- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102068021
感想・レビュー・書評
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忌野清志郎の愛読書だったと知り、ポチった一冊。
書評をググると「ドラッグのないトレインスポッティング」とあり、なるほどと納得。ただし、ドラッグはないけど戦争が主人公の選択に重くのしかかる。
常に招集と背中合わせの毎日と、同じ仕事の繰り返しの中で、自由でいることは抗うことだと誰彼構わず牙を剥く。
「誰にとっても自分は自分の敵だから、たえず戦うことによってのみ自分自身と折り合いがつける」
やり場のない土曜の夜が続きやがて訪れる平穏な日曜の朝。
浜田省吾が歌う同じタイトルの曲もこれ読んでから改めて聴くとグッときます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一読では感想をまとめるのがとても難しいのだけど、面白かった。
すごく好み。
どうしようもない主人公の青年のどうしようもない毎日を描いているのだけど、どうしてこうも心惹かれるのか。
足をすくわれるような虚無感と、論理のない生命力。
若さだなぁ、と思う。
是非再読したい。 -
「人生はへこたれさえしなければ、楽しいものだ。」
アーサーシートンは、すごい浮気者だけど、内面は反骨精神があって、仲間思い。
アランシリトーのこの小説は、子供の躍動感溢れる描写がとてもうまい。
「人生はきびしい、へこたれるもんか。」 -
アラン・シリトーのデビュー作。「長距離走者の孤独」が好きなら、この小説もきっと気に入ると思います。
イギリスのワーキングクラスをリアルに描いてるって感じがとても良かった。主人公のアーサーのダメっぷりが時々嫌になるんだけど、なぜか憎めない。アーサーの暗い生活をしながらも、どこか前向きな考え方がいいのかもしれない。 -
平日は工場の歯車として働き、週末は底無しに飲んで人妻との逢瀬に明け暮れる主人公を描いたピカレスク(悪漢小説)。この時代にこんな奔放な主人公を描けるのもすごいねw 訳が自然でスラッと読めたし、何故か感情移入しやすかった気が・・・w
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読んでいる最中、頭に浮かぶ小説の情景は灰色だった。人も服も建物もすべてが灰色でしかなく、白黒テレビを見ているようだった。
灰色の正体はもちろん、工場の煙である。
工場に勤める、大酒のみで、人妻との恋に酔いしれ、売られた喧嘩は買うような青年が主人公。
最後、幸せな終りなのかもしれない。けれど、そこに光があるようには思えない。やはり灰色なのである。
労働階級の筆者による20世紀のイギリス、労働者の物語。
大学の先生に勧められて読んだ。自分の専攻テーマのためにも、とても良い書物だったと思える。 -
土曜の夜と日曜の朝。
この至福の時のために生きている。
そんな大人になりたくない、といいながらみんな進む道は
同じなんだ。
学校、会社、家庭、全てに囚われたフリをして生きている。
日常のちょっとした悪あがきを楽しみに生きている。
ちっぽけな人生?それが多くの人生なのだ。
自分だけ特別だと思うな。読んでいる自分だって似たりよったりな
人生のはずだ。
多くのUKミュージシャンの台詞。
「サッカーやるか、バンドをやるか、失業給付の列に並ぶか。
それしか将来はなかったんだよ」 -
もう10年以上も前になるが、イギリスで暮らし始める前に友人に勧められて読んだ一冊。
昔のイギリスを舞台にワーキングクラスに属するやんちゃな青年の憎めない生活っぷりがなんとも愉快な作品。
当時学生のころにこの本を読んで、一人のワーカーとして、コツコツ働き、週末にはしゃいでといった、何気ないシンプルな暮らしに夢を抱いたものでした。
今は、
休みがほしい・・・ -
インドネシア、バリ島などを舞台とした作品です。
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シリトー。
廃刊なのか、本屋に無くてたまたま入った古書店でみつけた。
シリトーは何気に好きかもしれない。
読みやすいしねえ。
本を書く上手さと考えればアレかもしれんが(そもそも読んでるのが第三者による日本語訳で原文は見てないけど)面白い本ではある。