- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102161494
作品紹介・あらすじ
イギリス労働党に入党し政治家としての階段を上りつめていくサーシャ。ヴェトナム戦争を経てアメリカの経済界で伸し上がっていくアレックス。やがて二十世紀が終わる頃、二人の進路は何かに導かれたかのように同じ場所へと向っていく。そこには野望と怨念が渦巻く世界が待ち構えていた。果して両者の到達点は─現代史を背景に、人生の偶然と宿命を奇抜なスタイルで描き出す空前のサーガ。
感想・レビュー・書評
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もし、人生が二つあればという設定の作品の後編。イギリスとアメリカでそれぞれ成功を収めるサーシャとアレックスだが、その運命は一つの方向に導かれていく。グイグイ読ませる筆力はさすがだが、オチが正直モヤモヤさせられる。
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零戦下のソ連で父親がKGBに殺され、残された天才少年と料理人の母親が貨物に紛れてソ連からの亡命を決意。
米国か英国行きの船に乗るかをコインで決めるのだが、それぞれの国で成功していく未来が並行して描かれる超大作。
最後のシーンに謎が残るので、誰かと推理を話し合いたくなる… -
相変わらずアメリカとイギリスのカットバックが続く構成で、パラレルワールド的なクロスオーバーをチラつかせながらのこのオチ。
このオチにしたかったからこの構成なのだろうけれど
二人の主人公を行ったり来たりのせいで彼らの喜怒哀楽が、スーッとなぞった程度の薄味に終始したのは否めない。
上下巻の長編にするより、100ページくらいの中編にした方が合ったのではないか?という、全体的に軽味な印象を持った。
作者の過去作の登場人物と同名(別人物)がいたり
過去作で見たような展開(主人公の名前夫婦の出会いのきっかけ)があったり、意図してかどうかは定かでないが集大成的な側面もある。
モチーフとして「人は運命からは逃れられない」があるのだろうけれど…後味は少々苦い。エンターテインメントとしては少し不満。
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なにこのエンディングとしか言いようがない。 城の崎にてで最後に脊椎カリエスになるのを逃れなかった的などんでん返し
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上はサーガ物の傑作と感じてぐ偽食い読み進めさせられたが、下巻となると全く面白みがなく、正直リタイアしようかなと幾度も考えた。
読み手の頭が小市民だし、器のちっぽけな出来と来ているせいもあろうけど、半頁だけでも出来事、会話がスリリングにどっさり盛り込まれ続いて行く。いわば、ニュースダイジェストを読み進むみたいな感覚について行けなくなった気分。
そらサーシャもアレックスも登りつけた様なエリート、国の上位に与して行っている立ち位置。
訪露時は【カルペンコ】の拍手、声援が嵐の如くと行った呈もむべなるかなだけど、読んでいて、「だから、なんなん」というきもちが底辺部でぐちゃぐちゃと。
79歳、小市民的人生と対極にあるような経歴体験をしてきた御大でなければ書けないストーリーだとは思うけど、もういい。 -
前半はとっても面白くて引き込まれたんだけどなあ…もっとロシアに追われたりする苦難を乗り越えるのかと思ってた。やや強引な結末に感じた。
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帯を読まずに読みたい。
後書きで内容をバラさないセンス。