上野池之端 鱗や繁盛記

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 324
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003168

感想・レビュー・書評

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  • 三流の「鱗や」が料理屋番付入りを目指し奮闘

  • 先は想定できるものの、あの賢い若旦那がどう始末をつけるものやらと読み進める。やはりありきたりに刺し違えの幕かと思えば、ご赦免あり。納まるところに納まった。よもやお日出とお鶴までご赦免なんてことならば、ゆるし難い。お軽を殺そうとした彼女らに対して、意外と寛大なお末の態度に納得いかんのだよ。まあ、タイトルからして鱗やの行く末は明るいんでしょう。よかった。

  • 鱗やに奉公にきたお末が、一生懸命お店を立て直していくお話。
    登場人物の人情劇みたいな部分もあって楽しめました♪
    でてくるお料理の描写がおいしそう!!
    美味しそうな描写の文章を読んだときってなんであんなに幸せな気分になるんだろう(笑)
    最後の終わり方を何だかもっと掘り下げて欲しかった感じが残りましたけどよかったです^^
    続編、とか出てもいいような気がします。

  • 上野池之端にある、ちょっとすさんだ料理屋が、いろんな過去と出来事を経て、店のあり方や従業員の心構えから出す料理から、ひとつずつ立て直していく、そんな明るい表の面と、その裏に、とある私怨を晴らそうともくろんでいる奴がいて、、のどす黒い裏の面と。二面うまいこと絡み合っていた。主人公のお末が、健気でまっすぐで、気持ちがいい。着物の柄とか風景とか料理の描写とかがうまいんだよなあ。情感こもった表現に、想像も膨らむ。「鰻茶碗」「白雪雑煮」食べてみたいねえ。
    再生した新・鱗やは、天性の客商売の商才センスを持ったお末のもとで、これからも愛される店になっていくんだろうな、、という期待を持たせて終わる感じもすっきり。読みやすい1冊。どこの世界にも真人間とクズがいるねえ。

  • 面白かった!

    幼いながらも賢くて筋のとおったお末が、若旦那と店を建て直していくお話。
    勧善懲悪、善い人はみな救われる温かなラスト。
    そういう、時代小説らしいわかりやすさが大好きです。

  • 落ちぶれた料理屋に奉公に来たお末。

  • 料理茶屋に奉公する娘・お末のお話。短編連作集。
    幽霊騒ぎが出始めたあたりから、何やら嫌な方向に話が進んでいったけど、最後はほっこり終わりました。
    続編があれば、夫婦になっていることでしょう。

  • ほのぼのとしたお話になるのかと思えば怖ろしく、最後の落とし所はさすがです。

  • 2015/1/4

  • 落ちぶれて、三流の料理屋になっていた「鱗や」に、騙されるようにして奉公に入ったお末。
    “菩薩”のような若旦那と共に、一流料理屋に再生する為に奮闘していきますが、この若旦那に「鱗や」に対する謎めいた含みが見えて・・・。
    読みやすい展開で、「鱗や」が再生されていく様子は良かったです。
    若旦那の“含み”は中盤から見え見えという感じでしたね。ラストも、もっとじっくり書いてほしかった気がします。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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