暗黒事件 (新潮文庫 B 4-11)

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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102005064

感想・レビュー・書評

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  • フランス帝政時代の権力構造の闇を描く政治小説でありながら、探偵小説としての趣もある良作。

    前半は主人公たちと警察・探偵との間の駆け引きがメイン。迫真の筆致で描かれる事件の展開に思わず息を飲む。最後までどっちに転ぶか分からなかった。
    後半は一転して、裁判を中心に帝政時代の権力構造を描く。こちらは自分の教養不足で時々理解できない部分があった。特に「1793年の雰囲気」といった表現が多く出てきたが、実はフランス革命については全然詳しくないので、ちょっと勿体ないことをしたと後悔。ユゴーの『九十三年』を先に読むべきだったか。
    ただ最後の事件の種明かしは完全に予想の上をいく見事なものだったので、満足はした。

    話の筋の面白さ、描写の上手さは流石で十分楽しめる小説であることに間違いはないが、個人的にはもっと心理的な側面を深くえぐった仕上がりになっているほうが好きかな。

  • 登場人物が本から飛び出た気がしたと、娘時代に父からすすめられた大文豪バルザックの暗黒事件。

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著者プロフィール

フランス文学を代表する作家の一人。1799年生まれ。ロマン主義・写実主義の系譜に属する。現実の人間を観察することが創作の出発点だが、創造力を駆使して典型的人間像を描きあげる。歴史にも大きな関心を持ち、歴史的事実から着想を得ることも多かった。様々な作品に同じ人物を登場させる「人物再登場法」という手法を用い、膨大な作品群によって「人間(喜)劇」と名づける独自の文学世界を構築しようとした。代表作は『谷間の百合』。豪放な私生活も伝説的に語り継がれている。1850年没。

「2020年 『サンソン回想録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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