親鸞「四つの謎」を解く

著者 :
  • 新潮社
3.87
  • (5)
  • (5)
  • (4)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 58
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103030249

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者90歳にして親鸞が生きた90年と並んだということで、記念碑的著作。たしかに若い頃にはない90歳的くどさはみられるものの、やはりハズレなし。論点は4つで出家、法然門下、結婚、悪の自覚。内容全てに大賛成とまでは言えなかったが4つともに梅原論はよくわかるし、概ね大納得できる。一番読み応えがあったのは「二種廻向」について。どの作者のどの親鸞本を読んでもやはりとても人間的でフィロソフィカルな学者としての親鸞を感じる。確かに当時としては本当に画期的というか凄まじく突飛な考え方だっただろうと思います。というか、今、私が考えてもやっぱりどうも聖職者の肉食女犯というのがねぇ、、現代はグレーゾーンですが、宗教的に男女平等に救済されることと聖職者が妻帯/夫帯することが繋がらないです。別と感じられてならない。それだけによけいに親鸞に興味がわくのかもしれない。写真も美しくとても臨場感あって良い。

  • 90歳の梅原猛の渾身の一冊.親鸞はなぜ出家したのか?なぜ結婚したのか?などという素朴な疑問を本願寺派からは一顧だにされなかった資料も含めて考察する.くっきりとした親鸞像が浮かび上がるが法然、九条兼実など周辺の人物や時代背景もよくわかって学術的な読み物であるにもかかわらず楽しく読める.

  • いろいろな文献にあたり、丁寧に読み込まれ、訪れた寺や史跡などの写真も掲載されていて、難しいながらもわかりやすかったし、推理小説を読むようなわくわく感もあり非常に面白かった。

  • いやあ、本願寺の嘘がバレたなあ。

著者プロフィール

哲学者。『隠された十字架』『水底の歌』で、それぞれ毎日出版文化賞、大佛次郎賞を受賞。縄文時代から近代までを視野に収め、文学・歴史・宗教等を包括して日本文化の深層を解明する〈梅原日本学〉を確立の後、能を研究。

「2016年 『世阿弥を学び、世阿弥に学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梅原猛の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×