- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102325018
感想・レビュー・書評
-
前半は、男性が叶えたい願望や欲望(女・金)が描かれている
印象が強いと感じてしまった。特に(多い)性的描写は男性視線傾向が強く、まるで男性向け官能小説(?読んだこと無いけど)のようで困ってしまったが、小説の主旨を知っていたので読み続けてみたら、中半パメラが登場した位から完全にのめり込んでしまった。感情移入しすぎたかもしれない。
この小説は、「バタフライ・エフェクト」(映画)的な要素のみならず、現実的に「一度」しか無い「この人生」を「どう」生きるか、生きることの真の意味・価値、更にはあらゆる意味に於いて「恋愛」「愛」の在り方へのヒントを投じてくれる。ジェフとパメラの関係の在り方が羨ましくてしょうがない。読んでいて何度も胸が張り裂けそうになった。こうして書いている今でさえ、目がうるうるしてしまう。
翻訳が良くないというレビューもあり、確かに所々繊細さに欠ける表現もあったかもしれないが、ほとんど気にならなかった。 それより著者ケン・グリムウッドの着想が素晴らしいし、彼が伝えたい「生きる」、他人の人生をなぞるのではなく、「自分」が生き『続ける』ためには何をどうしたら良いかのヒントが至る所に散りばめられていて、だからこの小説は生涯「強く」記憶に残る作品になった。
余談:ジェフやパメラみたいに自分が死ぬ日時がわかってたら準備できるからいいな、と思うような気もするけど。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画化されると面白そう。
-
・43歳で死んだ男が25年前の自分の人生のある日に戻され、また43歳で死に、戻され、と言うリプレイを繰り返す物語。本棚に17年くらい置いてあるのを久しぶりに読んだ。
・自分が34歳になって読んでみると、10代の頃読んだとは全然違った視点を持っているのが面白かった。当時は未来を知っていて賭けで得するっていうタイムトラベル物として純粋にワクワク読んだけど、今だとジェフの人生も30代あたりからの部分に共感しちゃったり、何度作り上げてもリセットされてしまう哀しさに強く惹かれたりした。だからこそパメラとの出会いが最高なんだよね。
・これ今読んでみると訳も最高にいいなあ。訳書に良くある違和感も数える程度しか無い。
・なんか改版とかってのがあるみたいだけどどう違うんだろう?そっちは520ページくらいあるみたいなんだよね。文字組み替えただけだと興醒めなんだけど、内容に追加があるなら読んでみたいな。 -
再読本。
最初に読んだときは、繰り返す人生の中、歴史を知る主人公がどう行動していくのかが面白くて読んでいた感じでした。
今回読み直したら最初読んだときとは感じ方が変わっていました。いくら懸命に生きても結局リセットされてしまう主人公の人生の哀しみのほうに気持ちが動かされました。すべてを失い続ける人生って辛すぎる。
結末は分からない。そして一度きり。それが人生。 -
青春小説と思います。切ないです。何度も読み返しては涙してしまいました。
主人公と同じ年代以降、40代後半から50代になってからこの小説が身にしみにるようになりました。
若さの大切さや危なかしさを思い出させてくれます。 -
43歳で死に、何度も人生を「リプレイ」する主人公ジェフ。設定はありがちなSFっぽいが、ストーリーはヒューマンドラマ。自分の人生で背負っているものが大きく(結婚や子供など)、ジェフがリプレイする時代とある程度重なった時代を生きている人ほど、彼のリプレーヤーとしての数奇な人生とその苦悩に共感しやすいかもしれない。読み終わってみれば、一度しかない自分の人生の「今」の価値について考えさせられる話。
-
「ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま、彼は大金持に。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また――。人生をもう一度やり直せたら、という窮極の夢を実現した男の、意外な、意外な人生。」