少年カフカ

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (495ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534150

感想・レビュー・書評

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  • ページ数多っ!膨大!!

  • 2008年07月24日 16:58
    これだけのメールを読んでいれば、

    村上春樹が、どんな人なのかどんな生活をしているのか何となくつかめてくる。

    とっても感じのいい人ってなるけど。

    また、否定的なメールにも律儀に返信している。

    「海辺のカフカ」や「村上春樹」に興味がある人ならおすすめ。

    ぼくは、これ読むのに1年かかりました……大してファンではないんだけども。

  • 『海辺のカフカ』の読者による感想や質問に村上春樹がひとつひとつ丁寧に答えてものを書籍化したもの。

    凄く分厚いです。カフカが好き、村上春樹が好きという人しか買って読まないだろう、と思います。またネット企画して欲しい!

    中には「営業目的なのですか?」「読む前から内容分かるから読む気になれない」というのもあって、「ただ純粋に読者の意見が聞きたかった」「話の筋の流れの上で重要ではないことしか情報は流していない」と答えていらっしゃいます。“なんて失礼な”と思う質問でも丁寧に答えて「ありがとう」と言っているのが、素敵です。

    好きな文章

    いつまで書けるか、これから何冊書けるか、それは神様でないとわかりませんが、僕としては一冊一冊、丁寧に気合いを入れて集中して書いていく、これしかないですね。(Reply to 98)

  • 村上春樹の創造の秘密がわかる。
    長編小説を書いているときは、早起きして執筆する、とのこと。それをコツコツと毎日続けるのであう。農耕型執筆。村上春樹は、コツコツの天才である。
    「海辺のカフカ」が、設計図なしに作られた、というのは驚きであった。これが、創作というものなのかもしれない。

  • 何となくて手に取って再読。まだ時代が大人だったのかも、という感じ、書き手も読み手も。こういうコミュニケーションが成立するためには、色んな意見があることを尊重することについての基本的同意が世にあるってこと。若干変なことをメール送信している輩もいますが、きっちり窘められていますし、そこで終わりともしているところに、まだ土俵際で留まっている感を受けます。
    最近の「何とか警察」騒ぎを見ていると、「昔よりレベルが低くなっている」とオッサンオバサン達の主張に反論できないものなぁ、、、何か悲しいですなぁ。

  • 開いたページのどこを読んでも面白い。読者のメッセージや質問にユーモアを交えながら、村上春樹が答えるジャンプのような厚さの1冊。何気ない返答でもやっぱり村上春樹節。
    村上春樹って気取っていると思われがちだけど、実はざっくばらんで、あけすけで、かなり好きなタイプだ。
    どういうわけか、アメリカっぽい人。

  • とにかくでかいけど雑誌タイプの本。なのでそんな重くない。
    読んでみようとぱらぱらめくってみたんだけど、なにしろ「海辺のカフカ」を読んでないんで、その質問が多いばっかりに読んでて理解不能……。
    小説のほうを読む気力もなく。

    なぜ買った!!(まったくだ


    2023.5.16
    とうとう本編読み終えたけどこの本まだ読めてない(読め

  • 少年マンガ風の装丁で、ホームページで著者と読者が行った1000以上のメールのやりとりが掲載されています。もちろん「海辺のカフカ」についてです。

  • 12年掛かって読了。あぁしんどかった。

    「海辺のカフカ」は1週間ぐらいで読みましたが。その間に子どもが産まれて五年生になり、水丸さんもお亡くなりになりました。

    さて、ホームページの続きを読むことにします。

  • 一週間以上この本にかかりきりでした。
    500ページほどあるB5サイズの本のうち、450ページくらいが5段組!
    どんだけ文字数があるんだ。
    2週間で読み終わって図書館に返せるのか。

