キアズマ

著者 :
  • 新潮社
3.85
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052548

作品紹介・あらすじ

決して交わるはずのなかった、俺たち。喪失を超えるように、ただ走り続ける――。命をかける覚悟? 誰かを傷つける恐怖? そんなもの呑み込んで、ただ俺は走りたいんだ。ひたすらに、自分自身と向き合うために。助けられなかったアイツのために――。一年間限定で自転車ロードレースに挑むことになった正樹。「サクリファイス」シリーズ4作目、新たな舞台は大学自転車部! ファン待望の最新長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • キアズマ、人との繋がりの中、本質・本能を受け継ぐということだろうか。サクリファイスシリーズ、4冊目。今回はフランスから帰国し、1浪して大学に入った正樹が自転車部に入る。理由は入学早々に自転車部の部長を怪我させてしまった事。1年間だけのつもりが、ロードバイクの疾走感の魅力の虜になる。一方、障がいをもつ友人の自殺未遂により心の弱さが露呈する。ロードレーサーが絶対的エースになるためには強靭な心を持たねばならない。正樹は先輩の櫻井の本質・本能を受け継ぎ、心の弱さを打ち負かした!絶対的エースに近づいた瞬間だった。

  • サクリファイスシリーズ4作目。
    といっても、チカや伊庭が出てくるわけでも、赤城&石尾の過去話などでもなく、今作の舞台は大学自転車部。
    新たな主人公・岸田正樹は一浪して大学に入学した帰国子女。
    周りに少し壁を感じつつも、それを解消しようという意思も特別持たず、淡々と毎日を送るつもりでいた。
    そんなある日、はずみで自転車に乗った学生とぶつかる。ガラの悪い関西弁丸出しの相手に、正樹は思わずその場から逃げ出してしまう。それがきっかけで事故を引き起こし、ケガをしたのが先の学生の所属する自転車部の部長・村上。
    正樹のせいだけではない事故だったが、責任を感じる正樹に村上が提案したのは「自転車部への入部」。
    一度は断る正樹だが「一年間だけ」という条件付きになり、承諾する。
    実は正樹は心に抱えた古傷のようなもののせいで、危険な競技はするまいと決めていた。のに、入部後どんどん自転車競技にのめりこんでいき、そんな自分に負い目を感じはじめ……。
    一方、件の関西弁男子、名を櫻井という。
    彼の走りに惚れ込んだ村上が自転車部を立ち上げたという実力の持ち主で、名実ともに自転車部のエース。
    櫻井にも背負ったものがあり、そのために彼は誰よりも強くなりたい思いで走っている。
    努力や経験だけでは手にできない天性の才能、才能だけでは育たない経験と走ることへの強い思い。
    ふたりの選手がいろんな重荷を振り切って、または背負って、走る姿が清々しいです。
    正樹がフランス帰りということや、ちらっと出てくるオッジのあの方やらをフラグだと思って、チカちゃんサイドとの融合はあると考えていいのでしょうか。
    そこも含めて自転車の世界に足を踏み入れたばかりの正樹の成長・櫻井の今後などどう描かれてゆくのか、また楽しみなシリーズになった。

    ・・・余談。
    モペット自走で脚力がついていたといっても、柔道と自転車の選手では筋肉の付き方がぜんぜん違うので、そんなにすぐにいい結果が出るのかなーというのが気になったところ。
    いくら合う競技だとしても体が重くて、絞り込むまでは結果が出なさそうなのに……と思ったのだけど、「弱ペダ」の田所先輩を見て、ちょっと考えを改める(笑)

    • 九月猫さん
      taaaさん♪

      コメントといつも花丸もありがとうございます!
      こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします(*^-^*)

      ...
      taaaさん♪

      コメントといつも花丸もありがとうございます!
      こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします(*^-^*)

      んもーーーっ、「弱ペダ」ハマりまくりですよぉっっ!!
      taaaさんに教えていただいたおかげです(´∀`*)
      本当にありがとうございますっ♪

      しかもtaaaさんも巻ちゃん好きだなんて、
      うれしすぎます~っ(´∀`*)
      いい先輩ですよね!
      「なんだろう、あの変な人・・?」と思ってた自分に
      パンチしたい(笑)

      原作って、さらに熱そうですね!
      たまたま一番最初に目に入った表紙が16巻で、
      御堂筋くん(ですよね?)の顔がコワくて見なかったフリをして
      立ち去った過去があるのですが(笑)そのうち誘惑に負けて
      買い始めてしまいそうです。

