満願

著者 :
  • 新潮社
3.69
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本棚登録 : 6764
感想 : 986
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103014744

感想・レビュー・書評

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  • 直木賞受賞めでたいです
    狙ったわけではなくちょうど米澤穂信さん

    ちゃんとしてるなぁってのがまず思ったことです

    短編集なのにちゃんと伏線張ってちゃんと回収してちゃんと捻ってる
    ちゃんと本格ミステリ

    凄い技量だなと思いましたが
    ちょっと好きじゃない世界観の短編が多めで全体としてはそうでもなかったなと思っちゃいました

  • 米澤穂信さんの短編集。50ページくらいの短編6編で、それぞれ奇妙な展開の事件が語られる。
    他の方が書かれていた「後味の悪い」が共通事項と感じた。犯人の意図を推測していった先、事件についていろいろ動いた結果など、知らなくてもよかったのにという感じである。

    「関守」は、地域の怖さを醸し出す物語。都市伝説で記事を書くことになったライターが、不審死の続く峠の取材に行く。割り切ったスタンスの彼が着いた茶屋のおばちゃんは、不審死した人たちが立ち寄った際の話をし始める。ある物から真相がどんどん語られていくところやオチが、結構好きな感じだった。ちょっと地域伝承風が絡んでいくところと思う。漫画家のたがみよしひささんの短編に雰囲気の似た感じだった。

    「満願」は、昔大家だった人を弁護することになった弁護人の心情の物語。弁護の中で、その心情や背景を考えていく中で、ある考えに陥っていく。多分考え通りとして、その証明でありタイトルの由来にも関わるものの位置づけが、気になる。彼女の満願とは、何だったのか。

    「万灯」は、追い込まれていった先の展開がよい。開発競争の中、犯罪に手を染めた主人公の行き先は。万難を排してきたはずが、予想外の状況となり、どこで間違ったを自問自答しながらもその結果を待つ。最後まで描かれないところが、その先の想像を呼んでよかった。

    「柘榴」が、ちょっと合わない感じがする話だった。テーマについては、別に嫌悪感もないが、柘榴を使った表現が、ちょっと肌に合わず。話的には、どれぞれの女性の考えが怖さがあり、それはおもしろく感じたのだけれど。

    全体的にこの後味に悪さは、好きな感じなので、おもしろく読み進められた。ぼんやりとした不安や不安定な感じがいいんだろうと思う。

  • 米澤穂信さんの短編集。
    表題作である「満願」を含めて、計6つの作品で構成されている。
    一つ100ページくらいの長い作品があるものの、基本は4,50ページの作品でサクッと読めるものが多い。
    個人的なお気に入りランキングは、こんな感じ
    関守>万灯=夜警>満願>死人宿>>>>>柘榴
    …でも正直、著者の作品としてはそこまで…という感じだった。
    「柘榴」が圧倒的に下なのは、その作品の気持ち悪さにある。ただ、そこまで大きな印象に残った作品がない中で言うと、ある意味インパクト的には一番かもしれない。
    「柘榴」程ではないかもしれないが、どの作品も若干の気持ち悪さ、異常性というか違和感みたいなものを感じる作品が多かった気がする。短編集ということもあり、十分に登場人物やストーリーに自分が入り込めなかったことも、そう感じた要因の一つだったかもしれない。
    著者の作品はまだまだあるので、また日をおいて引き続き別の作品も読んでみようと思う。

  • 【満願】
    読みたいと思いつつ、1年以上もたって、その願いがかないました。
    ある意味、満願成就ということですね!

    読みたいと思う本は多いけれど、この【満願】はかなり思いの強い本でした。
    その理由は…

    2014年。
    年末恒例のミステリランキング。
    早川書房「ミステリが読みたい!」で2位以下に大差をつけての1位。
    文藝春秋「週刊文春ミステリーベスト10」で、2位とはほぼダブルスコアに近い得点で1位。
    宝島社「このミステリーがすごい!」で第1位。
    「ミステリが読みたい!」がスタートした2008年以降、二冠を制した作品(東野圭吾『新参者』、横山秀夫『64』など)はあるけれど、三冠制覇は『満願』が初めてだそう。
    さらには第27回山本周五郎賞受賞、第151回直木賞候補。
    (新潮社HPより抜粋)

