カーテンコール

  • 新潮社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103397816

作品紹介・あらすじ

急逝した女優は「手記」を書き残していた! 遺された夫が書き継ぎ、完成させた愛の物語。結婚からわずか4年。幸せな毎日を送る女優を襲ったのは、治療困難といわれる「肝内胆管がん」だった――。治療法を探し求めたセカンドオピニオン。覚悟して臨んだ腹腔鏡手術。手術前夜に病室で綴った「遺書」。そして、夫が書き記す、激やせ騒動と衝撃の死の真相。最後まで「川島なお美」を演じきった、ある女優の生き様。

感想・レビュー・書評

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  • 2015.12.29 くまざわ書店で見つける。

  • 表紙を見ると二人のラヴストーリーみたいですが、川島なお美さんのガン闘病記です。
    ですから、今そういう問題をかかえている人にお薦めです。

    わたしにとっては重要なポイントがふたつ。
    まず、M先生。彼女はガンになったことでいろいろ調べたうえで、M先生に傾倒します。
    でもこの本ではM先生に批判的だと思いました。

    M先生が近藤誠先生だと、すぐわかりました。
    近藤先生の本を読んだことがあるので。
    そして、私もガンについては先生の考えについていくと思います、たぶん。

    なお美さんの件で、近藤先生のことはとっくに話題になっていて、コメントもだされていました。
    手術をしたから寿命を縮めたし、抗がん剤治療をしなかったから最後まで舞台にたてたのだと、私も思います。

    もうひとつの重要ポイントは、「毎年うけていたがん検診こそが、がん発症の原因だったかもしれない」ということです。
    なお美さんは人間ドックのオプションでPET-CTを受けたおかげで腫瘍を見つけることができました。
    でも、その一度の検査で受ける被曝量は最低値で6~9ミリシーベルト。
    何もしなくても私たちが一年間に被曝する自然放射線の量は2.4ミリシーベルトとされているので、毎年PET-CTを受けていたらどうなるでしょう。

    ですから、今ガンとかかわりない生活をしている人にも、ぜひ読んでほしい本だと思いました。

  • 読み始めたら止まらくなった。生きるってこういうことなんだって思った。自分らしい生き方を最後まで貫き通した川島さんと、それを支えた鎧塚さんは本当にすごいと尊敬した。わたしはがんではない。精神障害を抱えているけれど、同じことが言える部分がいくつかあった。比べる対象になんてならないけれど、でも生きることがどれだけ大変で、どれだけ素晴らしいことなのかを、知ることができた。とても素敵な本に出会えてよかったと思う。

  • 以前は偏見を持ってこの人のことを見ていたけれど、見方が変わった。
    とても前向きで諦めない姿勢は尊敬に値する。

  • 癌に対して最期まで何らかの可能性を信じて立ち向かった女優。これを読んで彼女への見方がこう変わりました。正直、テレビで見かける彼女はワインや失楽園のイメージが強く、いい役というより脇で悪女を演じる女優認識でした。癌公表後映像で見た彼女のあまりの痩せように驚いたのを思い出します。とりシャン(鎧塚氏とのとりあえずシャンパンの略語)して待ってます、の彼女の声が聞こえてきそうだという鎧塚氏。まだこれから先、ご主人の人生は続いていくわけですが、最期の旅路の先でなお美さんととりシャンしていただきたいものです。

  • 癌に対する向き合い方は人それぞれ。
    実際に自分だったらどうするんだろう〜?と。
    余命わかったら抗ガン剤はしないだろうなぁ…とか。やはり考えておくことは大切。だからそういう本はたくさん読んでおく。そこは川島なお美と同じ。

  • 川島なお美さんの女優魂。亡くなられたのが残念。

  • 読んでいて、切なくなった・・・

    医者はピンキリだということと、
    命を預ける以上、悔いのないよう調べてゆく姿勢、
    とても前向きな人なんだということはよくわかった。

    それだけに、この本が生前の刊行とならなかったことが、
    なんとも残念でならない。合掌。

  • 川島なお美さんの肝内胆管がん闘病記。

    がん再発がわかってから書かれたものだが、必ずや自身は芸能界に復帰すると疑わず、後日談として徹子の部屋か何かで「あのときは大変だったんですよ~」とにこやかに話すシナリオを思い描いていたことが綴られている。

    最後の最後まで舞台に立つも、いよいよ容態が悪化してしまい、その願いは果たされず2015年9月24日に54歳で他界。手記は、夫の鎧塚俊彦さんが川島さんの文章にまえがき・追記・終章・あとがきを加えるかたちで上梓された。

    鎧塚さんが「闘病記ではなく、同じくがんを患った方々への応援歌」と書いているが、がん患者の方々のみならず、今を生きるわたしたちに向けられた応援歌でもあり、川島さん自身が自身を女優たらしめんとする自己暗示であるようにも読める。

    鎧塚さんが告別式の喪主あいさつで「女優として貫き通してきた人生の緞帳が下りようとしています。女房は拍手をいただくことが生きがいといっても過言ではありません。割れんばかりの大きな拍手で送ってください。アンコールはありません」と述べたのが話題となったが、手記を読むにつけ、川島さんは自分の人生をひとつの舞台であり、女優として演じ続けなくてはいけないのだという気持ちを強くもっていたことがわかる。ここまで意志が強いからこそ女優でい続けたのだと唸るばかりだ。

    また、自らのがん腫瘍を「いましめクン」と呼び、がんを患ったのは自分の生活を見直すよき思し召しととらえ、どこまでもポジティブに生きる川島さんの姿勢に胸を打たずにはいられない。

    がん報道の前に、鎧塚さんが片目を失明寸前だということで献身的につくす川島さん像を素晴らしいと評価する声が高まったが、手記から、人情に厚く、「ありがとう」の気持ちを忘れない、チャーミングな人柄だと改めてわかり、さらに魅了された。

    これは、応援歌であり、わたしたちへの「いましめクン」でもあると思う。
    自分や他人と向き合うこと。
    日々を輝かしいものにする努力を惜しまないこと。
    どれだけ長く生きるかではなく、どのように生きるかが大切であること。

    2015年最後に読めてよかった。

  • 五時に夢中で親方がプッシュされていた。

    女優として熱い思いで生き抜いた川島さん。
    亡くなる直前まで舞台に立っていたプロ根性には
    脱帽。

    ガンがみつかってからも、医者や周囲の意見を
    丸のみするのではなく
    勉強して、足を使って
    ガンと向き合い、どう対峙するかを突き詰めていたことがわかる。
    真剣に。
    自分の命、健康、仕事に真正面から真剣に向き合い、
    夫である鎧塚さんにはできすぎた女房といわしめる
    深い愛情を注いでいた。
    女の生き方の中で最高のものだと思う。
    ワンちゃんがなくなる時の描写は、母の目線。
    すべてを自分のものにして、残された人々に
    最大のインパクトを与えて去っていった。
    まさに女優として生きたのだなあと思った。
    闘病の記録として残る記述が多いけれど、
    著者の熱い気持ちと夫婦愛が胸にガンガンせまる、
    期待以上の一冊だった。

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