      ここでまだ「キアズマ」に触れていないことに気付きました(^-^;)
      大学生ばかりなので、チカちゃんたちに較べると、
      若さと未熟さを感じるのですが、次に続く期待にもなると思います。
      taaaさんのお手元にも早く届きますように♪
      2014/01/12
    • 九月猫さん
      まっき~♪さん☆

      おおおーーっ!まっき~♪さんも巻ちゃんがお好きとはっ!
      うれしいっショ(笑)
      3年の先輩みんな素敵ですが、やっぱ...
      まっき~♪さん☆

      おおおーーっ!まっき~♪さんも巻ちゃんがお好きとはっ!
      うれしいっショ(笑)
      3年の先輩みんな素敵ですが、やっぱり巻ちゃんっ(´∀`*)

      アニメ、参考にさせてくださいねヽ(´▽`)ノ
      今期「鬼灯の冷徹」だけ決めてて、あとはどれを観るか迷いすぎて、
      どれも観ずに録れるものだけ録って保留中なんですよー。
      前クールから観ている「マギ」「H×H」「キルラキル」
      「☆矢」「ダイヤのA」「宇宙兄弟」「凪あす」は継続だけど、
      「サムメンコ」は脱落かなぁ(^-^;)
      「蟲師」はワタシもすごーく楽しみです♪
      4月からでしたっけ?待ちきれない~!!
      乙女ゲー系・・・ないですねー、今期。
      以前、一話切りしようかと思っていた「brothers conflict」を
      まっき~♪さんがおススメだったので継続したら楽しくなって、完走!
      これから乙女ゲー系アニメもチェックしようと思っていたので、残念です。
      ちなみに、前クールは「DIABOLIK LOVERS」の空耳OPが好きすぎて、
      コワイコワイ言いながら完走しました(笑)
      2014/01/14
    • 九月猫さん
      まっき~♪さん☆

      はい、「サムメンコ」たぶん脱落です(^^;)
      あれもう方向を見失ってるとしか……一体どこに向かってるんでしょうね(...
      まっき~♪さん☆

      はい、「サムメンコ」たぶん脱落です(^^;)
      あれもう方向を見失ってるとしか……一体どこに向かってるんでしょうね(笑)
      杉田さんの杉田さんらしい演技が好きなので、もう少しがんばるかもしれませんが、
      完走できる気がしません(^^;)

      「キルラキル」わたしもあまり絵が好きではないのですが、
      なーんにも考えずに「バカだw」とか言いながら観られるので継続してます(笑)

      「ブラコン」おもしろかったですよー!謝らないでくださいーーっ!
      ホントありえなさに突っ込み入れながら観るのが楽しくて楽しくて(*>ω<)o
      好みのキャラが目立たなかったのが残念でしたがo(;△;)o
      中途半端なヲタなので、新しいジャンルやらおもしろい作品を教えていただけると
      すごく参考になります(*´∀`)ノ

      >最大の空耳は「K」
      うわー、「K」観てたのに歌覚えてないですorz
      空耳も知らないです・・・まっき~♪さんがそんなに爆笑したなんて気になるっ!
      あとでぐぐってみますっ!
      2014/01/17
  • サクリファイスシリーズ四作目。やっと図書館の本棚で発見。
    今回は今までの話から離れ、大学生の自転車部の話になっている。主人公・正紀がひょんな事から自転車部に入部する事になり、ロードレースにのめり込んで行く。
    私は正紀に凄く感情移入してしまった。というのも、立場や場所は違えど、同じ様な状況になった事があるから。好きになったものに夢中になり、意外とそれは自分に向いていてスムーズに進むためますます張り切ってしまい、ライバルに負けたくないなんて気持ちも湧き…なのにちょっとした事から情熱を失ってしまう。私もそんな経験を何度かしたので、正紀の最初の高揚感や急に襲ってきた喪失感など非常に共感できた。
    私と違ったのは、正紀には櫻井のような人物がいた事。物語の最後はあっさりとしていたけれど、今後の彼らの事を想い胸にじんとくるものがあった。

    • 九月猫さん
      taaaさん、こんばんは♪

      とうとうお読みになったのですねっ!
      正紀に感情移入しちゃうくらい何かに打ち込んでらしたことがあるなんて
      ...
      taaaさん、こんばんは♪

