- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103040323
感想・レビュー・書評
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「日本フィギュアスケート史上最大の挑戦」って副タイトルだったけど、ちょっと前の本なので、バンクーバー五輪のお話でした。
全出場選手のなかで唯一SPとフリーで4回転+3回転を成功させ、大きなミスもなかったプル様が4回転を持たないライサチェックくんに敗れたこの大会。
SPとフリーで合わせて3回の3Aを決めるというオリンピック史上初の歴史的偉業を成し遂げた浅田真央ちゃんが、3Aを持たないキム・ヨナちゃんに敗れたこの大会。
まぁ、SPとフリーでともに3Lz+3Tを決めたのはヨナちゃんが初めてらしいから、その点は素直に評価するにしても…。
スポーツとしての未来を考えると採点方法を再考する時期に来ているのではないか…って書いてあったけど、4年経った今、それどころか…だよね。
競技前、ライサチェックくんの振付を担当したローリー・ニコルさんの親友でアメリカ出身のISUジャッジであるインマンさんが、名前はあいまいにしてあるけどプル様を貶めるような怪しいメールをジャッジとスケート関係者60名に送りつけたりとか、やっぱり裏でいろいろあるんだな~って思いました。
キレイにまとまっていて、バンクーバー五輪を振り返るのにとても良い1冊でした。 -
五輪に挑む世界のトップスケーターたちの闘いの舞台裏を描くノンフィクション。選手たち、そして支える人々が、何を目指し、どう戦ってきたのかを追う。
主に、バンクーバー五輪に焦点を当てている。前半は五輪前に書き、後半は五輪後に短期間で書き上げているそうで、勢いがある。五輪前に書いた部分は、五輪の結果が出た後も特に手直しはしていないそうで、荒削りなのかもしれず、また緻密な分析というわけではないのだろうが、臨場感があっておもしろい。
歯切れのよい文章は、五輪前後にしかフィギュアを見ないような素人(自分を含め)にも読みやすい。
採点競技の難しさを改めて感じる。タイム差やゴールの数など、勝敗が一目でわかる競技にはない、判断の難しさがある。だが、本書のおかげで、採点が思っていたよりも感覚的ではなく、細かな基準に基づき、ポイントが加算されて個々の選手の点数となることがわかった。ジャッジの他にジャンプの回転数などをハイビジョンで確認する専門のテクニカルパネルがいるというのも本書で知った。
それでもなお、男子の4回転ジャンプにまつわる論争が本書でも取り上げられていた通り、誰しもが納得する「チャンピオン」を決めるのは至難の業だ。正当に判断する基準を決定するということは、大変な作業なのだ。
戦う相手はライバルたちではなく自分という第一線の選手たちのストイックさも興味深かった。浅田選手が「パーフェクトな」というのをよく聞くが、少女のような笑顔の影にある意志の強さを思うと、真央ちゃんと軽々しくは呼べないなぁ。
ちょっと傲岸な印象があったプルシェンコのイメージも少々変わりました。
フィギュアに詳しい人が読むと種々、異論のある点もあるのかもしれないが、素人が読むには読みやすく、フィギュアの知識もつき、おもしろい一冊。 -
バンクーバーオリンピックを思い出しながら読んだ。背景がわかるとまた面白い。川口悠子さんがロシアで受けいられれているというのが嬉しい。
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アレレな裏事情・・・
それでも銀取ったプルシェンコは凄いな、と。(負け惜しみ) -
日本フィギュア界の動き。 音楽の影響とカナダの妨害。
フィギュアスケートの採点におけるジャッジとテクニカルパネルの役割。 バンクーバー五輪に向けての各選手の戦略。浅田真央のこだわり。その他。
フィギュア界のことが、簡潔にまとめられている。 男子の4回転論争が興味の中心。 -
とても興味深く読んだ。
五輪での男子シングルにまつわるあれこれや川口選手のことなど、推測なども交えながらではあるがとても公平に綴られていると思う。
女子シングルに関しては、とてもあっさりとした記述に留まっているが、あれ以上書きようがないのではないかとも思える。ヒステリックにわめき散らす両国の一部のファンとマスコミには本当に辟易するが、何をどう書いたところで憶測の域を出ない気もする。
穿った見方をすれば、「男子にこれだけの疑惑があるのだから、女子の方も察してください」と言っているように受け取れないこともないが。