- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103314141
感想・レビュー・書評
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題名からも判るようにキリスト教を題材に取ったミステリです。
フランス南部で根強く信仰されたカタリ派の異端審問に絡むミステリなので苦手な人もいるかも。
舞台はダヴィンチ・コードと同じくフランスですが、こっちはトゥルーズ。
同じキリストの教えを掲げながらカタリ派を弾圧するローマ教会の姿は狂気に近く、本を読んでゆくうちに信仰ってなんだろう、と思う気持ちが湧いてきます。
美しすぎるものは長続きしないのかな。
前半の疾走感に比べるとエンディングがあっさりして、もうひとつの真相はわからず仕舞いなのが勿体無い。
あまり禁忌には触れないってことか・・・
それにしても作中で主人公たちの食べているご飯がなんと美味しそうなこと!
バゲットにパテ、なんていうそっけないメニューもなんだが美味しそうに描かれているし、
南部の郷土料理の描写なんて読んでいるだけでよだれが出てきてしまう。
水で戻した塩ダラをほぐしてホワイトソースと合え、香味野菜を散らしたグラタン風とかむっちゃおいしそ〜ダヴィンチ・コード読むならこっちのがおススメです。
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友人「I・M」に紹介されて購入した小説。
舞台はフランス。
カトリック教会によって焼き尽くされ、この世から葬り去られた<B>カタリ派</B>の物語。
<読書中> -
半年のフランス留学。偉人の墓を訪ねる。迷っているフランス人女性クリスチーヌと出会う。
異教徒として虐殺され全滅したカタリ派がいた場所の出身。オキスタン語を話す日本人に驚く。1週間通った図書館の地下室での最終日に七百年前の「手稿」を発見。地図の中にまぎれいていた。火刑の壮絶なシーン。学会でプレゼンすると手稿の贋作の疑いを教授から問われる。パリの日本人家族を病院に通訳として付き添うと、クリスチーヌと遭遇。手稿の調査場所に引っ越すことを告げると、付近の病院に勤務していたことを教えてもらう。図書館には問い合わせが来ていた。
行方不明の図書館長は死体で発見された。ナイフ職人の男からヒントをもらい、洞窟を発見。他の手稿を発見。
手稿では、諮問においてバチカンが都合の悪い内容は、記録されず。
手稿を書いたマルティンの両親は、カタリ派の「良き人」「全き人」だった。
自分も、火刑になった。
学会で贋作疑いをかけた教授は逮捕され、自殺。 -
カタリ派研究の歴史学者である須貝彰は、フランスの図書館でカタリ派弾圧に関する14世紀の手稿を発見する。そこから分かるカタリ派虐殺を研究会で発表したことから、彼の周りで事件が起こる。
須貝は残りの手稿を求めて、手稿に書かれていた印を頼りに南フランスへ旅に出る。
一人、二人と殺されていく中、700年前の手稿の行方を探します。宗教の話が多いので難しいけれど、手稿を探す旅は自分も共に旅をしているようにドキドキします。 -
700年前にキリスト教の異端として弾圧を受けたカタリ派について、新たな歴史的史料を日本人の学者が発見し、物語が始まってゆく。
フィクションとはいえ、様々な史実を参考に書かれていると思われ、非常にリアルで、ぐいぐいと読み進めさせれれた。
昔の異端審問について書かれているため、拷問のシーンや道具、そして火あぶりの様子についてく書かれているあたりは、非常につらかった。。
700年の時間と、宗教と、いろいろな人の成長とが上手く織り交ぜて書かれている非常に読み応えのある小説だと思う。
ただ、ふだんミステリーはあまり読まないので、ミステリー小説としての“謎解き”の出来栄えは、客観的にはどうなのかな?と思わないではない。
それと、帚木さんの小説はいつもラブシーンがパッとしないので、その2点を減点して、☆4つ。