- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102451083
作品紹介・あらすじ
現代米文学の旗手オースターは、若き日に学校を中退し渡仏した。翻訳者・ゴーストライター・別荘管理人などの仕事で4年間糊口を凌ぎ、その後遺産を得て執筆に専念、"ニューヨーク3部作"を完成させた。当時書かれたエッセイや序文、4本のインタビューを中心に構成された本作は、ファンなら是非知っておきたい天才小説家誕生の秘密の宝庫である。文庫化に当り、更に未収録の3編を追加。
感想・レビュー・書評
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「物語を語るということは、それを失うということだと思う。たとえば私が自分の人生について、君に詳しく語るとしよう。そうすると私の人生は、私が語ることを選んだ、その細部において失われてしまうんだ。現実の人生には選ぶも選ばないもない。何が一番重要か、どうやってわかる?物語は一人の人間の人生を、誰か他人がその人について言いうることに限定してしまう。」ポール・オースターマニアしか読まない作品だな。知らない作品の彼の評論ばかりで、ピンとこず。残念!彼の小説を読もう。
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なんでかすごいよかった。
読みすぎると病みそうだからちょっと距離を置きたい感じではあるけど。
本の中にでてきたウルフソンのLe Schizo et les langues読みたいけどフランス語か-。
めも
ウィリアムブロンク
ジャックデュバン -
オースターが作家になる前の、書評や翻訳の序文やインタビューを集めた本、というところまでは知っていたんだけど・・・、気軽な気持ちで読んでみたら全然興味が持てなくて驚いた。知らない作家の作家論・詩人論は、レトリックや比喩を多用した文体もあって、なかなか頭に入ってこない。翻訳の序文も知識がないと意味がわからない。
作家としてのオースターとは別の、新しい一面を見ることはできるが、訳者あとがきにもある通り、作家の前史としてだけの読み方は難しそう。実際半分以上は目を通しただけになってしまった。
手っ取り早くルーツを感じ取りたいなら『トゥルー・ストーリーズ』の方がずっと読みやすく理解しやすい。他の著作を隅々まで読んで、さらにオースターのことが知りたいとなったときに再読したい。 -
初めて読むポール・オースターがこの文書録であったことに運命を感じずにおれない!
短い中での熱烈なまでのラブコールにこうも続くとうなされかける・・・
この男の人がどれほど物語を愛し、それを紡ぐやさしい人を愛し、偶然を、世界を、孤独を愛するのか。
痛いほどに伝わってくる。
そして訳者の注釈やインタビューから、訳者のオースターへの愛も。
こんなにも、物語を信じ、愛するものたちがいるのだというなんともいえない幸福感が最後に残るのだった。
個人的に、やっとの転機を与えてくれたような大切な本になった。
オースターへの思い入れが半端ないです。
※なぜ☆が一個足りないかというと途中の方はうなされたからです。 -
時間がかかったけど、その分丁寧に読んだつもり。
私が何故オースターを読むのか、少し解った気がする。
彼の作品を通して自分が何なのかを探ろうとしているんだと思う。 -
オースターの趣味が分かる本。映像に対する思い入れの強さ、映画スモークやルルオンザブリッジをまた観たくなりました。
摂理─エドモン・ジャべスとの対話は特に印象に残りました。
ー問うことによって、戯曲的な語りによって、私はひとつの物語を語りたかった──自分のうちに感じられる物語を、感じられるそのままの形で、本当に語ってしまうことなく語りたかった。語られなくても知られ、理解されうる物語もこの世にはあるように思えた。
彼らは収容所に送られた、と言えば、それだけでユダヤ人には物語全体がわかる・・・・あるとき、収容所で家族を失った男にあったことがある。逃げたのはその男と、息子だけだった。男はそういって、それから全然別の話をはじめた。「私の家族全員が収容所に送られました。息子と私だけが逃げました」、そう言われただけで、私には彼の人生全体を、過去も現在も、未来までもすべて聞かされた気がした。この会話でとりわけ深く印象に残ったのは、それにつづいて男が息子の話を聞かせてくれたからだ。エルサレムが封鎖されて、エルサレムへ向かう物資供給トラックがシリア軍に攻撃されている時期、当時まだ十五か十六だった息子が、そうしたトラックの運転手になりたいと言って、父親に許可を求めた。父は許可した。そして息子は殺された。そのあと、父は息子の名を名のることにした。ベン・ズヴィという名で<摂理─エドモン・ジャべスとの対話より> -
ムーンパレスを5ページで脱落した女が読もうとするのはこれなんですよ
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2009/
2009/
とにかく私の知らない作家・詩人がたくさん載っている。いかにポール・オースターが詩というものを勉強してるかがわかる一冊であろう。
?.エッセイ集
大切なのは、人を空腹から守ってくれたためしのない文化を擁護することより、文化と呼ばれているもののなかから、空腹と同じように人をつき動かす力を持つ思想を引き出すことではないか――アントナン・アルトー
ニューヨークバベル:
ジョルジュバタイユは小説『青空』のなかで、実験のために書かれる書物と、必然から生まれる書物という重要な区別を行っている。文学とは基本的に破壊的な力であり、「恐れとおののき」とともに対峙される存在として、生の真実とその過剰な可能性を開示する力を持つ、と言っている。文学とは一個の連続体ではなく、むしろいくつもの断続の連なりである。
自分の周りの文学状況にはほとんど何の影響を及ぼさなかったにもかかわらず、やがて次第に、なくてはならない作家として認められるようになる者もいる。たとえば、カフカである。
カフカの手紙:
?.序文集
ジャック・デュパン:
アンドレ・デュプーシェ:
?.インタビュー集 -
私はインタビューが好きです。
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オースターが大好き。