TIMELESS

著者 :
  • 新潮社
3.30
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本棚登録 : 754
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103284635

作品紹介・あらすじ

空から死は降ってこない。降ってくるとしたら、それは――。芥川賞受賞から七年、待望の新作長篇。恋愛感情のないまま結婚し、「交配」を試みるうみとアミ。高校時代の広島への修学旅行、ともに歩く六本木、そこに重なる四百年前の土地の記憶、いくつものたゆたう時間。やがてうみは妊娠、アミは姿を消す。――二〇三五年、父を知らぬまま17歳になった息子のアオは、旅先の奈良で桜を見ていた……。待望の芥川賞受賞後第一作。

感想・レビュー・書評

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  • レビューを見ていると好みが分かれる作品のようだけど、私にはあまり合わなかった。
    特に2035年~を描いた第2章が…。夢か現実か境界線が見えないところが魅力なんだと思うけど、私は「???」となってしまった。
    普通にうみとアミの未来が見たかったなぁ。

  • 以前に読んだきことわよりずっと記憶に残る好きなタイプの小説でした。

    小説なのか。
    装丁がとても素敵で印象的。
    この本を表現するのに相応しい。

    うみ(主人公)と、アミ(交配相手)、アオ(子供)、こよみ(養子)とうみの両親。うみの気持ちから始まり後半はアオが主人公に。子供目線からの親子の繋がり方や配偶者との繋がり方が、日常の出来事に異世界のような描写もマージした形で緩やかに展開していって言葉の選び方や時折挿入される歌がいい塩梅。

    日本語の美しさや、洗練された生活ぶりが素敵で、こんな生活できる人は完全なる富裕層だとは思ってしまったけども、私にとっての異世界もまたよし。(決してきらびやかな描写とかじゃなく)。

  • 文章自体は綺麗で良いんだけれど、私には合わなかった。
    うみとアミが主体で描かれている時はまだ良かったんだけど、二人の息子のアオ目線に変わってから、現実なんだか夢なんだか…現在なのか過去なのか…
    私の読解力不足かもしれないけど、よく分からなかった。


  • 読む時々によって感じ方が変わってくるような。

    誰かの頭の中で考えていることを常にのぞいているような。

    よくわからないことがでてきたり、そんな考え方もあるなあと発見があったり。

    誰かの日常と
    誰かの幻想と
    誰かの夢の中を
    覗いているような感覚。

    ジャケットに惹かれて購入したが
    ぱらぱらと言葉の雨に触れられて
    とても新鮮だった。

  • 西加奈子がインタビューで激推ししていたので手に取った一冊。
    過去から未来まで、大自然、それも原子レベルから宇宙までを行ったり来たりしているうちに不思議な浮遊感に包まれてしまい、もはやストーリーが進んでいるのか後戻りしてるのかもわからなくなる、そんな本だった。
    2022.10.16読了

  • 小説、というよりは文章、あるいは物語の作品、というような雰囲気。アートな小説、とでもいうか。この小説を美しい、と評する人たちが少なからずいる。気になって読んでみた。なんとか頑張って半分くらいまで読んでみたが、結局のところ、わたしはだめだった。美しいの指標は実に千差万別だ。ただ、これは完全に好みの問題であり、この作品が悪いというわけではない。あくまで、わたしがこの作品に合わなかった、というだけ

    村上龍作品をはじめて読んだときにも感じた、読みながら、なんだかただ 文字を追いかけているだけで、何がなんだか全然わからなくて置いてけぼりにされている感じ。小説って、本当相性があるよなあ、と思う

  • 独特の文体で、過去と未来を行きつ戻りつするので現実か夢か境い目がわからなくなり、次元を彷徨うような変な感覚になる。芸術的ですごいと思うけれど、もう少し平穏に読める本の方が好き。

  • 空から死は降ってこない。
    降ってくるとしたら、それは――。
    恋愛感情のないまま結婚し、「交配」を試みるうみとアミ。
    高校時代の広島への修学旅行、ともに歩く六本木、そこに重なる四百年前の土地の記憶、いくつものたゆたう時間。
    やがてうみは妊娠、アミは姿を消す。
    ――二〇三五年、父を知らぬまま17歳になった息子のアオは、旅先の奈良で桜を見ていた……。
    (アマゾンより引用)

    読みづらい。
    意味が分からない。

  • 静謐な雰囲気がとても心地よい小説だった。過去と現在が交差して出来事の輪郭がぼやけて浮遊しているような感覚になる。さまざまな香りや草花、鳥たち、音楽、時間、文章では表現しにくいであろうものたち全てがこの小説の中にはあった。アミとうみの関係性をはじめ、登場人物たちの存在がすこしだけ現実を忘れさせてくれる。こだわりぬかれたのであろう装丁も良い。この小説に色を当てはめるなら、やはり白だと思う。ところどころに登場する音楽がどれも良かった。

  • 登場人物みんな感情に乏しすぎないか!?´º∀º`が読み終わっての1番の感想です笑

    でも、無理にドラマチックに描かれてないからこそ、ファンタジーぽいストーリーなのに落ち着く?話でした。

    登場するモノ一つ一つの固有名詞に惹かれてしまい検索の手が止まらなかった笑
    小説なのに、著者のセレクトリストって感じました。
    ドライジンとかオシャレな昔の音楽、ドレスやジュエリーブランド、香水の名前……私がそういうセンスあるものに疎すぎるだけなのですが、海外インテリア画集みたいなのを読んでいる感覚でした。

    文体も独特でしたね……今まで出会ったことの無いスタイルで、理解は全部出来ないけど、なんかちょっとワクワク感ありというか。

    事象と台詞と心情が、改行されずにつらつらっと並べられていて、最初は慣れなかったのですが。ものを見て、何か思い浮かべているうちに、目の前の人の話は進む……現実で起きてることを文字で表すと確かにそうなるよなぁと思いました。

    お話の内容は……今回はノーコメントで笑現実なのかファンタジーなのか……脳内がほわっとさせられてしまいまとまりません

    __________________
    フレーズキロク

    "私たちはなりゆきで一緒になった。なりゆきで相合傘をした。なりゆきで妊娠した。なりゆきでこよみにあって、アオを産んだ。なりゆきだった、ぜんぶ。たいせつになったなりゆきだった。

    "あれって何座だっけ?こよみがアオにたずねる。答えが知りたいんじゃなくていっしょにみあげたいからこよみはきく。

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著者プロフィール

1984年、東京生れ。2009年、「流跡」でデビュー。2010年、同作でドゥマゴ文学賞を最年少受賞。2011年、「きことわ」で芥川賞を受賞。

「2022年 『細野晴臣 夢十夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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