なぜ友は死に 俺は生きたのか ─戦中派たちが歩んだ戦後─

著者 :
  • 新潮社
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 9
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103263210

作品紹介・あらすじ

死を前にした兵士たちが必死に問うた戦争の意味。だが、それは終戦時の喧騒や「新しい時代」の潮流にかき消されていった-。あのとき、自らの死と引き換えに、彼らが夢み描いた、新しい「くに」とはいかなる姿だったのか。比べて現代は、彼らが望んだ社会になり得たのだろうか。忘却の中に消えつつある生き残りの戦中派たちを訪ね、長年背負い続けてきた、亡き戦友たちの想いを受け継ぐ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  今までもこういう作品はあったのだろうけれども、作者ゆえに手に取った。
     作者の仕事の家庭であった戦中派の人々、或いは、御父君との会話を基に作られた作品。
     
     一見、とりとめのない印象があるし、ある意味、とても読みにくい。
     けれども、少し読み進めて考え込み、それからまた、読み進めるつつ、今の日本を形作ってきたものとは何かと、自問せざるを得ない。

     徒に等閑視してこなかったかと。
     
     不謹慎な(或いは不遜な)読み方かもしれないが、震災後に生きる自分のあり方と重ねてしまった。
     
     作者から、託された重い課題を、今の(震災後の)自分がどう受け止めて、受け継ぐか、途方に暮れる。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

堀切 和雅(ほりきり・かずまさ):1960年生まれ。1984年岩波書店入社。『世界』『ジュニア新書』『へるめす』編集部を経る。平行して劇団「月夜果実店」主宰。2000年、岩波書店退社。著書に『三〇代が読んだ「わだつみ」』(築地書館 1993年)、『「30代後半」という病気』(築地書館、2000年)、『「ゼロ成長」幸福論』(角川書店、2001年)、『不適切なオトナ』(講談社、2002年)、『娘よ、ゆっくり大きくなりなさい──ミトコンドリア病の子と生きる』(集英社新書、2006年)、『なぜ友は死に俺は生きたのか―─戦中派たちが歩んだ戦後』(新潮社、2010年)、『演劇に何ができるのか?』(妹尾伸子、嶽本あゆ美との共著、アルファベータブックス、2017年)ほか。

「2024年 『岩波書店の時代から 近代思想の終着点で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堀切和雅の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×