嵐が丘 下 (新潮文庫 フ 5-2)

  • 新潮社
3.50
  • (3)
  • (7)
  • (11)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 67
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102097021

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 上巻がやたらに暗かった割に、終盤になるにつれて徐々にではあるものの世界観が明るくなっていったような印象を受けました。かといって、登場人物のほぼすべてが悲劇的な結末を迎えることには変わりがないのですが。

    ヒースクリフの最期を見ると、彼すら本当は不幸ではなかったのではないか、と思えてしまいます。そして、彼の愛情は相当に歪んではいたものの、それはそれで一つの愛の形だったのではないか、とも思えます。

    何はともあれ、上巻の最後の時点ではかなり気の滅入る作品だと思ってましたが、結末まで読んでみて印象がずいぶん変わりました。全体を通じて読んでみないと、やはりその作品の真髄は分かりませんね。

  • (1999.08.17読了)(拝借)

    ☆関連図書(既読)
    「嵐が丘(上)」エミリ・ブロンテ著・田中西二郎訳、新潮文庫、1953.12.25

  • ヒースクリフとの愛憎の末にこの世を去ったキャサリン。彼女と同じ名を授けられた忘れ形見の女の子は成長していき、そして新たな嵐が巻き起こる…。あくまで語られるのは限られた世界のみで、それゆえに存在している歪みの大きさが凄まじいです。内面的な天国を見つけ、そちらに行ってしまった二人は幸福だったと思いたいです。ラストの寂しさは美しく印象的でした。読み終わったタイトルの意味に改めて思いを馳せた一冊でした。

  • 読了するまでにかなり時間がかかってしまった。この物語の閉塞な舞台、互いに理解し合えないず曲解ばかありする人々、終わらない憎悪、読むのがシンドクなったからである。しかし、どうしても手に取らずにはいられず、ああなんで互いにもっと歩みあわないのか!などと人間関係に突っ込みを入れつつ読み進めた。ラストはキャシー達は言わすもがな、ヒースクリフも幸福だったのではないか(あれだけ悪事をしておいて変な見方だが)。理解外の恐るべき情愛を見せつけられた貴重な読書時間だった。次は一気に読んでしまおう、きっと印象が違うから。

E.ブロンテの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×