    残業やら、休み時間に食い込む会議やら、飲み会やらの妨害工作に真っ向から立ち向かいつつ、なんとか8日で読了しました。すみずみまで。

    実は私、村上春樹が苦手。
    これだけ多くの読書好きも、普段本を読まない人まで村上春樹の本は読む(買う)というのに、どうしても村上春樹の本のまえでは足がすくんでしまうのです。

    というわけで、世間の皆さんはどのように村上春樹と対峙しているのか。

    苦手と言いつつ何冊かは読んだ本の中で、「海辺のカフカ」は比較的面白く読めたのです。
    ところが私の読みかたなんて、全然ですよ。
    皆さん深い深い。
    そしてすぐに何度も読み返すのですね。もっと違う読み方ができるのではないか。
    この読み方で合っているのか。
    こんなに何度も読み返すのは村上春樹の本だけだ。

    今でこそ図書館本が中心の私はあまり再読ができなくなりましたが、何度も読み返す本はたくさんありますよ。
    逆に皆さんが村上春樹の本以外は一度読んで読み捨てらしいところにびっくりでした。

    村上春樹自身は、読書というのはパーソナルなものなので、好きなように読んでくださいと書いています。
    でも、実は小説のつくりとしては結構計算して創り上げています。当たり前なのかもしれませんが。
    どのように読んでも、自分のことと受け取れるような、読者の思いを込められるような余白を含んだ作り方をしているんだと思います。

    今の売れ筋の本は割と似たような表紙、似たような装丁、似たような設定、似たような感想があふれています。
    読書はパーソナルなものですから、ひとりでコツコツ読むことはできますが、やはり感想を言い合って「わあ、わかる!同じ同じ」と感想を共有したい気持ちも出てきます。
    そこでジャンル小説などは同志を集めやすいように、似たような作りにしているのかなと思ったりもします。

    しかしハルキストの皆さんは村上春樹の小説を読んで「これは自分のことを書いた小説だ」と思い、この小説を本当に理解できるのは自分だけだと思ってしまうようなのです。(何人かのハルキストさんからそう聞きました)
    そして心の奥深くにその読書体験を大事に抱え込むのです。
    だから自分の分身のように大事に大事に何度も読み返し、違う読み方(間違った読み方)をしようものなら、キッとまなじりが吊り上ってしまうのでしょう。

    ああ、私が苦手だったのは、村上春樹の作品ではなくてハルキストたちの姿勢だったのか。
    むしろ彼の小説に向かう姿勢、読者に対する姿勢には好感を持ちました。

    同じくネットを介して読者と直接対話をする作家として、森博嗣がいます。
    彼と村上春樹は作品に対する姿勢は真逆のように見えますが、読者に対する距離感が実に似ていて面白いなあとも思いました。

    だからと言って、村上春樹アレルギーが治ったわけでもなさそうです。
    決して嫌いではないのです。でも好きというわけでは全然ない。
    そのくせ興味津々で。
    一体このわけのわからなさはいったいなんなのか。
    これがもう、村上春樹に取り込まれているということなのでしょうか。

    多分違う。
    だって今、我が家に未読の村上春樹の本があるけど、まだ当分は読まないと思うもの。
    いつか時が充ちて、読める日が来るとは思いますが、今はまだ。

    なんらかのコンプレックスが刺激されるんだよね、なんとなく。
    ハルキストたちの侮蔑の目がトラウマに…。
    っていうか面倒くさい。
    私の感想はセーフですか?アウトですか?って見えないハルキストに問いかけるのが。
    こんなことを書くと多くの人を敵に回してしまうんだろうけど(笑)

    でも、まあちょっと待ってて。
    村上春樹周辺を今年は攻めるから。
    いつかちゃんと読めるようになるから。

    この『少年カフカ』に何度も出てくる村上春樹の言葉。
    「想像力不足からくる非寛容」
    13年前の本なのに、今ひしひしと感じるこの感覚。
    知識を増やし、柔軟な心と深い懐でもって想像の翼を広げ、周囲のことに寛容でありたいと私も思います。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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