デトロイト美術館の奇跡

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103317531

感想・レビュー・書評

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  • 市の財政破たんによりデトロイト美術館が存続の危機に。妻を亡くした年金暮らしの男性、自分のコレクションを寄贈した資産家、そして、美術館で働く男、それぞれの思いがあり、セザンヌの絵を通して、存続を願う。一人一人の願いは確実に輝いていた。美術館の一つのエピソード。地元の人に愛されている美術館、実際に行ってみたくなるね。読後感よし。重くならずにさらっと読めます。

  • 初読

    やっぱり少しくすぐったく感じられるくらい、
    おとぎ話めいた甘ったるさがあって。
    けれどやっぱり心地よい、原田さんのアート作。

    デトロイト市の財政破綻によってデトロイト美術館コレクションの売却危機
    という実話ベースに
    マダムセザンヌを、アートを友だと思っている亡き妻とその夫。

    「アートは誰のものか?」
    の問いに対しての
    アートを愛する総ての人のものである、
    という答え。
    綺麗事は、美しいのである。

  • 原田マハさんの小説を初めて読んだ。
    綺麗な文章で私好みの過度な装飾のないサラサラした文体だ。
    経歴から美術に関わる作品が多いみたいで、ちょっと他の作品も読んでみたい気持ちになった...けど..。
    うん。この小説は実話を元にしたと書かれているから、骨子は事実なんだろうけど。そして小さきものたちと運の力が産んだ感動のストーリーなんだと思うけど、その、決して裕福では無いアフロアメリカンの背景を元に(そこを書かないとどうして彼がこの美術館をこんなに愛しているのか伝わらないけれども)感動ストーリーを作るのなら、私はただニュースをそのまま読みたかった、という気持ち。
    いや、ホントにただの勝手な気持ちなんだけど。

  • 一つの美術作品が、人を勇気づける連鎖をつくり、
    奇跡のような歴史を作った話。
    奇跡とあるけど、美術館を愛する一市民の行動がなかったら成し得なかったものかもと思うと、
    ひとりの存在ってとても大きいなと感じました。

  • 実は私は学生時代に美術を勉強していたので、原田マハさんのアート小説は全部読みたい!と思っているんですが、なかなか進まず…。

    市の財政難から存続の危機にさらされたデトロイト美術館。市民の生活を守るべきか、市民の誇りを守るべきか…実話を基にしたフィクションです。「アートは友だち、だから美術館は友だちの家」こんな風に言える美術館が身近にあるって本当に素敵だなぁと思います。私もよく美術館へ行くのでお気に入りの美術館はいくつかありますが、残念ながら気軽に行ける距離にはほとんどありません。「友だちに会いに行く」感覚で美術館へ行く。日本ではアートはまだまだ敷居が高いと思われているようですが、もっと身近なものになって欲しいなぁと思います。ちなみにこの本はとっても薄いので、原田マハさんと女優・鈴木京香さんの対談を含めても130頁ほどなので、あっという間に読めます。

  • 中編ではなく長編で読みたかった。
    デトロイト市の財政破綻によって、
    デトロイト美術館の収蔵品が売却される・・・。
    本当に起こった感動物語を
    絵のように温かく柔らかく描いている。
    読んでよかった。

  • 1990年から6年アメリカ在住の時に時々訪れたデトロイト美術館。
    医療保険料金も高く、病院に行くとにかく保険会社が料金を負担したくないため吹っかけてきて、いつも妥当な金額に交渉するのに苦労したことを思い出す。
    皆保険でないアメリカで、こんなことがあったのだと胸が締め付けられる思いしきり。
    この本のストーリーを思い浮かべながら、またデトロイト美術館行きたくなってしまった一冊です。

  • 胸が熱くなる話だった。
    とても短いけど、深い。
    以前の自分なら美術館なんて…と思っていただろうけど、原田マハさんの作品を読むようになって美術館が身近なものになった。
    この作品も然り。
    デトロイト美術館が守られて、良かった。

  • 読書会用に読んだのだが、初 原田マハ。
    思ったより、ずっと良かった。
    静かだけど、心に染み込んでくるような。

  • 「暗幕のゲルニカ」など、歴史的美術作品の裏に隠された物語を描くのが上手な作家さんなので、今回もデトロイト美術館の裏側を期待していたのだが、今回は史実のみが時系列で描かれているだけで、小説としての面白さを感じることが出来なかった。でも、歴史の勉強にはなったかな・・・

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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