塩狩峠

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著者 : 三浦綾子
  • 新潮社 (1968年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103207016

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塩狩峠の感想・レビュー・書評

  • 三浦綾子さんの著書をきちんと読むのは初めてだったが、クリスチャンでもあったということで、キリスト教の要素が多く含まれている。
    聖書の一節なども多く出てくるし、登場人物の多くがクリスチャンという設定。
    でも時代的にキリスト教=“ヤソ”と呼ばれて忌み嫌われていたという背景もきちんと描かれていて、クリスチャンではない人間がいけないというような描かれ方もしていない。
    宗教の自由というものが根底にあった上での、キリスト教の素晴らしさのようなものが描かれている。

    とりわけ心に残ったのは『汝を責むる者のために祈れ』という聖書の一節だった。
    責められたら理不尽に思って責め返したくなるけれど、そうではなくて、自分を責めたり憎んだりする人のために祈りなさい、という教え。
    簡単に出来ることじゃない。
    自然とそんなことが出来るようになる日が来るんだろうか。
    そんな風に考えてしまうような箇所が他にもたくさんあった。

    ラストは究極の自己犠牲なので、賛否が分かれるところだと思う。
    こういう自己犠牲は、簡単に美化出来てしまう。
    だけど違う選択の仕方も出来たのではないか、とも考えてしまう。
    キリスト教に出逢って人生が変わったひとりの青年の生き様を、深い思想とともに描いた長編。

  • 漠然と知っていたがちゃんと読んだのは初めて。なるほど感動的なストーリー。かつ未だヤソ教と言われていた時代の話だからこその背景も判りました。キリスト教に傾注する辺りが判り難いけど私みたいな凡人にも読み易く構成されているのは助かります。

  • すごいの一言。
    自分を犠牲にして人を助けられる人。

  • 高校生のころに、学校司書さんにおすすめされて読んだ。
    緘黙を抜けきってなかったから「返却おねがいします」くらいしか話したことなかったけど、なぜかおすすめしてくれた。
    そんで三浦綾子を3冊くらい読んだ覚えがある。氷点だったかな?

    キリスト教的っつうかアンデルセンとか宮沢賢治みたいな自己犠牲を私は好きじゃなくて、全然しっくりこなかったのは覚えてる。
    こうやって助けられたほうは気まずい感じになっちゃうよねみたいな。
    自己犠牲と自己満足の境界はとても近いから私には区別がつかない。

    内容云々よりも、これをおすすめされる自分が大嫌いだった。

  • 宗教にはアレルギーというか、関わりたくないと思っているが、序盤は信夫がキリスト教に反発をしているので入りやすかった。
    清らかな精神の信夫やふじ子ら登場人物に、
    澄んだ空気の北海道の情景はよく似合う。
    結末はただただやるせない。
    ふじ子や周りの人が信夫の損失にキリスト教という信仰が支えになるのなら、宗教も悪くない。

  • 信夫さんに感無量。

  • ずっと前に人に勧められた本だが、この時期に読んだのは、この本が好きな友達とちょうど一緒に旅行していたからだ。

    この本を読むまで、キリスト教について、というか宗教を信仰することについて、なんとなく快く思っていなかった。

    まず最初に、宗教にのめり込む=怖いことだろうと、なんとなく思っていた。アメリカにいた時は、毎週教会に行って聖書も読んでいたけれど、意味がよくわからなかったのもあるし、なんだか熱心にお祈りをしている姿を見てうす気味悪く思っていたのもある。どんな宗教でも、日本ではそんなに熱心にお祈りしている人を見たことがなかったし、日本ではそういう人は敬遠される傾向にある気がする。私にも自然とそういう姿勢が植え付けられていたのだろう。

    また、怖い、と思う理由には、知らないということもあると思う。私はキリスト教はどんなことを教えているのか、全く知らなかった。まあ、カトリック教も仏教もイスラム教もヒンドゥー教も知らないけれど…。だから、熱心に信仰している人を見ると、なんとなく怖いような気がしていた。

    だがこの本を読んで、キリスト教で教えられていることを知って、キリスト教を信仰する人の気持ちも分かるような気がした。そして、信仰するというのは、うす気味悪いことでも怖いことでもないことも理解した。また、信夫のように、いつも人に優しく生きていきたいという思いが私の中にあり、この本を読んで本当に感動したので、なんだか聖書を読んでみたくなった。知らないまま、なんとなく快く思わない、というのではなく、知ってから判断したいと思ったからだ。実のところ、キリスト教って私にぴったりかもしれないと思っているが。まあ、どんな宗教でも、教えていることの根本は同じなのではないかなあと思ったりはするけれど、とりあえずまずは聖書を読んでみようかな。

    ところで、青年期の信夫は「死」について疑問を抱いているが、私も今年に入ってなぜ人は死ぬのかや、死に対しての恐怖を抱くようになった。この本を読んで、誰しもがこのような悩みを抱えているのだろうか、と考えることによって、多少は気が楽になった。

  • 私が初めて本を読んで感動したのがこのお話でした。
    何回か読み返してるけど、これからも読み返していくのだろうなと思います。

  • 実在の人物 長野政雄をモデルにした主人公 永野信夫の人生を描いた作品。両親のキリスト教信仰を嫌っていたが、あるとき信仰に目覚め、非常に信心深く清廉に生きていく。大変模範的な生き方をしていたにもかかわらず、ラストの悲しすぎる死。
    読んでいて面白味のある小説ではないけど、じーんと来るものがある。

