- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103506447
作品紹介・あらすじ
希望と絶望、そして祈り――男たちを戦へ駆り立てるすべてが、この島にあった。兵力わずか四千の毛利元就軍が二万八千の陶晴賢軍を打ち破った名勝負の影には、壮絶な人間ドラマがあった。「これまで誰も書きえなかった厳島合戦の全貌を描き、我が国の歴史文学の空白を埋める記念碑的作品」――縄田一男氏絶賛! 謀略で勝利した元就と義を貫いて敗れた晴賢。対照的な二人の武将を通して人間の矜持を問う!
感想・レビュー・書評
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歴史物が苦手なのに何故手を出してしまったのか…読み進めるのに苦戦。弘仲隆兼がとても魅力的で、その生き様を知ることができたのがよかった。
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読むのが勿体なくて3ヶ月ほど寝かしていました。とうとう覚悟を決めて読みましたが最高でした。尼子から連なる作品で尼子と毛利ファンの私にはもう至極の一冊でした。
生涯であと6回は読み直したいです。
表紙もかっこいいし、この本を鞄に入れてるだけで最高の日々でした。 -
厳島の戦いは、戦国時代の戦史に名を残す有名な奇襲戦ですが、この戦いを描いた歴史小説は少なく、ワクワクして読みました。4百数十ページの作品のうち、厳島の戦いの部分は終盤の百数十ページです。それまでの3百ページは毛利元就の恐るべき鬼謀の数々が描かれてていて、背筋が凍ります。この恐ろしさには痺れますね。でも、同じ鬼謀の人なら「宇喜多の捨て嫁」の宇喜多直家像の造形には及んでいません。残念です。厳島の戦いでは、敗軍の将弘中隆兼を中心に悲劇性を描いています。役者も揃っていて、それぞれにドラマがあり、読みごたえがありました。
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厳島の戦いをベースに対照的な2人の人物を描いた歴史小説。構成として上手いのは勝者である毛利元就が不気味な存在として描かれているに対し、敗者の陶晴賢の家臣、弘中隆兼が信を重んじる忠実な武将として描いてある。この対比がどちらにも傾けない心情を見事に演出している。ドラマティックな動きよりも史実をベースに静かに重たく進む物語はヒリヒリとするが胸は熱くなる。ラストの決戦シーンは見物。読みながら押し寄せてくる感覚が沸き立った。現代にも通用する勝負ものの本として大変に面白かったぞ
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歴史の勝敗と人間性の良し悪しは関係ないとあらためて思った。違った角度から見ればまた違った印象になるのかも。
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硬質の時代小説。戦国時代の「いわゆる」登場人物ではな、この時代、この地域の歴史は初めてだったので、新鮮。厳島にこの様な歴史があったとは。「団結」とは難しいものですね。どんどん行ってはいけない方へ転がっていく。分かってても。哀しいお話でもありました。この筆者、一文一文がカッコいいですね。