- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102472309
作品紹介・あらすじ
いよいよ"ラビット"一家が動き出した。ライアンは、彼らの生命を守るための、神をも欺く作戦の仕上げに取り掛かる。"ラビット"のもつ情報に驚愕したCIAとSISは、一転して教皇の生命を守る方法を必死に考えることになった。気丈な教皇を公の場から遠ざけることはできない…。現実の事件や実在の人物と巧みに織り交ぜ、圧倒的なリアリティで迫る、詳細な諜報小説。全4巻完結。
感想・レビュー・書評
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内容 :
教皇暗殺(Red Rabbit, 2002)
ソ連の影響下のポーランドで反政府運動が活発化する。
ポーランド出身のローマ教皇は共感を覚え、教皇を辞職して支援に向かおうと考えるが、それを知ったソ連は教皇の暗殺を計画する。
実際に起こった1981年のローマ教皇暗殺未遂事件が舞台。『愛国者のゲーム』から半年が経過している。
なおベン・アフレック主演の『新ジャック・ライアンシリーズ』の映画化のために書き起こされた小説であるが、
モデルとなった教皇暗殺未遂事件のヨハネ・パウロ2世が2005年4月に死去したため映画化が頓挫した形となっている。
著者 :
トーマス・レオ・クランシー・ジュニア(Thomas Leo Clancy, Jr., 1947年4月12日 - 2013年10月1日)は、アメリカの小説家。
軍事や諜報活動を扱うテクノスリラー小説を数多く執筆し、また自身の名を冠したテレビゲームの監修も務めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4巻では主役のライアンが活躍する。3巻までに周到に仕込んだ舞台が一気加勢にまわりだす。
本書では、1981年当時の国際関係や事件それに当時の政治の首班を実名に登場させ、さながらノンフィクションのようなリアリティさをかもし出す。そしてそれを抑えた筆致で静かに展開させ、読者の中で迫力が倍化する見事な出来栄えとなっている。
後書きにある本書の設定では、ジャックライアン32歳「パトリオットゲーム」の5ヶ月後である。なんとも忙しい男である。 -
史実の裏側を推理して膨らませるってのは、大変だろうけど、多分、楽しい作業だと思うんだ。若き日のライアンが主人公だし、クランシー大先生も楽しんで書いたんだろうなあ、と思わせる作品です。
しかし、ソ連だった時代のロシアは、ホント大変そうだったよね…… -
ジャックライアンシリーズは読み続けていますが、『教皇暗殺』は少し時間をさかのぼって若き日のライアンの描いています。フォーリやMPなどライアンシリーズでは重要な人物も登場しています。読み応えは充分でした。暗殺については欲を言うと、もうひとひねりあってもよかったんじゃないかな。