冬芽の人

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103333517

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの大沢作品。ブログで評価が高かったので、読んでみた。
    6年前に強盗殺人の犯人を追いこむ際に、同僚の刑事と犯人と思われる2人を想わぬ形で失ってしまった主人公・しずり。捜査一課の刑事として駆け出しで、自分の未熟さ上に2人を死に追いやったと思い込み、事件の1年後、警察を辞め、普通のOLとして、第2の人生を始めていた…しかし、亡くなった同僚の刑事・前田の墓参りに行った時、偶然、前田の息子と名乗る岬人と出会い、しずりの運命が変わっていく。
    岬人に引きずられるように、過去の事件に戻されていくしずりの心の動揺が、すごくよく伝わる。しかし、6年前の真相が明らかになるに連れ、「しずりは優秀な刑事だったのではないか?」と感じずにはいられない。派手なアクションシーンもほとんどなく、物静かで思慮深いしずりの性格を表したような作品。

  • 元女刑事の話

    刑事時代のペアを組んでいた先輩刑事が自分を庇い怪我をして亡くなり一年後警察を辞めOLとして働いていた

    6年後墓参りに来た際に亡くなった刑事の息子と出会い息子がいたことを知る

    その2人が出会ったことで終わったはずの先輩刑事が亡くなった事件についての疑問が浮かぶ

    そして繋がっていく事件に隠されていた黒幕と真実

    そして出会った2人の関係が変わっていく

    読み飽きない展開がドキドキだった

    歳の差がある2人だけれど互いを思いやり相手が変わると気持ちも変わる

    恋愛要素も含まれていて面白かった

  • たまにはこんな主人公もあり!?

    大沢作品はたとえ女性であっても男性的な強さを持ち合わせる主人公が多い印象でしたが、本作の主人公しずりはそれをいい意味で覆してくれる。ミステリとしても、楽しめる一作。ただ、しずりがやたらとモテてしまうのはちょっとやり過ぎ感も(ストーリーの展開上必要な場面もあるのですが)。しずりの現在の上司である中崎のキャラが好感持てる。

  • あまり主人公に共感できなかったなあ。女性の気持ち、考え方って、ほんとにこうなの?と引っかかるところがあって、小説の世界に入り込むのをあちこちで邪魔されたせいかな。

  • 女心が浮わついた感じがしばらく続きもうひとつスッキリしない状態からなかなか抜け出せなかった。強さとたくましさを持った女主人公ではあるが、ある部分では弱々しさを感じた。事件が終わったあと、何かを吹っ切れたのかひと皮むけた。

  • 優しい感じの大沢ハードボイルド。
    2015.3.18

  • 雪が降った日に読んだので、話に入りやすかった。
    しずりと年下青年、しっとりラブって感じだった。いつもの大沢さんの男臭さがいい意味で消えていてそこもよかった。
    最後ごちゃっとしたけど、いいな。

  • 6年前の強殺事件で先輩刑事・前田が、牧をかばって怪我を負い、それがもとで死亡した。
    責任を感じ警察を辞めOLになった牧は、前田の墓参りで偶然前田の息子・岬人に遭う。
    6年前の事件には裏があったのではないか...
    岬人との出会いがきっかけになり、事件の真相を探ることになるのだが...

    どの登場人物も好きになれなかった。
    ちと無理があり、強引にスッキリさせられたような感じ。

  • 呼吸がしづらい程の頑な感。が、ほころぶ様がいい、、、のかなぁ?うーん
    マキさんって、まきさんだよね。細いし、頑なな雰囲気。岬人は誰だろう。

  • 強盗殺人事件の捜査中に自分をかばった同僚を亡くし、その責を負って警察を辞めた牧しずりは、同僚の息子・岬人と出会う。彼がもたらしたのは解決したはずの事件に関わる新情報だった…。

    大沢在昌の作品で新宿が舞台だと中国人の金や王がたくさん出てきてワケがわからなくなることがあったけれど、本作は中盤以降に前田、前畑、奥畑、奥寺、奥平が出てきてちょっとワケがわからなくなった。ヒロインに感情移入することもできなかった。せっかくラストは手に汗握る展開だったのに残念。
    (C)

著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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