天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイル V (蓮丈那智フィ-ルドファイル)

  • 新潮社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103291428

感想・レビュー・書評

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    真贋など、どうでもいい。何故偽書が作られたのか。重要なのはそれだけだ。奇怪な祭祀「鬼哭念仏」に秘められた巧緻なトリック。都市に隠された「記号」の狭間に浮上する意外な真相。門外不出の超古代史文書に導かれた連続殺人――。氷の美貌と怜悧な頭脳をもつ異端の民俗学者・蓮丈那智が快刀乱麻を断つ。単行本未収録の二編に、幻のプロットに基づく書下しなど新作四編を加えた民俗学ミステリー。
    +++
    表題作のほか、「鬼無里(きなさ)」 「奇偶論(きぐうろん)」 「祀人形(まつりひんな)」 「補堕落(ふだらく)」 「偽蜃絵(にせしんえ)」
    +++

    急逝された北森氏が残した七割方できていたプロットをパートナーであった浅野氏が完成させるという夢のような企みによってできあがったのが本作である。もう会えないと思っていた連丈那智や内藤三國にまた会うことができ、あのクールさと鋭い洞察力を目の当たりにすることができて満足である。三國がいつもよりも認められている気がしなくもないが、それはたぶん彼の成長の証であろう。どきどきするような一冊だった。

  • 【収録作品】鬼無里(キナサ)/奇偶論/祀人形(マツリヒンナ)/補堕落(フダラク)/天鬼越/偽蜃絵(ニセシンエ)
     「鬼無里」「奇偶論」は北森氏の生前雑誌に掲載されたもの。「天鬼越」は北森氏の遺したプロットに基づいたもの。他は浅野氏が書かれたそうだが、この引き継ぎ?は、成功していると思う。

  • 『鬼無里』

    『奇偶論』

    『祀人形』

    『補堕落』

    『天鬼越』

    『偽蜃絵』

  • 2015/1/29(木曜日)

  • 前作の続きという感じではなく、それぞれが独立した短編集になっていました。
    2人の作家さんが書かれているのですが、北森氏の本として違和感なく読むことが出来ました。

    短編なので、少し物足りない感じがありますが、それはそれとしてなかなか面白い作品でした。

  • ああ、また蓮杖那智先生に会えるなんて、
    それだけでも大感激。

    北森先生の単行本未収録作品に、残された
    プロットを公私とものパートナーである方が
    完成された作品を合わせて1冊にしたもの。
    どれもしっかり北森ワールドが再現されていて
    大満足の1冊。
    ああ、でも、これで正真正銘最後なのかな。。。

  • 2014/12/27読了

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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