- Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103133629
感想・レビュー・書評
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ストーリーの面白さに一気に読み終わった2冊組の本。
読み終わっての第一印象は、
何が大切で、何に頼るべきか。
自分で判断してよく考えるべきだということでした。
まだまだ人に知られていない宗教も数多いと思いますが、
それを信じる人の心構えが大切でしょう。
純粋に神の教えを信じるだけならいいのですが、
小説の後半では、
宗教団体の中心の女性たちは、
自分たちの信心を侵すものは「悪魔がついた」として、
大勢でよってたかってリンチをするようになります。
教祖でもある主人公たちを拉致して逃亡するようになるのです。
いったいどうしたらこんな行動を起こせるのか、
信仰心をあまり持ち合わせていない私は驚くばかりなのですが…。
そんな行動に走ってしまう集団心理。
作者はやはり人間の弱い心理を追求するのがうまいと思います。
それにしても、
○○信仰や新興宗教は一つまちがえれば
戦争にまでも発展するから恐ろしい。
そして、それをどっぷりと信仰する女性はもっと恐ろしい。 -
転職に失敗して底からスタートした宗教の似非教祖の話で、徐々に成功していきかなりの規模の宗教まで発展するけど、些細なところから一挙に転げ落ちていく。
落ちてからはドロドロで飲み込まれるように呼んでしまう
話がダレる所もなく楽しく読み終えた -
最後まで、おもしろかった。
宗教の真実と、金銭欲、権力欲の見極め。
実に深い話だった。
人を信じ込ませる口のうまい人間、真摯で真っ直ぐな眼をした人間でも全てが嘘で塗り固められているのかもしれない。
なにを信じればいいのか、難しいです。
ただ、ラストにはすくわれた。 -
上下巻、けっこうなページ数にもかかわらず、
苦にならず読了。
自分の頭で作りだした宗教なのに、自分が飲みこまれていく。
信者の暴走。
宗教団体の末路って、悲しい。
救いを求める人たちばかりなのに、誰も救われてない。
いやいや、もしかすると、そう思うのは信仰心がないから?
なにかを盲心的に信じることの、強さとおそろしさ。
そうならざるをえなかった人たちは、哀れなのか、幸せなのか。 -
中盤から後半にかけて怒涛のように押し寄せる自己問答
やがて宗教という虚構が現実になる様は人間の業と複雑さ
この世の恐ろしさがにじみ出ていて恐ろしかった。
圧巻 -
そして下巻。
自分で作ったはずの張りぼて宗教なのに、自分の手を離れて信者の間でどんどん変形されて濃厚になっていく。
もういまさら、嘘だったなんて言えない。
そんな引き返せない感じがリアルです。
転がり落ち始めてからの筆力は圧巻。
手に汗握ってしまいます。
最後まで一気読みでした。
かなりのページ数ですが、量に怯まない方、宗教がらみの話が大丈夫な方、お薦めです!! -
上に書いたので省略。