神戸電鉄殺人事件

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 38
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103344315

感想・レビュー・書評

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  • う〜ん…無理に有馬と神戸電鉄でなくても良かったのでは…

  •  いやぁ,素晴らしい,コレはヒドイ,もう笑うしかない.西村京太郎氏の小説読むの三十年くらいぶりなんでその間や最近の傾向を知らないので評価2にしたけど……1でいいよね,これ.
     なんというか,平易で読みやすいラノベですよね,これ.説明書きみたいな状況ばっかり語られているから,小説ですらないのかも,トリックとかサスペンスっぽさも特段なく……あ! ちゅう間に読み終えられた.面白かったけどね.
     映像(勿論私にとっては渡瀬恒彦氏と伊東四朗氏なのです!)になったらちゃんとまともに見られる(それでも西村京太郎スペンスは実に軽く簡単にカジュアルに人をサラッと殺すのだけど!)ものに仕上がるのだろう,なにより神鉄が出てきてくれることにワクワクするではないか?
     まずのっけから“よく見ると、新幹線の新神戸駅、神戸旧居留地、そして、神戸電鉄の写真である。”うわぁ違和感バリバリやぁ,新神戸駅はまだいいとして,本編に出てこないけど旧居留地もまぁいいとして,「そして」の接続詞でまで繋げられて出された“神戸電鉄”である……それ,小説の題名なだけやからやん!?
     車掌が登場しているが,有馬温泉-有馬口で車掌乗ってるかいな? 乗っていない,ワンマン運行だからね.通勤時間帯ならばわからないが,その時間帯ならばむしろ新開地直通だ.―新開地といえば,まぁここは「新開地まで来てくれと呼び出されたからだろう」と十津川も推測しているからそれでいいんだけど,神戸外から来た人が有馬温泉から新開地に用事があって新開地まで乗る……なんてこともほぼあり得ないだろうよ,あるとしたら三宮までだろうけど,それなら大抵谷上で乗り換えるだろうしな,テツでもない限り.閑話休題.― 一区間を死体を載せて何往復も……とか書いてて,ワンマンならば運転手も気付かずそれもあり得るだろう,ならば車掌をそこで出してきたらあかんし,3両編成(休日は4本に1本4両編成だけどね)の中でどこで誰にもわからないように殺せるんだろう? 悲鳴の一つも上げずに,まぁ間にトンネル一つあるからその間で殺したとして,一人は床に突っ伏して,一人は座席に腰かけた状態で遺体が見つかっている……あまりにも何のひねりもない,疑問とツッコミしかわかない鮮やかな殺人.
     そして,なにより……オチもなく……いや,確かにオチはあった,むしろオチしかなかった,オチのためだけに書かれたというべきかもしれない,オチを言いたいがためだけに183ページを割いたとしか言いようがない.不満,そう不満しか残らない「え? なに? 続きは? あれ?」思わず上巻とか書かれているのかな,下巻はないのかな? 何度も見返したよ,ええ.

    神戸電鉄である必要どこもないやん!?

著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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