- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103050711
感想・レビュー・書評
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先日、知覧の特攻平和会館へ行った際、売店でこの本を購入しました。行く前に読んでいたら、もっと穴沢利夫少尉について知ることが出来たのにと悔やまれます。私は関東地方の某県に在住で遠いですが、再訪したいと強く思いました。
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戦争がいかに悲惨なものか、時と共に美談にされることもある戦争の話を、間違った事実が伝わらないよう語られた一冊。特攻隊員の「婚約者」だった女性が、当時の状況・胸の内などやり取りされた手紙と共に語り継いでます。【戦争中の一人の女性の恋愛の記憶】的な感じで、厳しい軍隊物でもなく、かといって恋愛もすれ違いなのがおや?という感じでした。やっぱり亡くなった方の手紙はきつい!自分に都合よく修正されないもの。後半、涙が止まらなかったです。辛い記憶を教えてくださって有難うと、そう感じでなりません。
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時間がたつ中で美化された思い出の部分も大きいだろう。しかしそれを差し引いても尚、心動かされるものがある。どう考えてもこの人達が生きた時代のほうが悲惨で、今の時代のほうが恵まれているのだが。
特攻隊で散る主人公の旦那さんが会津出身で(こないだ行ってきた)、田端周辺に住んでいた(今住んでる)あたり、偶然もあるものだ。
これでまた最近の陳腐なラブストーリーが読めなくなりそうだ -
「ザ・ベストハウス」でだったと思うけど、テレビで紹介されてたのを見て、読んでみました。
特攻隊として命を絶った穴澤利夫という男性がいました。
その男性と婚約していた智恵子という女性の視点から描かれています。
戦時中に出会い、恋をし、様々な困難を乗り越えながらようやく婚約することができたと思ったのに、結婚を迎えることなく彼は特攻隊として散って逝った・・・。
後日、智恵子さんの元に一通の手紙が届きました。
利夫さんが最後に書いた遺書です。
「智恵子、会いたい、話したい、無性に」と未練を残す一方で、「穴澤はもうこの世には存在しない」「今後は明るく朗らかに。私も負けずに笑って逝く」と自分がいなくなった後の智恵子さんの幸せをひたすら祈っている様子が伺えて、涙が出ました。
戦争で命を失った大勢の特攻隊員一人一人に、きっと大切な人がいて、同じように悲しい思いをした人がたくさんいるんでしょうね。
戦争を知らない世代だからこそ、こういう本や資料で当時のことを知り、戦争の悲しみを風化させないようにしないといけないように思います。 -
タオルが1枚ぐしゃぐしゃになった・・・。
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素直に読めばいいのかもしれないが、今ひとつ感情移入できない。時代背景をやはり実感できないからだろう。
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ノンフィクション。
戦時中から戦後までの切ない恋愛。
当時の様子がよく伝わってくる。 -
鹿児島の地名が気になってずっと読みたかった本。
最後の手紙は、本当に感動した。 -
饒舌で詳細に語られているのにリアリティが感じられず感情移入出来なかったのは、矛盾や不自然な点が必要以上に気になってしまったせいかな。戦争関連の書籍を読みたい友人にこれを薦めることはないだろうと思う。
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ずっと読もうと思っていた本。夏だし。首に婚約者のマフラーを巻いて亡くなった特攻隊の方と婚約者の方の話。婚約者の方が語った話をまとめたもの。表紙は特攻隊の方ご本人とその方の遺書。裏表紙は遺品です。本当はこういうのは好きではない。でも、語り部達が少なくなってきているからこそ心に留めたい。読んでいて痛いし苦しいけれど、戦争の事を知っておきたい。出会いから語られます。このマフラーは「あなたのマフラーにならなりたいと思います。」という手紙を送った後に会った時の答えとして、マフラーを首に巻かれました。このエピソードに彼の一部分となって一緒にいたい気持ちと死ぬ覚悟が出来ているのが切ない。いつも会うときはこれが最後かもしれないという思いを抱きながら会うのも、語られるすべてが苦しい。死ぬ覚悟は出来ていても、時たま見える心の揺れ・葛藤・悔い。遺書には一行の未練が書かれている。そこがまた胸をえぐられる。特攻隊というのは家族にもお話出来ない秘密事項だったようです。その他の方のエピソードもまた切ない。こういう人たちが無数にいたことを忘れずにいたい。私が今ここにいる事。戦争の事を考える日があるのも良い。涙なくしては読めない、声を上げての号泣でした。この本、文庫で出たんですね。