あなたを自殺させない: 命の相談所「蜘蛛の糸」佐藤久男の闘い

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 52
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103067023

作品紹介・あらすじ

地域を支えてきた中小企業の経営者たちが、なぜ次々と死ななければならないのか!? 事業で失敗し追い詰められてみずから死を選んでしまう人たちを救おうと、二〇〇二年、自殺率ワースト一位の秋田でNPO法人「蜘蛛の糸」を立ち上げた佐藤久男。佐藤は、民・学・官の連携によって実際に自殺者を大幅に減らしていった。秋田で、被災地で、日本各地で、佐藤は何を考え、何をしてきたのか。その難業の軌跡を追う。

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤久男さんは 倒産し 自殺寸前まで追い込まれながらも 立ち直り、同じ悩みを抱える人達への 燈明となった。

    自殺する程の 思いがあれば 生きて頑張れるんじゃないのかしら?と 思っていましたが、自殺まで 追い込まれると もう他は見えなくなって しまう。
    そして、そこまで追い込まれた人達は 問題が色々絡んでいるので 何処に相談していいのか わからず 自殺という 選択をしてしまう。

    その 悩みを抱える人達への 小さな燈が 佐藤久男さんの 立ち上げた「蜘蛛の糸」である。

    秋田という事もあって 東北の被災地へも通って 相談を受けているそうです。

    今だに 復興しきれていない 被災地の方々。
    悩みがありすぎて 生きる気力の無くなってしまっていってる方々。
    佐藤久男さんの ような相談できる方々や団体が もっと増えて 多くの悩める命が 救われる事を 祈りました。

  • 2014年発行と少し前の本ですが、読んでみたい本のリストにあったので、図書館で借りました。自殺予防対策にも取り入れられている「秋田モデル」を,育ててきた佐藤久男さんの格闘と、寄り添いの日々が描かれたドキュメンタリー。自身の会社が倒産し、少しずつ自分を取り戻していく中で自分と同じような立場の人たちを救おう、秋田の自殺者を減らしていこうと始めた活動が、丁寧に追われています。被災地へも入り、いろいろな人の混乱を傾聴することでときほぐし、話の中に希望を見い出し、生きる道すじを繋いでいく。なかなかできる活動ではないと思います。この取り組みが全国に広がっていけばいいなと思いました。

  • ふむ

  • 日本は経営者の自殺が多く、海外はその傾向がないそうだ。
    失敗は成功の元として前に進める風潮らしい。

    同じ経験者と話をして、共感してもらうことが大切なんだね。
    そういう仕組みが日本には少なすぎるのかもしれない。
    一人で恥ずかしいと思って止まるのではなくて同じ辛い経験をした人たちが集まって話す会みたいなのを利用するといいのだろう。
    日本に経験者のそういった会がなかったんだな。

    失敗は成功の元と思えるようになる場が自殺をとめる。

  • 2016.08.02

  • NPO法人「蜘蛛の糸」の佐藤久男さんの、ものすごいボリュームと、ものすごい丁寧な記録。
    やっぱりこういうことは、やさしい心と、それにつぎこむ活力がないと、できませんね。
    そしてこういう本を読むと、いやでもほっこりとあたたかい気持ちになる。ほんとうに、ひとがひとり生きていくことって、すごいことのはずなんや、とあらためて、思う。

  • 2014年122冊目。

    長らく自殺率一位だった秋田県で、倒産に向き合う経営者向けの命の相談所である「蜘蛛の糸」を立ち上げた佐藤久男さんを追ったドキュメンタリー。
    佐藤さんを中心に秋田における自殺者数は急激に減り、「秋田モデル」として全国の参考になっているという。
    佐藤さん自身も会社の倒産を経験し、自殺の手前まで行った経験の持ち主。
    その経験から紡がれる言葉の数々は読んでいる自分にとっても大きな励みとなった。
    人は本能的には「生きたい」という衝動を持っていて、「死にたい」と思ってしまうその瞬間をなんとかやり過ごし、明日の楽しみを抱くことができれば立ち上がれると教わった。

  • 日本の自殺者急増の背景には敬愛的な問題があり、秋田などの農村の自殺者が増えた背景には、それに加えて過疎化がある。そうだから自殺は個人の心の問題だけでなく国家、社会で取り組むべき社会問題である。少なくとも社会側で適切な地作を打てば、食い止められる死、避けられる死もある。自殺者を是るにできるとは思わないが、食い止めることはできる。人間には、自分の命を守る自由とともに、自分で命を絶つ自由もある。自殺の非ておもしないが、自殺がダメという価値観もない。自殺は社会問題である。

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