、駅近など、好条件の物件には、思わぬ危険が...謎が解けると、なるほどと納得出来ます。

・田町9分1DKの謎
・小岩20分一棟売りアパートの謎
・浅草橋5分ワンルームの謎
・北千住3分1Kアパートの謎
・表参道5分1Kの謎
・池袋5分1DKの謎
の6話。

実際の広告図面もあり、想像をかき立てられます。
主役の不動さんのキャラ(能力)を、もう少し立てても良いかも...

[mui-muiさんの感想 · 2021年6月23日]

作中にも書かれていますが、不動産というのはプロが扱う数千万～数億の商品を、にわか知識の素人が買う世界です。そう考えると怖い世界。悪意にしろ善意にしろ、こんなことができるのかと考えさせられる小説でした。

[chirorimitsukiさんの感想 · 2022年5月14日]

物件探偵…

単なる不動産屋さんだよね。

最近、マンガで「正直不動産」を読みましたが、
それとダブりました。
※本書の方が先だとは思いますが…

[あるさんの感想 · 2022年1月9日]

毎回怪しい登場の仕方をする不動尊子は、宅地建物取引主任者である。訳アリ物件のトラブルを勝手に解決していく。1件目、高利回りで物件の買い手を騙す仕組みは良く出来ている。

[0071さんの感想 · 2022年3月19日]

連作短編集。
　家を買おうかな、もしくは買った人のもとへ突然現れる不動尊子ふどうたかこ。１５歳の時に宅建の資格を取り、物件の気持ちがわかってしまうらしい。その能力をいかして、不動産やの詐欺、部屋に置かれた粗大ゴミの謎を解いていく。

　物件豆知識を混ぜながら、住人の悩みも解決していくミステリー。殺人はもちろんないし（前の住人が自殺した事故物件はあった。）、軽いタッチで書かれている。ライトミステリーが読みたいときにおすすめ。

[こつめかわうしょさんの感想 · 2023年12月6日]

宅建を持っている不動さんがいろんな物件に現れて事件を解決していくお話です。

不動産って購入したことある人ならある程度わかるかもなのですが、割と素人ではわかんない言葉とかめっちゃ飛び交うんですよね〜
不動産ちょっと齧ってみよっかなぁ〜という人にはとっつきやすいかもしれません！
こんなこともあり得るのか！ぐらいで、知っとくのは良いと思います。

[よしのの読書記録さんの感想 · 2022年11月11日]

乾くるみさんならではの独特な切り口で面白い。様々な物件売買、契約に関わる詐欺手口や用語についても勉強になるし、サクッと軽く楽しく読める。

[yuuうさぎさんの感想 · 2022年11月4日]

謎の物件に関する6編の短編集
物件の気持ちの分かる不動尊子さんに
私の物件探し頼みたい(笑)
不動さんの登場からのラストがどれも面白かった。

著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」