    6編の短編が収められているのですが、かなり好き!と思う物から、いまいち好みではないと思うものもあり…
    最終的に☆3つの評価になってしまいました。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      私も好きな作品とそうでもない作品がありました。同じですね♪
      感想にも書いてありますが、私はこの作品より「儚...
      こんばんは(^-^)/

      私も好きな作品とそうでもない作品がありました。同じですね♪
      感想にも書いてありますが、私はこの作品より「儚い羊たちの祝宴」の方が好きです。
      ゾワゾワっとします(笑)
      好みが似ているならおすすめです。

      森絵都さんもまた読みたいです。
      「カラフル」は心に残る作品でした。
      2016/01/23
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは~♪

      けいたんさんも好きな作品とそうでもない作品があったんですね。
      私の場合、読みたい!と長く思いすぎたため...
      けいたんさん、こんにちは~♪

      けいたんさんも好きな作品とそうでもない作品があったんですね。
      私の場合、読みたい!と長く思いすぎたため、期待値がMAXでした~(笑)

      森絵都さんの「カラフル」は私も好きな作品です。
      2016/01/24
  • 何が起こるか分からない謎解きのモヤモヤがあり、最後に、そうだったのかと感服させられる。
    短い内容の中にしっかり伏線があり、回収がされていておもしろかった。

  • 最後まで読み終えずにはいられない面白さでした。一気読み。
    六つの短編小説。
    殉職した警察官の上司、死人宿へ訪れた元恋人、都市伝説を確かめに峠の茶屋へ寄ったライター、バリバリ働く商社マン、他印象深い人々が語る、まさかの展開。
    タイトルの満願含め、描写が鮮明にイメージできて、映画を観ているような気持ちに。
    初、米澤作品。他の作品も読んでみようと思います。いやー、ドキドキしました。ドキドキというか、ぞわっとかな。

  • 気軽に読める後味の悪さ 好きです

  • 久しぶりの米沢穂信さん。
    お友達の本棚でお見かけして、ずっと読みたかった作品。

    #夜警・#死人宿・#柘榴・#万灯・#関守・# 満願
    6編からなる短編集。

    特に面白かったのは、
    #夜警・殉職して英雄扱いされた警官の本当の顔。
    #万灯・最後のお裁きが印象的。
    #関守・ホラーっぽいのは苦手なのに、これは良かった。

    どれも、ひんやりとした心の闇が感じられ、
    ゾクリと薄ら寒い世界に、ぐいぐい引き込まれ一気読みでした。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      満願読んだんだね〜♪
      万灯が思い出せない。
      どんな話だったっけ?
      私も関守好きだわ。
      私もホラーは苦...
      こんばんは(^-^)/

      満願読んだんだね〜♪
      万灯が思い出せない。
      どんな話だったっけ?
      私も関守好きだわ。
      私もホラーは苦手だけどこの話は大丈夫だった。
      私、ホラーよりグロいのが苦手だわ:;((•﹏•๑)));:
      2016/04/08
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こちらでもこんばんは~♪

      そうなの~、やっと読めたの!
      面白かった~!

      #万灯は、商社マンが、東南アジアの奥地に天...
      けいちゃん、こちらでもこんばんは~♪

      そうなの~、やっと読めたの!
      面白かった~!

      #万灯は、商社マンが、東南アジアの奥地に天然ガスの開拓に行って、
      (バングラディッシュだったかな?)
      私も、もう忘れてるね(笑)
      そこの村で、殺人をしてしまうお話。
      それで、最後に思わぬ形の天罰が…。
      思い出せたかな?

      あと、内容がちょっと…で、感想が書きにくかったけど、
      姉妹のお話もぞくっとしたよね。
      そう考えると、案外ホラー大丈夫なのか?私(笑)
      でも私も、なによりグロいのはダメだわ~(>_<)

      けいちゃんのおかげで、読めて良かったよ~♪
      また、いろいろ教えてね~(*^-^*)
      2016/04/09
  • なるほどねー、こんな感じか。という感想。
    だけどいくつかは、後からくるのもあった。
    帯の言葉に期待しすぎた感はあるけど、面白くサラッと読めた。

  • 少し暗い雰囲気の短編集。
    どの話も最後のどんでん返し(というほどでもないかもしれないが)が面白かった。
    全体的に昭和後期の話なのかな。今とはまた違う、まだ街に暗がりが残っていた時代。その時私はまだ物心つかない子供だったので想像だけれど。

    古典部シリーズから入ったので、話の最後が物哀しいのが読んでいて少しつらい。やっぱり、読後感のいいものが好き。

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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