      とうとうお読みになったのですねっ!
      正紀に感情移入しちゃうくらい何かに打ち込んでらしたことがあるなんて
      素敵です。学生時代のお話でしょうか。
      きっと今のtaaaさんの良き糧となっているのでしょうね(*^-^*)

      さてさて、正紀と櫻井は今後どのように成長していくのか・・・
      続きが気になります~☆
      2014/03/12
    • taaaさん
      九月猫さん☆

      コメントありがとうございます(*^^*)

      やっと読めました~!
      打ち込んでいたといっても、私はただの趣味で(^_...
      九月猫さん☆

      コメントありがとうございます(*^^*)

      やっと読めました~!
      打ち込んでいたといっても、私はただの趣味で(^_^;)
      正紀に比べたら小さいものですが、
      読みながら「分かる、分かるよ~正紀~」と
      何度も思ってしまいましたよ~(笑)

      本当に続き気になります(〃'▽'〃)
      サクリファイスシリーズは今後が気になる登場人物ばかりですね♪
      2014/03/12
  • 前の三作とは変わって、大学の自転車部の話

    ひょんなきっかけで1年間の条件付きで自転車部に入部させられた岸田正樹
    渋々の入部ではあったが、たちまち自転車の魅力に取り憑かれはまり、大学の自転車部界の中では有名な櫻井をも凌ぐ勢いで力をつけていく

    正樹が自転車の魅力にはまっていく様子は、見ていて清々しく楽しい

    しかし、岸田、櫻井共に心に重い陰を抱えている

    中学時代の柔道の部活で親友が障害を負ってしまった岸田
    自分のせいではないとはいえ、その時に何もできなかったことを今も引きずっている

    ロードバイクのプロ選手だった兄を自転車事故で亡くしている櫻井

    心の葛藤を抱えながらもそれを振り切るかのように自転車にのめり込む二人

    まるで青春ドラマを見ているようだった

    後半に、チームオッズの赤城がスカウトとして、ちょっと登場するのは、このシリーズのファンへのサービスかな

  • 4.5
    良かった。
    ロードバイクの話ですが、他のシリーズと違って、学生ものです。
    ロードバイク初心者のワタクシとしては、楽しみながら色々勉強にもなりました。

  • 4作目にして、これが一番自転車ロードレースに詳しくない人向きかもしれない。
    しかし一方では、わからないままにもやはり1作目サクリファイスの方が自転車競技の臨場感が豊富で面白かった。

    ひとえに私が信頼するブクログお友達のレビューから興味を持って4作目まで読み進めてきた。

    私はゆっくりペースでたまにマラソン大会に出る程度のジョガーだが、本作は心情がマラソンに当てはまる部分もあって共感を覚えた。

  • サクリファイスから始まって今回のキアズマでシリーズ4作目。
    長すぎず短すぎず、中だるみなくラストまで一気に読んでしまいました。

    どのシリーズを読んでもいつもジーンと目頭が熱くなる。
    もちろん今回も!

  • 『サクリファイス』から始まった、近藤さんの
    ロードバイクのシリーズ4作目。
    今回も、ぐいぐい読ませてくれる。
    そして、考えさせてくれる。
    今回は、主人公が今までと違って大学生であり、
    テイストは、若干軽い印象もある。
    でも、相手の責任が大きいとは言え、大学に
    入学早々、先輩に大けがを負わせてしまった
    正樹の心情を思うと重い気持ちになってしまう。

    その先輩、村上はいい人のようだけど、あの展開は
    私には村上の責任の方が大きいと思うけどね。。。
    ケガをしたことで責任軽減はないような。

    一気に自転車にはまる正樹。
    彼の親友、豊とのいきさつ。
    先輩櫻井の過去も気にかかる。
    レースだけでなく、いろんな要素が絡み合って
    面白かったのだけど、話があそこで終わってしまうと
    若干、いろんなところが積み残されているような
    気がしてしまう。
    そこがちょっと残念。

    シリーズ前作までは物語の中心にいたチームオッジ。
    ちょこっとでも登場してよかった~。
    正樹や櫻井って、前作までに出てきてた選手だっけ?
    と思って調べてみたけど不明。
    そういうつながり方なのかと思ったのだけど。

  • 大学生の自転車部を舞台にした、青春スポーツ小説。
    シビアなプロとは違い、のびのび。
    素人からのスタートだからこそ、のめりこみ、成長していくさまが、楽しい。
    違った強さと弱さを持つ、正樹と櫻井が魅力的。
    続編に期待。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-ed07.html

