薄妃の恋: 僕僕先生

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103030522

感想・レビュー・書評

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  • ひょんなことから仙人「僕僕」と知り合い、一緒に旅をすることになった無気力「王弁」。
    前作では、仙人の世界へ帰らざるを得なくなった僕僕先生を待って5年。王弁のいる現世へ僕僕先生が約束通り戻ってきて、今回は皮だけの「薄妃」を加え、3人での旅が始まります。
    旅の行く先々で、妖が絡む事件に遭遇し、今回は僕僕先生の活躍というより、王弁が大活躍します。成長したのね。

    今回は、新たに僕僕先生も手を焼くような面縛の道士も登場し、きっとこのシリーズはまだまだ続くのだろうと期待大です。

  • 薄妃ってそのままのネーミングじゃないか(笑)と思わず読んでいて突っ込みを入れてしまいました。
    前作より5年後。最初の巻では物凄く成長したように描かれている王弁でしたが、実際には5年の月日がたっていても、僕僕先生のそばにいると昔ととんと変わっていないような……せ、成長したんじゃなかったの? と思わず首をひねってしましました。
    料理のお話では、王弁の人の好さというか、屈託のない性格が描かれていたように思えます。料理、おいしそうでした。
    雷神の子のお話は切ない予感しか感じなかっただけに、最後の方は本当によかったね、と言えるものでした。しかしここで不穏な影、というか不審な人物が登場し、後々また出てくる予兆がありました。
    そしておそらくメインの扱いとなる、これ以降共に旅をすることになった薄妃との出会いのお話。
    恋に焦がれた女は妖異、皮しか持たぬ薄妃は、男を憔悴させていると知りながら、死者の骨を体に入れ、取り返しのつかぬところに足を踏み入れかけている。
    僕僕は、無理やり薄妃と骨とを引っぺがし、恨み言をぶつけられても自分は王弁と共にいられる方法を探している、だから薄妃も何とかしてやりたいと語り、共に旅に出ることとなる。王弁は、待ち合わせに来ない薄妃を思い動転する男に「信じていたら待てるはず」だとして、薄妃の正体を告げぬまま待つことを勧めた。
    忘れていないのに、忘れたふりをしている男の話では、僕僕は「思い出す薬」ではなく、「忘却する薬」を調合する。
    自分がいないほうがすべてがうまく回る、妻は弟に思いを寄せているとして忘れたふりをし続けていた男。
    武人になることを目指しながら、兄の代わりとして始めたことに自分の商才に気付き惑う弟。
    義理の弟に思いを寄せ、夫に騙されていたと逆上し夫を刺し殺そうとしてしまった妻。
    誰がその薬を飲むべきか、それは彼らが決めることとして結末を見ずに旅立つ一行。この巻ではその顛末はつづられていませんでしたが、別のお話にて忘れた人物がちらりと出てくることがあります。
    伏線回収というほどのものではなく、あ、あの人が出てる。っていう感覚に近いですね。
    そしてこの巻で一番お気に入りだった、異界の剣を父親の復讐を願う男に貸し出すお話。この剣、現在の持ち主は王弁なんですけど、なぜかその裁量は僕僕なんですよね。
    兄弟らしき二人が町で一番の力を持つモノに殺されかけた際(この二人も後々出てくるんですよね)、僕僕がその二人を逃がしたところから、王達という復讐を願う男がまさしく異界の剣!として、僕僕が手にしていた剣を盗もうとします。
    当然それはバレて、貸す代わりに妻を差し出せ、と僕僕は交換条件を出す。それに対して男は迷うこともなく受け入れるのだった。
    そして妻も言われたとおりに僕僕のもとへと訪れる。彼女もまた、人ならざるものであった。
    最後の話は歌声が美しい娘のおはなしですね。
    僕僕がいたく気に入ってしまうほどのもの。それについての詳細は書かれていませんが、いろいろ想像を働かせるようなものがありました。

  • 見た目は美しい少女だが、じつはとてつもなく偉い仙人である、僕僕と仙骨のないただの人である弁。弁のまっすぐさ、情けないくらいの優しさ、そしてそんな弁をつきはなしながらも放っておけない僕僕。読むのは何回目かわかりませんが、読み返すたびに、キュンとなります。

  • 僕僕先生はあいかわらず可愛い…。
    すごくファンタジーで全体的に可愛らしいのに王弁の邪な感情が妙にリアルでほほえましい。

  • 僕僕先生シリーズ。
    前作より、読みやすい。

    そして、僕僕が相変わらずかわいいのもいいけれど
    最初艶かしかった薄妃が、かわいらしくなるのがまたいい。

  • Yay, she's back! Haha, poor 弁, always being constantly teased by her. At least he's growing bit by bit. Let's see if he can get any closer to 僕僕 in the next book, though I doubt he'll go very far... ;P

  • 薄妃ちゃんは水川あさみちゃんにやってほしいかなー?
    王弁君はだれかなぁーいまのとこなんとなく妻夫木君イメージかなぁ。

  • この作家さんのちょっとした表現が
    ほんわかやさしい感じが好きだなぁ。
    最後は僕僕もかわいかったしなぁ。
    あんなことされちゃぁ、男はたまんないよなぁ。
    すごくかわいいなぁって思える本です。

  • 僕僕先生の続編。
    薄妃という新しい仲間を加えての旅。
    相変わらずの僕僕先生だが、王弁に対する好意がそこかしこに見え隠れして、王弁でなくとも何だか嬉しくなってしまう。
    ただ、「上辺だけでなく本性を見せられてなお愛せるか」というテーマが寂しさを呼ぶ。綺麗事でない終わり方が好き。

  • 歴史的で読みにくかった1巻ですが・・・
    今回は一段と物語に入り込めて読みやすかった。

    新たな登場人。

著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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