脱資本主義宣言: グローバル経済が蝕む暮らし

著者 :
  • 新潮社
3.68
  • (14)
  • (21)
  • (15)
  • (9)
  • (0)
本棚登録 : 262
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103324614

作品紹介・あらすじ

豊かな国の浪費が、貧しき国を苦しめる!経済成長至上主義、過剰消費、食料、貧困、環境破壊-。今この世界の"本当の問題"が見えてくる、21世紀必読の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 完全自殺マニュアルの著者( @wtsurumi )による経済実例書。

    わざわざ地球のどこかを犠牲にしながら、むだに浪費している。この仕組みを作ることにより、どっかの誰かが得してる。地球も犠牲にしながら。そんな暮らし方を考えて、改めませか?って本。

    まずは知ることから。

  • 引っ越しの時に業者に頼まずに友人に謝礼を払って手伝ってもらう、外食せずに好きな食材で弁当を作る、遊園地で遊ぶのをやめて公園で自然を感じて遊ぶ、CDを買わずに友人から借りる、というようなことを辞めて逆を目指すとGDP(=豊かさの数値)が増える。ってこれってどうよ? 人とのつながりを楽しむほどにGDPが減り、日本が貧しくなって行く? 経済成長を優先してできあがった今の貧しい先進国が、手を差し伸べるふりをして、新興国を巻き込み、経済的に貧しい人を陥れている現状を見直そう、ということが詳細なデータとともに書かれている。

  • 思ったよりけっこう過激な印象。ただ、いきすぎた生産や消費を終わらせるべきなのは同感。すでに私たちは十分過ぎるほど豊かなのだから。

  • 完全自殺マニュアル・人格改造マニュアルの鶴見済さんの著書。
    著者が市場経済の肥大化を批判しつつゆるいつながりを大切にするオルタナティブな生き方を実践する作家になっていたことに驚いた。
    (もともと東大卒のサブカル系ノンフィクション作家という十分にオルタナティブな生き方をしている人ではあったけれど。)

    本書は反資本主義本書の立場で語られる。
    そのため、市場による分配は権力による分配より圧倒的に優れているというスタンスの自分からすると「本当にこれを無くせばうまくいくのか?」と疑問符がつくエピソードは多い。
    だが、ソ連の計画経済のもとでのアラル海の縮小やアパレルメーカーのスウェットショップなど、ここで語られる問題は積極的に見ようとしなければ見えないものばかりだ。
    むしろ、市場を通した分配の利益を信奉する現代人からすると、意図的に無視し、問題視する人の方を偽善者・陰謀論者とみなしがちである。

  •  私たちの日常生活、及び企業活動が知らず知らずに自国(北)本位の資本主義活動に流されていることを改めて気づかされた。
     特に製造業の理念は「お客様満足」と謳われるが、もう一段視座を上げ、地球レベルで考えると何の目的で企業活動に取り組んでいるのかを考えさせられる。
     もう少し資本主義の意義づけ、意味づけについて掘り下げて学んでみたい。

  • 理論もデータもなく、資本主義は嫌いって言っているだけの本

    言っていることは勇ましいが、やっていることは、家庭菜園で多少の野菜を作り、使用済みのペットボトルに水道水を入れて持ち歩いている程度。

  •  震災直後の空気を感じさせる時評的な内容でもあったため、読書習慣を失っていた時の発売で読むのが遅くなったのはもったいなかった。お金や産業に振り回されているのは感じても抗おうなどと思いもしなかったのだが、地道な家庭菜園などもその延長であると提示されていた。だったらオレが好きな釣りはどうなのだろうか。高い釣具やルアーや車での移動は資本主義活動に組しているとしか思えない。高級魚が安く釣れたらいいな。

     80年代に中学生だった自分は学校で先生に「日本は成功した社会主義だ」というような事を言われ、そうなんだ~みたいに思っていた。それがすっかり新自由主義のでせいでおかしくなったのかな。富がもっと平等に分配されたらどんな世界になるんだろう。みんな不自由しなくて済むのかな。80年代みたいになるのかな。80年代はそんなによかったのかな。