  • なんとなく話をしっているだけに,いつクライマックスがくるのかなあと思っていたが,どんどん話に引き込まれていった。そして短い描写でのあっけない死と,じわじわくる周囲の悲しみ。そしてまさか実話という驚き。

  • 高校時代に読んだ本、何回繰り返して読んでも泣けてくる。
    すでに頭の中では映画のフィルムが回るように情景がめぐるほど。

  • 立派過ぎて・・・

  • 宗教の素敵な側面が見える。

  • 感動して本当いい本に出会ったと思った

  • 泣けた。他人を変えるには時にはここまでの信念が必要か・・・

  • 薦められて、初めて児童文学以外を読んだ本。
    何度も何度も読み直した本。

    ツライとき、逃げ出したいときに読みたくなります。

  • 中学の時に読んだ。信夫の気持ちが、すごくよくわかって共感した覚えがある。今読んだら、どう感じるんだろう。

  • 清い。果てしなく清い。

    清廉潔白な男と男の素晴らしい友情と、清廉潔白な男と女の素晴らしい愛と、
    清廉潔白な一人の男の生涯を優しくゆっくりと丁寧に描く傑作。

    クライマックスは電車の中で読んでいたのだけど、人目を憚ることなく泣いてしまった。
    感動してとか、心が揺れてとか、センチに酔ってとか、そういう涙ではない。唯々悲しくて…。
    まるで身内や友達が死んでしまったように、心の底から悲しみがあふれて止まらなかった。

    信夫こそ“イエス”であり、『塩狩峠』こそ聖書だと思った。

  • 想像してた話と違った。
    内容知らずにインスピレーションで手に取るのも面白いかも。

    事実を元にしている話。
    主人公が本当にこんな人物だったのかは分からないけど…人間ってこんなに真っすぐな心で生きていくことができるのかな?信夫が悩んでイエスの磔を理解していくところ、私にとっては新しい解釈だった。

    明治時代の恋愛とか、当時の雰囲気が分かる。
    今当たり前のように快適な鉄道だけど、ここまで辿り着くには先人達の努力と苦労があったんだよね。塩狩峠、いつか行ってみたいなぁ。

  • 明治時代の話。
    ハードカバー故、どんな内容の文庫本か分からず選んだけど、最後まで読み終わるとキリスト教を広げた明治の方の話だった・・・
    しかも実話に基づき、少々内容を変えたモノであり、深く悲しくまっすぐで、信仰深く少し驚いた。
    こんな人が古き時代に存在したことに本当に驚き、彼の生涯を尊敬した。

  • 中学生の時に読んだ本。本を読んで初めて涙を流した。

  • 信者ではありませんが、最愛の母との思い出があるので大切な本です。数年振りに読み返しました。

  • キリスト教が差別されていた明治時代に、キリストを信仰する母の下に生まれた男の人生を描く。実話がモデル。
    キリスト教色が非常に濃い。自分はキリスト教は大っ嫌いだが、この作品は好きだ。
    十数年ぶりに再読。やはり泣ける。

  • キリスト教に目覚めるまでの苦悩と成長を描いた実話の物語。

    この物語の主人公は信夫という人物。
    幼き頃のある家庭事情によりキリスト教を嫌っていた信夫が、様々な出会いや自身の成長により信仰心に目覚めた彼の生涯を描いている。

    この信夫は最初は熱心な信者ではなかった。
    成長に伴い感じる彼の考え方や苦悩が、読み手を惹き込ませる大きな要因に思える。

    私はこの本が好きです。
    心が荒んだ時にまた読みたい1つの救済本にも感じた。

    だが結果的に言ってしまうと、この本の評価は大きく2つに別れてしまうと思う。
    宗教色が出ている本はどうしても偏見的な目で見てしまう人は必ずいる。

    でもこの本は、そこまでキリスト教を痛烈に色濃く出していないと思う。
    信仰心が特に無い者でも、考え方によっては1つの物語として読めるし、作者もキリスト教の素晴らしさをどこかで織りまぜ進めつつも、そこまでの人間としてのイヤらしさは感じない。

    私はこの「塩狩峠」を読んで考えさせられた。
    現実感を帯びる主人公の成長や考え方などに、自分自身を重ねて見えているようだったから。
    実話を元にして物語風にアレンジした小説…らしいが、実話ではなくても十分な物語のインパクトを感じる。

    そして私は信夫の父・貞之が好き。
    広い意味で心優しく時に愛があるゆえの厳しさを持つ貞之は、誰もが憧れる父親像だと私は感じた。

    それに聖書を…親しみを持ちやすい人物達を使い、物語風に分かりやすく説いた小説にも思える。

    様々な伏線がこの物語をひいているが、出来れば文庫の背表紙に結末を書いてほしくなかったかも…。
    衝撃的な結末を知らなかったら、また別なこの物語への感じ方があったかもしれない。

    聖書は読んだことはあるが、普通に読んでいて意味が捉えづらい描写も分かりやすく綴られている印象を感じた。

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