豆の上で眠る

著者 :
  • 新潮社
3.18
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本棚登録 : 4098
感想 : 563
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103329121

作品紹介・あらすじ

行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹――。あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの? 13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い――戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか? 待望の長編、刊行!

感想・レビュー・書評

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  • それにしても、親の万佑子に対する扱いひどすぎないか?
    猫を探しに行かせると見せかけて、怪しい家に訪問させたり、明らかに姉との態度に差があったり、口調も少しきつかったりとひどい。
    確かに、娘が誘拐された時の親の心情を考えれば多少はしょうがないかもしれないが、それにしてもやりすぎ。娘が学校でどんな扱いを受けるかなど想像できないものなのだろうか?
    結末は、どこかのドラマでありそうなものでした。あまり意外性を感じなかったです。後半から物語に引き込まれていきました。ぜひ、機会があれば他の作品も読んでみたいです。

  • 「帰郷」
    幼き日の想い出。
    優先順位を付けるつもりはなかったとしても、無意識に姉妹を比べて見てしまっていたのかもしれないな。

    「失踪」
    足取りは掴めず。
    思いつく限り探しても見つからないのであれば、誰が何を言おうと警察に連絡し手を借りるべきなのでは。

    「捜索」
    行き過ぎた行動。
    難航する捜査に大人しく待つことが出来ないだろうが、素人が勝手な事をしても見つけるなんて無理だろ。

    「迷走」
    自分の代わりに。
    女児用品を買っただけで不審者扱いされて、確認のために子供を使うなんて流石にやり過ぎではないのか。

    「帰還」
    帰ってきたのは。
    見た目以外で違和感を感じてしまうのは、離れていた歳月だけでなく本能的に何かを感じとったのかもな。

    「姉妹」
    疑い続けた結果。
    すぐに受け入れることなど簡単ではないうえに、こんな話を何故今更聞かされているのだと思いそうだな。

  • 姉が行方不明になり、2年後戻ってきた姉は別人ではないのか?面白そうなお話だと思い手に取りました。前半は何だか淡々とした感じですが後半は惹きつけられました。読後感は何だか切ないというか、居場所のないような空虚な感じが可哀想でした。

  • 本物の姉妹・家族とは何か。血の繋がりなのか、一緒に作った思い出なのか。
    人によって考え方は異なる気がするが、個人的には後者だと思う。

    結衣子が誘拐前の万祐子にこだわった理由は、誘拐前の万祐子が彼女にとっての「本物」だったから。
    そこには血の繋がりはないけど、万祐子の所作・声・雰囲気・思い出など、結衣子にとって万祐子を万祐子たらしめるものが存在していたはずだ。
    そうなると、血の繋がりはあくまでも一要素でしかなく、もっと優先すべき要素があってもおかしくない。

    ただ、結衣子がここまでもとの万祐子にこだわるのは、もとの万祐子がいい子だったからな気もする。
    もし仮にもとの万祐子が嫌な姉だったら、ちょっと違和感を持ちつつも結衣子はもっとポジティブな反応だったのでは?と思う。

    あと、普通にもっと早く公表しろよって思ったけど、血縁上の万祐子的には自分が認められなくて居場所がなくなるのが怖かったのかなぁ。
    結衣子がかわいそうじゃん!と思ったけど、万祐子の気持ちを思うとちょっと切ない。

    この小説も価値観揺らがす系の内容で面白かった。

  • 記録用

  • 姉妹だと思っていた万祐子ちゃんは幻想だった。。
    頭をフル回転させながら読まなければいけなかったので少し疲れました笑

  • これはなかなかに良い作品だった。子供の頃、いなくなった姉。彼女は帰ってくるが……。
    イヤミスと言ってしまえば簡単だが、ただそれ以外にも何かがある。幼い日の主人公の回想から見えてくるものとは。
    クライマックスに詰め込み過ぎな感じはあるものの、よくまとまっている。

  • 読むのに苦労した作品。過去の話と現在の話がクルクル代わってついていくのが難しかった。

    最後の数ページで混乱をして、誰が誰か考えながら一応読み切ることができたけど、スッキリはしなかった。

  • 行方不明になった姉・万佑子ちゃん。2年後に無事もどってくるが、妹の結衣子は違和感を覚える。本当に万佑子ちゃんなのか、偽者なのか…。読んでる方も、違和感や疑惑で、一体どうなってるのだろうと引き込まれました。

  • ほーーー。ただただ主人公が可哀想。
    で、途中で出てきた小児性愛者みたいな人の描写はなんだったんだ。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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