- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103025122
作品紹介・あらすじ
滑落事故はなぜ起こったのか?人妻との恋に悩む男はなぜ死んだのか?甦る名作長篇。
感想・レビュー・書評
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井上靖さん初読。
「氷壁」というタイトルから「神々の山麓」のような山岳小説をイメージしていたが、内容は山以外の人間模様が中心の作品。
二人の親友でもある登山家の一名が滑落事故で亡くなった。その死因を巡り、様々な憶測が絡み合うことで物語が進行していきます。
終盤ハッピーエンドかと思いきや悲しい結末に。まぁ、そうなるよねと思いながら読み終えてしまいました。
救いがない展開ですが、主人公の上司の豪放磊落でありながら、部下に語ったり、愛情を持って接するところになんとか救われた気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者、井上靖さん(1907~1991)の作品、ブクログ登録は2冊目。
本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
滑落事故はなぜ起こったのか?人妻との恋に悩む男はなぜ死んだのか?甦る名作長篇。
---引用終了
本作は、1958年3月18日に大映の映画として公開されています。
そのキャストは、ウィキペディアによると、次のとおり。
魚津恭太 - 菅原謙二(1926~1999)
八代美那子 - 山本富士子(1931~)
小坂かおる - 野添ひとみ(1937~1995)
小坂乙彦 - 川崎敬三(1933~2015)
常盤大作 - 山茶花究(1914~1971)
八代教之助 - 上原謙(1909~1991)
小坂の母 - 浦辺粂子(1902~1989)
上条信一 - 河原侃二(1897~1974) -
読みたいリストに入れておきながら、今更ようやく読み終えました。”ザイルがなぜ切れたのか?”。これを巡っていろんな推測がされる中の主人公の葛藤やその周りの人間関係がずーっと絡み続け、読んでいても真相が知りたくてワクワクする。古い本ではあるが、今見ても十分に楽しめる。ラストがあーなんとなくとは思っていたけど、やっぱり支社長があのときにいった言葉通りになっちゃったかーって感じで締めくくられていた。ページ数も結構なボリュームだけど読み応えはあった。
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山岳文学の結晶であることは分かるが古い道徳観で読みづらい。後半飛ばし読み。展開も、描写も陳腐と感じたが、これはこの本が山岳文学の方向性を決定づけたということなのだろう。
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ちょっと前読んだのですが、ハラハラドキドキしながら読んだのを覚えています。
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タバコ。携帯電話がない。言葉づかい。70年でこんなに変わるんだ。
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デュブラの詩で涙。
単なる登山家の愛と友情の物語ではなく、当時、本当にザイルが切れる事件があり、製造者責任の法整備に繋がる社会問題を扱った小説と知り、感動も倍増。 -
昔読んだことがあるけど記憶に無いのと、山登りを始めた今だからこそ、と思い再読。
冒頭から山をやる人にとって、お!と思う描写。奥穂高、涸沢、徳沢と、馴染みの知名オンパレードで、山から帰ってきたばかりだったのに、胸がワクワクします。
ナイロンザイル事件が思いのほか早く起こって、そこからは、ドラマが展開するのだけど、山をやってる人には物足りないかも。
そう、もっと山のこと書いて欲しいと思ったのです。 -
ミステリーなんだけど、人間ドラマ。
ナイロンザイルが切れたのは事件なのか自殺なのか…
山に関して無知なので、冬山登山に関する描写は「へぇ〜」と思う事が多く面白かった。
時代背景は古い。