運命のコイン(下) (新潮文庫)

  • 新潮社
3.62
  • (9)
  • (24)
  • (25)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 197
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102161494

作品紹介・あらすじ

イギリス労働党に入党し政治家としての階段を上りつめていくサーシャ。ヴェトナム戦争を経てアメリカの経済界で伸し上がっていくアレックス。やがて二十世紀が終わる頃、二人の進路は何かに導かれたかのように同じ場所へと向っていく。そこには野望と怨念が渦巻く世界が待ち構えていた。果して両者の到達点は─現代史を背景に、人生の偶然と宿命を奇抜なスタイルで描き出す空前のサーガ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • もし、人生が二つあればという設定の作品の後編。イギリスとアメリカでそれぞれ成功を収めるサーシャとアレックスだが、その運命は一つの方向に導かれていく。グイグイ読ませる筆力はさすがだが、オチが正直モヤモヤさせられる。

  • 零戦下のソ連で父親がKGBに殺され、残された天才少年と料理人の母親が貨物に紛れてソ連からの亡命を決意。
    米国か英国行きの船に乗るかをコインで決めるのだが、それぞれの国で成功していく未来が並行して描かれる超大作。
    最後のシーンに謎が残るので、誰かと推理を話し合いたくなる…

  • 相変わらずアメリカとイギリスのカットバックが続く構成で、パラレルワールド的なクロスオーバーをチラつかせながらのこのオチ。
    このオチにしたかったからこの構成なのだろうけれど
    二人の主人公を行ったり来たりのせいで彼らの喜怒哀楽が、スーッとなぞった程度の薄味に終始したのは否めない。

    上下巻の長編にするより、100ページくらいの中編にした方が合ったのではないか?という、全体的に軽味な印象を持った。

    作者の過去作の登場人物と同名(別人物)がいたり
    過去作で見たような展開(主人公の名前夫婦の出会いのきっかけ)があったり、意図してかどうかは定かでないが集大成的な側面もある。


    モチーフとして「人は運命からは逃れられない」があるのだろうけれど…後味は少々苦い。エンターテインメントとしては少し不満。

  • なにこのエンディングとしか言いようがない。 城の崎にてで最後に脊椎カリエスになるのを逃れなかった的などんでん返し

  • ダメな最後だ。最後に出てくる虫けら=ウラジーミル・プーチンは死すべき犯罪者で、殺さなければならない。

  • 上はサーガ物の傑作と感じてぐ偽食い読み進めさせられたが、下巻となると全く面白みがなく、正直リタイアしようかなと幾度も考えた。
    読み手の頭が小市民だし、器のちっぽけな出来と来ているせいもあろうけど、半頁だけでも出来事、会話がスリリングにどっさり盛り込まれ続いて行く。いわば、ニュースダイジェストを読み進むみたいな感覚について行けなくなった気分。

    そらサーシャもアレックスも登りつけた様なエリート、国の上位に与して行っている立ち位置。
    訪露時は【カルペンコ】の拍手、声援が嵐の如くと行った呈もむべなるかなだけど、読んでいて、「だから、なんなん」というきもちが底辺部でぐちゃぐちゃと。

    79歳、小市民的人生と対極にあるような経歴体験をしてきた御大でなければ書けないストーリーだとは思うけど、もういい。

  • 前半はとっても面白くて引き込まれたんだけどなあ…もっとロシアに追われたりする苦難を乗り越えるのかと思ってた。やや強引な結末に感じた。

  • 異なる二つの人生が、終盤にきて交錯しそうになる展開は非常にスリリングで、どんな結末になるのかと期待が高まっていったが、ちょっとこれは微妙。まさかではあるものの、これはほぼ序盤で頭に浮かんだし、それよりなにより、数十年に渡る人生を描いた長編のオチとしてはいかがなものかと。下巻は多少の中弛みも。

  • 帯を読まずに読みたい。

    後書きで内容をバラさないセンス。

  • 第二次世界大戦後から現代までの亡命ロシア人のサーガ。

    前半でバリントン海運とか出てきて、「クリフトン年代記」の世界観を踏襲しているのか?と思っていましたが、あとがきで納得しました。
    「クリフトン年代記」のハリーの作品にこの作品名が出ているということで、この作品はアーチャーの作品ですがハリー・クリフトンの作品でもあるという構造になっているようです。
    物語としてはアーチャー得意の手法で、アメリカとイギリスに亡命した二つの主人公の視点で交互に描くもので、一気読みしやすい波乱万丈な展開となっていますが、この主人公の設定がキモということになると思います。
    ラストは少々混乱してしまいましたが、いつものような安定感のある作品でした。
    それにしても著者は独裁とロシアとプーチンが嫌いなことが良くわかりました。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Howard Archer)
1940年生まれのイギリスの政治家、小説家。一代貴族の貴族院議員。オックスフォード大学卒業後に政治家に。大ロンドン議会議員、庶民院議員(3期)、保守党副幹事長などを歴任したが、 1973年に投資で失敗して財産を全て失ったことを契機に、1974年10月の総選挙時に政界から退いた。
1976年に発表した『百万ドルをとり返せ!』が大ヒットして借金を完済、1985年に政界復帰し党副幹事長を務め貴族院議員に列されたが、偽証罪によって2001年に実刑を受け服役。2003年以降、作家活動を再開した。
代表作に『プリズン・ストーリーズ』、『クリフトン年代記』シリーズなど。

ジェフリー・アーチャーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×