- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103318538
作品紹介・あらすじ
調略を武器に乱世を生きた一族の熱き闘い。城攻め×伊東潤 間違いなしの面白さ! 「城をひとつ、お取りすればよろしいか」、小田原城に現れた男は不敵にそう言い放った。商人に扮して敵地に入り込み、陣中を疑心暗鬼に陥らせ、一気に城を奪い取る――家伝の調略術で関東の覇者・北条氏を支え続けた影の軍師・大藤一族の五代にわたる闘いと北条の命運を決する小田原合戦までを描く圧巻のインテリジェンス合戦記!
感想・レビュー・書評
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小田原の北条は、地味気味だけどしっかり読むと結構面白い。上杉謙信を撤退させたところなんかは絶品です。生きるのに必要なのは、強さだけではないと言うことを作者はとても巧みに教えてくれました。
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北条家の諸足軽衆の大藤一族を題材とした小説。
小説の中で『もう一度読みたい』そう思ったのはこれが初めてだと思う。面白かった。 -
「入込」の術を使う大藤家の短編連作。
面白かった。 -
2003年のデビューから一躍歴史小説の頂点へと駆け上り始めている伊東潤先生。キレ味が本当にいい!読んでいて本の中に引き込まれる物語の造りは現代の作家さんの中でも5本の指に入ると思います。
デビューしてからの34作品の中で8作品ほどが北条絡みの物で上杉に武田に真田などの作品を考えると必ずと言っていい程に北条が絡んでくる。しかも北条旗下の武将たちが綿密に書かれているので本当に喰いつける。
本作は早雲の息子である氏綱時代から旗下の旗本として活躍した大藤信基親子の話を描いた作品です。初めて聞く名前の武将の活躍にこんなに心躍らせられるとは思わなかった。時代が時代ですが、もし彼ら親子をを小田原攻城の際に石田三成が手に入れていたならば時代は違ったのではないのかな?そんなことを想わせてくれる武将像でした -
大藤信基、景長、秀信、政信、直信と続いた後北条氏の家臣、影の軍師一族を描く。連作短編集。
大藤氏は、家伝の入込の技を使って相手の内部に入り込んで、敵を混乱させる。
軍記物として、非常に面白く、読み応えある。 -
2018.11.10完了
面白い。ほとんど知られない大藤氏を軍師に、北条五代ならず大藤五代を描いている。
真偽はともかく小説として面白い。
文章のしつこさもなく、この作家の小説は読み易い。 -
2018.03.31
嘘を見抜く目。騙されるいうことがあることを感じたことがない自分は果たして大丈夫なのかと思う。 -
北条家に入込(潜入スパイ)として仕える大藤家5代の短編集。やや話しがうまく行きすぎてる感はあるけど、何より読んでて相変わらず爽快な伊東節。しかも、今回はハッピーエンドときたから、なかなかに爽やかな気分で読了させてもらった。ところで、北条家は甘かった、滅ぶのも必然だったという解釈はとても腑に落ちた。
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北条と共に生きた五代記。非常に面白かった。
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北条家に仕えた大藤家の話。敵方に入り込み、多くの人命を失わずに城を落としたり、敵を退却させたり。血湧き肉踊るだけが、戦国ではない。
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思っていたほどではなかった。
好きなタイプではないかな。 -
後北条氏に仕えた大藤信基とその子孫たちの活躍を描いた連作短編集。
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紀伊の国人から後北条氏に仕えた大藤信基を祖とする、大藤家五代を主人公に据えて描く連作短編集。失われたとされる孟徳新書を頭の中に収めたと嘯き、知略を持って、敵の心を手玉にとり、大きな成果を収めていく。太田氏から江戸城を奪うのに大きな役割を果たし、小弓公方を決戦場に引き出し、古河公方を河越の戦いに引き出し、上杉謙信を臼井城に釘付けにし、小田原城を攻められた際も、福島正則と織田信雄相手にひと泡ふかせる。人を騙すのが稼業なのに、逆に騙されて最期を迎えた景長の例もあったが、大藤氏から見た戦国史、連作短編集。/己を恃む者は、一度道を誤れば国を滅ぼすが、衆を恃む者は、一人が誤っても国が滅びない、という旨の氏綱の言葉。私利と暴政、征服欲にかられた大名と一線を画し、民を愛して、国を治めることを掲げるが、大きな権力の前には無力だった。土から生まれて土に還るだけとは、三代秀信のことば。諜報活動を稼業とするということは、大半は史料には残らず、そこが想像力のふるいどころ。リスクをもって飛び込み、敵方の心を捉える様は鮮やか。