     鶴見済さんの文章と考えが好きなのでもっといろいろ書いて欲しい。

  • ■アマゾンより引用
    豊かな国の浪費が、貧しき国を苦しめる!経済成長至上主義、過剰消費、食料、貧困、環境破壊―。今この世界の“本当の問題”が見えてくる、21世紀必読の書。

  • 資本主義というのは儲けることが優先なので、自然環境や未来を担保に一部の人間が富を独占することになってしまっている。このシステムを多くの国が採用したことで今、環境や人々の周りで起こっている問題をあぶり出した内容。

    この手の本はいくつか読みましたが、それでも始めて知った問題もいくつかありました。こうした問題がなぜ起こったのかという過程については詳しいのですが、だからどうすればいいのか?というところまではあまり深く踏み込んでおらず、著者が個人的に取り組んでいることを述べた程度。

    同じような資本主義に対する疑問を呈した本ならば平川克美の『グローバリズムという病』『消費をやめる』などの方が面白いかも。

  • 副題「グローバル経済が蝕む暮らし」~Ⅰ身近にあるグローバル化の被害1服と綿花とアラル海2原発の輸出と重工業界の支配3ゴミの輸出と交わせる戦略(反抗のコラム1デモ~普遍的な不満の表現手段~)4コーヒーと南北問題の歴史5スポーツ・ビジネスと搾取工場6ジーンズと西洋の文化的侵略(反コ2サパティスタ民族解放軍~グローバリゼーションへの反乱~)Ⅱ経済に使える国・日本1アルミ缶とインドネシア2自動車を増やす陰謀3日本人はなぜパンを食べるのか?(反コ3世界社会フォーラムと自律スペース~「今とは別の世界」の実践~)4自動販売機はなぜ増えたのか?5アメリカが増やしたタバコの輸入6マクドナルドの何がよくないのか?(反コ4ラテンアメリカ革命~巨大な自律経済圏~)Ⅲ初心者のための“批判的”経済入門1誰にでもわかる資本主義の定義2GDPと自由貿易とカネへの依存3金融危機と自由主義経済の歴史4通貨危機とバブル経済の仕組み5「南」の債務問題と貧困の原因(反コ5宮下公園ナイキ化反対運動~自分たちの場所を作る~)Ⅳ自然界とのつながり1人間界の外側2大豆と消えゆく農業3水を買わせる仕組み4霊長類とビタミンC5自然界の循環と死と再生(反コ6新しい農業~増えてきた素人の農民~)~思い出したのはピースボートという船が動かなくなって抗議のためにデモをする年配の者を冷ややかに見ていた若者という構図を喋っていた古市という若手社会学者の話。何だか嫌な奴だと思ったが。今時の若者のように現状を肯定的に見るのも嫌だけど,文句ばかりの奴も嫌だ。じゃあ,どうするのってことで,どうしようもないし,反抗のコラムみたいにやると反日,在日?悪者扱いだ。権力に阿るネット右翼って立場として楽だろうなぁ…生理的に嫌な者は在日,反日家にしてこき下ろせば良いんで…バカみたいだけど

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

鶴見済(つるみ・わたる)
1964年、東京都生まれ。東京大学文学部社会学科卒。複数の会社に勤務した後、90年代初めにフリーライターに。生きづらさの問題を追い続けてきた。精神科通院は10代から。
つながりづくりの場「不適応者の居場所」を主宰。
著書に『0円で生きる』『完全自殺マニュアル』『脱資本主義宣言』『人格改造マニュアル』『檻のなかのダンス』『無気力製造工場』などがある。
ブログ:鶴見済のブログ(tsurumitext.seesaa.net)
Twitter:鶴見済(@wtsurumi)

「2022年 『人間関係を半分降りる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鶴見済の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×