- Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102273104
感想・レビュー・書評
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不思議な話でした。
私はアメリカ人でもキリスト教徒でもないので、内容をちゃんと理解できたかどうかはなはだ疑問ですが、、、面白かったです。例によってかなり変わった人物たちが独特の世界観を織り成しております。
主人公は、凡庸を絵に描いたような人物であるジョン (個性と言えるのは私生児で実の父が誰だかわからないことくらい)。ジョンにはオウエンというユニークな大親友が居るんですが、この子が人並みはずれて小柄な体形で、声変わりもせず人をギョっとさせてしまうような独特な声の持ち主。本当に小さいので、ストライクゾーンが狭すぎてほとんどがボールになってしまい、少年野球チームでは 「スイングはするな。ただ打席に立ってろ。」 と監督に指示されフォアボールだけを狙うピンチヒッターとしてしか試合に出られません。なのにある日「思い切り打て」 と言われて打席に立ち、バットを振ったらそのボールが大好きなジョンの母親の頭に当たり、、、彼女は死んでしまうのです。
・・・という、アーヴィングだから読めるけれど、設定だけ聞かされるとなんとも滅茶苦茶な話です。まぁこの人の話はたいがいこんな感じですが。
オウエンは、自分の声が変なのも、体が小さいのも、神から避けられない役割を与えられているからだ、自分は神の道具なのだと信じていて、いろんなことを予知したりもします。物語は中年になった現在のジョンの回想として進むので、オウエンが自分で運命と信じていたことに抵抗しないばかりか逆に自ら積極的に運命に身をゆだねて死んでしまう、というのが最初からわかっているのですが、それがいったいどういう運命でどういう意味があるのか、ということが最後までわからないんです!。上下巻のたっぷりの長さで張られた何本もの伏線が、じわじわじわじわ、最後にはビタっ!!っとキレイに収まったので、すごいです。とはいえ、長いので少しじれったかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示