暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159736

感想・レビュー・書評

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  • 先住民族の言葉を暗号に使った話では、ナヴォホ語は、言語体系が英語やドイツ語(もちろん日本語とも)と全く異なっていることや、ドイツの学生がこの20年入っていないことから暗号としての使用が決められたとのこと。日本軍でも薩摩弁を暗号として使ったと聞いたことがあるが、言語体系も同じで、薩摩弁に明るいアメリカ人がいないとも限らないとなれば、突破されるのは時間の問題(実際には2ヶ月かかったらしい)だったろうなという感想を抱いた。

  • 古代文字解読の歴史から、そして現代。私たちが使用してる暗号はどのようなものか?暗号をめぐり争いは生まれなかったか?本当に破られないのか?もし破られるなら、次生まれる暗号はなにか?
    まだまだ暗号を巡るドラマは終わらない

  • 単アルファベット暗号から量子暗号まで、非常にわかりやすい文体で書かれており、暗号・数学に無知な素人でも最後まで楽しく読むことができた。

    量子力学に簡単に触れている部分では、多少頭が混乱したが、そう言うものだと思って割り切って読めば案外なんとかなった。
    汎用的な量子コンピュータが開発されるのはまだまだ先のことかもしれないが、量子コンピュータ≠既存のコンピュータということを理解するためだけでも、この本を読む価値はあったと思う。
    もちろん、難攻不落とされる量子暗号の解説も非常にわかりやすく、量子コンピュータの可能性についても大いに考えさせられた(取らぬ狸の皮算用かもしれないが…)。

  • サイモン・シンの『暗号解読』を一気に読んだ。
    これまでにサイモン・シンは『ビッグバン宇宙論』と『数学者の楽園』と『フェルマーの最終定理』を読んだ。サイモン・シンはハズレはないが、その中でも今回の『暗号解読』は最高に面白かった。
    紀元前のオリエンタルの古代の単純な暗号から、最新の量子暗号まで、時代を追って色々な暗号技術の歴史が語られている。
    しかも基礎知識のない素人でもその暗号の技術がよく理解できるだけでなく、新しい暗号技術の開発とそれの解読に挑戦した科学者たちのドラマと歴史に及ぼした影響を目の前の出来事のように楽しめる。
    特に最終章の量子コンピューターと量子暗号に関しては、たった1章が割かれただけなのに、これまで読んだ色々な本と比べても面白くてわかりやすかった。

  • 古代文字は結構、当てはめてみたらたまたま当たってたことによって解読されたものが多く、言語学の知識に加えて優れた勘も必要だということにびっくり。しかしトマス・ヤングやジャン=フランソワ・シャンポリオンの言語に関するエピソードは強烈すぎる。
    最終章の量子暗号は複雑で難しかった。本を読み進める中で暗号作成と暗号解読はいたちごっこなんだなと感じていたが、量子暗号を使うと絶対に破れない暗号を作れるという事実には驚いた。
    この本を読む前はアランチューリングしか知らなかったが、他にも生前には認知されることのなかった暗号専門家は沢山いて、国や軍のために重要な仕事をしているのにも関わらず機密であるため当時の情報が残っていなくて辛い思いをした人が数多くいたことが分かった。

  •  まさに暗号史そのもの
    非常に面白かった

  • 中世から現代までの暗号の考案と解読の歴史を綴った一冊。技術とヒューマンドラマが絶妙にバランスされていて、知的好奇心をくすぐられる。訳文も読みやすい。
    下巻では、アメリカ先住民のナヴァホ族の言葉があまりに聞き分けづらくて、世界対戦でも暗号として利用されていたエピソードが好き。

  • 暗号って漠然としたイメージしか湧かなかったけど、奥が深いし、そもそも紛争や戦争において、情報伝達と敵陣による情報傍受阻止は、負けないためには必須だったので、歴史はかなり古い。
    第二次世界大戦中は、当時圧倒的な軍事力と科学技術力を誇っていたドイツ軍が、かの有名なエニグマを用いていた。しかしポーランド、イギリス、アメリカの数学者たちは、その解読に邁進しついには解読し戦争を優位に進めることに成功する。
    今は誰でも使っている、インターネットや電子メールだが、盗み見されないようにどんな仕組みで暗号化されているのか、また受信者だけが中身を見ることが出来るのか、イメージを掴むことができた。
    今は量子コンピュータの実用化が近いと言う記事も見られるようになってきたが、その時にはどんな世界になっているのだろう。
    期待半分、犯罪については心配でな面でもある。

  • 暗号技術についてはもちろんのこと、歴史、数学、軍事、政治、計算機技術等々、多様な分野への興味を掻き立てられた。

  • 暗号作成、解読の歴史、それに関わる人物たちの生い立ちや取り組み方、発見に至る経緯までも平易に書いた著作。暗号技術者の悲哀や戦争との関連など物語も記載され歴史の流れとともに暗号の推移を理解することができる。気分転換におすすめの著作。同著者のフェルマーの最終定理、の本もなかなか良い。

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著者プロフィール

イラストレーター

「2021年 『世界じゅうの女の子のための日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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