主婦病

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 176
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103390916

作品紹介・あらすじ

欲望、猜疑、諦め、嫉妬……私も患っているのだろうか、〈主婦〉という病を。部下の男との情事の最中に倒れた夫、その裏切りを受け止め切れない妻。自分には無関心な夫の知らない世界に飛び立とうと、テレクラのバイトで金を貯める主婦。願った子供が授からなかったために、好きな夫と距離を取ってしまう妻――揺れる関係に悩み、こじらせ、もがく女達を描く、第12回R-18文学賞読者賞を含む連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • どこか退廃的な雰囲気を纏った金髪の青年、辻草汰。彼の暮らす町で、彼のまわりに生きる様々な主婦や少女達を描いた短編集。

    ひとつひとつの物語はつながっていないけれど、みんなそれぞれ「辻草汰」という青年とわずかばかりにでも関わっている、という繋がりがある。

    タイトルから、もっと生活感のある主婦の話なのかと思ったら、どれもいまいち共感出来ないくらいの主婦感の少なさ。主婦ってそんなに性欲が強いの?そこばかり描かれているようで、あまりピンと来ず。

  • ブクログのトップに「母親病」が出ていて題名に興味。
    子どもの世話に明け暮れて自我が後回し、なくなっている"母親"病かしら??
    でも筆者について検索したら、本書や「黒い結婚 白い結婚」などが既にある。まずはそちらを読んでみよう。

  • よくわからないけど、金髪の男が繋いでいた。

  • 独立した短編集ですが、
    全短編を通して登場する金髪の男がいて、つなかりも感じます。

    「主婦病」というタイトルと、
    中の作品のイメージにズレがあるので、そこがもったいないなと思います。

    タイトルから
    主婦としての生活への憂うつ、のようなイメージが先行したのですが、
    苦悩は苦悩でも
    女としての情動による苦悩をえがいた作品集で
    エロティックな要素もやや強めです。

    好みは別れると思いますが、
    文章は読みやすいです。

    こんな世界もたまに覗いてみるのもいいかなと思います。

  • 森美樹さん、初読みです。「主婦病」(2015.3)、眠る無花果、まばたきがスウィッチ、さざなみを抱く、森と蜜、まだ宵の口、月影の背中の6話が収録されています。6話それぞれに独特のテイストが感じられます。明らかに連作とわかる2話。でも、金髪の男という、主役とは思えない登場人物に注目すると、不思議なことに6話すべてが連作として成り立っています。もう一冊読んでみたくなりました。

  • 無関心な夫から飛び立つための資金をテレクラで稼ぐ女、心ならず夫に距離を取ってしまう女、長年連れ添った夫が倒れた場所で秘密を見つけてしまった女…。女性が主人公の短編集です。

    「主婦という病」を私も患っているのだろうか…ちょっと目を引く文句とタイトル。
    主婦、病? 不思議に感じて手に取った。うーん、病っていうのはピンと来なかったけど、彼女らは『主婦』という枠の中から、はみ出さないようにこぼれないようにと努力していた。
    あるいはその枠を壊したくてたまらない衝動と戦っていた。世のダンナ様達は気付かない。ただの主婦にしか見えないあの人も、お宅の奥様だって、胸の中では…。ね。

  • 「楽しいこともこわいこともたくさんあるわ。でも、恐れることはないわ」(春枝)

    どれも怖かった。

  • どの話にも金髪の男が出てくるし、似ているから伏線かと思いきや何もなくて拍子抜け
    ストーリーはどれも後味が悪い

  • 主婦が主人公の短篇が6つ.女性特有の想いが随所に散りばめられた感じで,おじさんから見るとドキッとするものもあった.「まだ宵の口」で失踪した冴子の娘 結真ともどかしい会話をする和香菜の行動が主婦らしくて面白かった.羽根田整体院の出てくる「眠る無花果」と「森と密」は父の仕事に複雑な気持ちを持つ絵子が面白く描かれている.

  • タイトルに惹かれて。途中で挫折しました。
    嫌ミスっぽいの期待しましたが、ハズレ。

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著者プロフィール

1970年、埼玉県生まれ。1995年、少女小説家としてデビュー。2013年、「朝凪」(「まばたきがスイッチ」と改題)で、R-18文学賞読者賞を受賞。主な著書に、受賞作を収録した『主婦病』のほか、『私の裸』『母親病』『神様たち』など。アンソロジーに『黒い結婚 白い結婚』がある。

「2023年 『わたしのいけない世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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