  • 自転車競技シリーズの4作目。

    エースとアシスト、という特殊&非情な試合運びから出てくる物語は当然辛いものが多く、そこに面白さがあって読んではいたのだけど、今回はこれまでで一番楽に読めました。(#^.^#)

    主人公・岸田正樹はフランスからの帰国子女で大学に入ったばかり。ずっと柔道をやってはきたけれど、ひょんなことから自転車部へ、という導入。

    何も知らない正樹よりは私たち読者の方が自転車競技のあれこれには詳しいよ(#^.^#)という嬉しさを根底に、正樹の過去や、めきめき力をつけていく過程を興深く読みました。

    のっけにトラブルとなった、“柄の悪い”櫻井先輩の描き方がちょっと痛いかな、という気がしたのですが、彼のしゃべりのワケもなんかすんなり解説されていたりして、うん、なるほどね、なんて。(#^.^#)

    途中出てきたチーム・オッジのスカウトマン。ほんのちょっとの出番だったのにやけに印象深い&好感のもてる人だなぁ、と思ってたら、こちらのサイトで、あの赤城さんだった!ということを教えてもらい、そっかぁ~と。(#^.^#)私ったら前三作の登場人物、きちんと把握してないんだなぁ、これはまとめて全部読まないとかなぁ、という新たなお楽しみまででき、また正樹の今後も気になるし、まだまだ連作は続きそうですよね。

    • そよかぜさん
      じゅんさん、すっかりご無沙汰してしまいました。
      じゅんさんのレビューが読めて本当にうれしいです!!
      このシリーズからも遠ざかってしまいま...
      じゅんさん、すっかりご無沙汰してしまいました。
      じゅんさんのレビューが読めて本当にうれしいです!!
      このシリーズからも遠ざかってしまいましたが、これは読みやすそうですね。
      2013/06/12
    • じゅんさん
      こちらこそご無沙汰でした!(汗)
      優しいコメント、どうもありがとうございます!

      本はずっと読んでいたのですが、
      なんか、感想をまとめる気に...
      こちらこそご無沙汰でした!(汗)
      優しいコメント、どうもありがとうございます!

      本はずっと読んでいたのですが、
      なんか、感想をまとめる気にならなくて、ずるずるとこちらもお休みしていたんですよ。
      そよかぜさんのレビューも、あぁ、そよかぜさんらしいなぁ(#^.^#)と思いながら読ませていただきました。
      お互い、休み休みでも感想を書いていけるといいですね。

      キアズマ、主人公が今までで一番“素人“だったので、ヒリヒリする厳しさがまだ出ておらず、その意味で逆にしっくりと来る点が多かったんですよ。(#^.^#) たぶん、彼のその後、も書いてもらえるのでは、と期待してるんですけどね。(#^.^#)
      2013/06/13
  • 待ちに待った「サクリファイス」シリーズ4冊目!
    死と紙一重のスポーツであることを数年前のジロ・デ・イタリアの落車でも思ったが、改めて考えさせられるものだった。
    死や他人を傷つけてしまう恐怖など、託されたものは重い。
    正樹も櫻井も互いに成り代われるわけではなく、お互いの抱える問題は個々に違うものだけれど、それは一人で抱え込むんじゃなくて分け合うものだ。
    だから勝利はこの上なく皆にとって尊い。
    最後に彼らが本当にチームになったのだなぁと感慨深く思った。
    多感でぶつかりあって、成長してゆく彼らの物語がまだまだ読みたいです。

  • 『サクリファイス』『エデン』『サヴァイヴ』に続く
    自転車ロードレースシリーズの第4弾。

    ですが、主人公はこれまでとはまったく関係のない人物。
    これまでのシリーズからひとりだけちらりと登場する程度。

    タイトルの「キアズマ」とは…
    うーん、難しいので本の冒頭を読んでくださいませ。
    おそらく、「交換」とか「交差」がキーワードなのかなと推測。

    この1冊自体もこれまでの3冊と今後どう絡んでいくんだろうか。
    とっても気になります。

    主人公の正樹は大学入学してすぐに起きた出来事がきっかけで
    1年間限定で自転車に入部することになる。
    それまで柔道をやっており、自転車は畑違いで全くの未知の領域。

