- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103132714
作品紹介・あらすじ
多くの才能が入り乱れ、日本が大転換を遂げた二十五年間-。その大混乱の時代の流れを、平易かつ刺激的に説いてゆく。はたして、明治は「維新」だったのか。幕末の志士たちは、何を目指していたのか。独自の歴史観を織り交ぜながら、個々の人物を活き活きと描いた書。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
幕末史をおさらいしようと、本書を12年ぶりに再読。
慶応丸の内シティキャンパスで行った特別講座をまとめたもの。講談調あり、人情噺風もあり、平易な語り口調なため読みやすく面白い。
江戸っ子を任じる著者らしく、勝海舟を「勝つぁん」と身びいき呼びし、幕末において無類の大きな働きをしたことを強調する。
薩長史観に染められた明治維新に苦言を呈し、「官軍」と呼ばれることにも「西軍」でいいんだと言いたいと。
龍馬暗殺についてはいろいろな説があるが(この間読んだ『天翔ける』で葉室麟は慶喜説を)、著者は薩摩黒幕説を取る。
実行は見廻組だが、彼らに龍馬の居所を教えたのは大久保利通だというのが、著者の説。
池田屋事件の項で、攘夷派の策謀を拷問によって白状させた現場に土方歳三はいなかったと、司馬遼太郎が『燃えよ剣』で書いているのに対し、「司馬さんは嫌なことは書きませんから」と、著者の一言があるのが面白い。
徳川家のおしまいは、昭和20年の大日本帝国のおしまいと似ているとも。
維新前夜の熱狂的な攘夷論を引き合いに、日本人が戦争から学ぶ一番大切な点は、「熱狂的になってはいけない」ことであると、歴史探偵を自認する著者は語る。
さらに、日本人の通弊として挙げている点がある。
日本人は往々にして、確かな情報が入ってきても、起きたら困ることは起きない、いや起きないに違いない、そうに決まっている、大丈夫、これは起きないと、なってしまうことだと。
現状のコロナ感染での、政府の対応、あるいは若者の繁華街への繰り出し等にも言えることかな。 -
僕の歴史好きに拍車がかかった、最高の書籍だった。もっと早く出会っていればと思ったくらい。この本を持って、浦賀とペリー記念碑を見てきた。もう昭和史を買ってます。読むのが楽しみ。
-
幕府側の新しい視点という触れ込み。
で、読み進めたが、それほど新視点と思えるものはなかったような。
なんか江戸っ子視点、でもいい様な。 -
2051.8.4星が丘公民館図書室から借出8.6本館に返却
-
幕末史をサクッと勉強したいならオススメできる。
著者の独特な語り口で内容が頭の中にスッと入る。
しかし、著者の歴史観がダダ漏れであり、これ一冊だけだと、中立的な歴史観に基づいた歴史を学べない可能性があるので、他著の幕末史に関する書物も併せて読んだ方がいいかもしれない。 -
読み応えのある本にひさしぶりに出くわした。
学校で習った歴史は今まで疑うことはなかったけど、それはそれで誰かの視点から書かれたものなのだということにハッとさせられた。歴史で点を取るのは楽しかったけど、先生はこう思いませんなどといった歴史の授業があったとしたら、きっと歴史を好きになってたかもしれない。。。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/55814 -
一体幕末とはなんだったのか。そんな疑問を半藤氏の言葉で紐解いていってくれた。
確かに考え方に偏りはあるものの、私がイメージしていた幕末と大差はなかったような気もする。以前に、明治維新を過ちとみた別の人の本も読んだからかもしれないけれども、薩長万歳みたいな雰囲気ではなく、冷静に分析されていて、歴史アマチュアの私でも、理解しやすかった。
今丁度大河ドラマもこの時代であり、ドラマと本を行き来しながら楽しむことができた。タカ派ハト派とか、攘夷派開国派とか、もうなんだかいろんな思惑が多すぎて、未だに消化不良ではあるものの、幕末のロマンというものに足を踏み入れてしまったような気がする為、今後も幕末に関する本をたくさん読んでみたい。
とりあえず、勝海舟という人間が気になる。 -
昭和史に続いて手に取ってみた本。半藤さんの文章は砕けた感じで読みやすいのだが引用する文は漢文交じりだったり何かいてあるかわからないことが多かった。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou27604.html