    それでも急速にそして着実に力をつけていき、レースでも結果を
    残せるようになっていくと、チームのエースである櫻井にまで
    対抗心を燃やすように。

    正樹と櫻井。性格は全然異なるふたりだったが、それぞれが
    抱えているもの、背負っているのものの大きさ・悲しさには
    共通するものがあり、それがまたふたりを強く結びつけていく。

    といった物語です。
    正直、これまでのどれも、そしてこれも『サクリファイス』には
    到底及ばないと思う。
    だけど、スポーツもの青春ものとしては面白いし、今後の展開は
    大変気になるところ。
    今回登場しなかった誓や伊庭のその後も、
    今回の主人公の正樹や櫻井のその後も、
    どっちも気になるよー!
    近藤さん、このシリーズの刊行ペース、もっとあげてください!!!

  • 青春小説。自転車の疾走感や、主人公の息苦しい感情にぐいぐいと引っ張られる。
    「サクリファイス」からなる近藤史恵のロードレースもの4作目ですが前作との繋がりはほぼなく、むしろ素人がロードレースを始めるという物語なのでいろいろと説明してくれていて最初に手にとってもいいかもしれない。
    この辺は雑誌連載だったからかな?
    まだ今回はミステリ要素もなく、本当に、まっとうな青春スポーツ小説。
    ああ、いいな、自転車乗りたい。

  • 近藤史恵さんのロードレースシリーズ。
    今回は大学の自転車部が舞台。
    前3作同様、ロードレースの世界は面白い!!

  • やっぱり近藤さんの本って淡々と読みやすいけど、その中に熱い思いや情景が伝わってきて引き込まれる。
    何より近藤さん自身が本当にロードレースを愛しているのだろうなと伝わる。
    今後の主人公二人の向かう先が読みたい。

  • 文庫化を待てずに読んでしまった…。読み始めはそう思ったけど読了。何度でも読めそうだから読んで良かった。近藤さんのシリーズ四作目。
    といってもロードレース作品であるだけで、赤城さんがほんのり伏線で?登場するくらいが接点かな。
    相変わらずの疾走感だけど、それまでの人生を背負うことだなぁと実感。好きなことというのは、特に生死まで関わるような身体を酷使する競技というのはそういうものかもしれないけれど。
    大学生なのだけど、精神的に達観しすぎに感じるが少し経験値があるとこんなものだろうか。
    それぞれの過去は重たいが、明るい希望が見える作品。さらなる続編希望。

  • サクリファイス、エデン、サヴァイヴに続く4作目。
    安定の面白さ。
    安定の過去への後悔。笑

    大学へバイクで通っていた正樹は
    同大学の自転車部部員と接触事故を起こし、怪我をさせてしまう。
    怪我によりメンバー欠員が出て、大会への出場が危ぶまれる自転車部に、1年という期限付きで入部することになった正樹は次第に転車に魅せられていく。
    そしてその過程での落車。
    それは正樹にスポーツによる怪我と深い後悔を思い起こさせた…。

    自転車って、過去に超弩級のなんかがないと乗れないのかなっていうくらい、みんな抱えていますね。笑
    自転車の落車や事故は一瞬だけれど、
    正樹が抱えている柔道の記憶は一瞬じゃないから
    余計「どうにかできたのでは」と思ってしまうのでしょう。
    それにしても、正樹は強いな。
    結局誰にも相談しない。なにも明かさない。
    言い訳もしない。
    こういう精神的に独立した人になりたい。

  • 図書館の新着本コーナーで発見した。
    自転車競技のことが少しわかった。競技の知識がなくても楽しめたし、最後はじんわり熱くなりました。後で知ったけど、この作品の前に自転車競技三部作があるらしいです。今度探して読んでみよう。

  • サクリファスシリーズ4作目
    舞台は大学、それもあまり強くない自転車部。
    今までの世界とは異なるがスピード感や熱さはこれこれという感じ。
    チームオッジのマネージャーとして赤城がちょっとだけ登場し主人公をスカウトするシーンは続編あるってことか。期待

  • サクリファイス、エデン、サヴァイヴ、と続いた自転車もの第四弾。今度は大学の自転車部が舞台の小説。ずぶの素人の岸田正樹が入部数ケ月でインカレ優勝したりしてアリエネー設定ながら、楽しく読める。チームオッジのマネージャがでてきたり、1年で自転車部を辞めるといって臨んだ最後の試合で、今後への含みを持たせたりして、続編への展開が垣間見える。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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