凍える牙 新装版

著者 :
  • 新潮社
3.73
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本棚登録 : 327
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103710097

作品紹介・あらすじ

深夜のファミリーレストランで突如、人間が炎上した。その数日後、天王洲では無残に咬み殺された男が発見される。二つの異常な事件の裏に隠されたひそかな繋がりとは?ヒロインの孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めたサスペンス小説の金字塔。直木賞受賞作、待望の新装版。

感想・レビュー・書評

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  • あらやだ直木賞でらっしゃるのね
    しかもシリーズものじゃございませんこと
    マダムメロンですわ

    『凍える牙』です
    乃南アサさんの初物は、マメムさんの推薦本でございますことよ!
    そしてマメムの語感でマダムメロンとか言い出したっぽいですよ!

    うーん、やばいね
    乃南アサさん、良いね
    そして主人公の女刑事音道貴子ええやん!
    1996年の作品ということでバリバリの男社会の捜査現場が描かれております
    そして男社会の代表選手のようなベテラン刑事と組むことになる貴子さん
    お互いに葛藤を抱えた二人の視点で進むストーリーも良い

    この二人がどうやって「仲間」になっていくか?あるいは落としどころを見つけるか?が物語の肝でもあると思うんだけど、二人の心の中を交互に見せて行くことで、男社会を守りたい男と男社会を軽蔑する女の変化が鮮明になるのよ
    そしてオオカミ犬の神秘性が物語にすごい奥行きを与えると同時に貴子の秘められた経歴を輝かせる

    うん、そりゃあ納得
    直木も納得(直木が選んだわけ違うだろ!)
    マダムメロンも納得の1作
    続けて読むかぁ〜

    またシリーズ増えてしまいましてよ!(思い出したようにマダム感)

    • ひまわりめろんさん
      なおなおさん

      Σ(゚Д゚)
      うひょー、そりゃもう読まなきゃじゃん
      でもそうですよね
      こんなコンビ作者がそうそう手放さない
      なおなおさん

      Σ(゚Д゚)
      うひょー、そりゃもう読まなきゃじゃん
      でもそうですよね
      こんなコンビ作者がそうそう手放さない
      2024/01/26
    • ひまわりめろんさん
      一Qさん

      海外のミステリーとこ含めるとマジでどえらいことになるのよ
      マメム許すまじ!(とばっちり)
      一Qさん

      海外のミステリーとこ含めるとマジでどえらいことになるのよ
      マメム許すまじ!(とばっちり)
      2024/01/26
    • マメムさん
      ひまわりめろん、お返事ありがとうございます。

      初コメナイアルカ(゚д゚)!
      ワタシ、罪アルカ(´Д`)ハァ…(悪寒)
      ひまわりめろん、お返事ありがとうございます。

      初コメナイアルカ(゚д゚)!
      ワタシ、罪アルカ(´Д`)ハァ…(悪寒)
      2024/01/26
  • 昔ながらのポケベルとかテレカとか出てきて時代を感じました。あと男尊女卑が酷い笑 でもほんと警察は男社会だからこれが当たり前だったんだろうなとは思います。
    読みやすかったけど、私的にはオオカミ犬が可哀想で…犬系のダメなんですよね…健気で…

  • いろんな「カッコいい」を発見できる本。
    若い女に素直になれない「おっさん」が一番カッコ悪かったとも言えるけど、実は一番カッコ良かった!

  • 途中で飽きてしまい、他の作品を挟んだ上で、トータル3週間ほどで読み終えました。
    最初の事件は、この先の展開を期待させるような内容だったんですが、以降は方向性が全く変わってしまい、それとともに気持ちも萎えてしまいました。

    どうにか完読してみると、少しずつ主役の2人に共感できるようになっていきましたし、終盤のバイクシーンには少し感傷的にさせられるものがあったので、案外楽しめたのかもしれません。

  • 男性社会の警察組織の中で働く女性刑事の心理を重点的に描写されている。個人的に女性刑事が主人公モノは苦手(ミステリよりも男性コンプレックス描写が中心になるから)だったが、この作品も例に漏れず、というより、それがこの作品の核心だった(爆)
    ミステリ部分は正直弱い。最初の事件が派手なだけに、途中から全く違う方向へ走り出して拍子抜け。登場人物が多い割には、大して意味のない描写も多く、あまり緻密でない構成が目立った。

  • 直木賞受賞作。女刑事音道貴子、最初の事件。昔ながらの古参刑事の滝沢と組まされた音道。
    女嫌いと男嫌い。意地と意地がぶつかり合う。
    元白バイ隊員でトカゲに組織されている優秀な白バイ隊員であった音道がバイクを疾走させていく。
    男社会のなか、生き生きとしてバイクを操る音道に対し、滝沢をはじめとして、まわりの刑事は、やっと音道を刑事の仲間として、認識していく。

  • 女性が男社会で生きにくい様子や、結婚不倫出産について酷い言葉を受けるという設定が辛い。音道刑事が黙って耐えるのが、言われるのは当たり前なんだから黙って受け入れる大人の女カッコいい?のだろうか。そんなに辛い設定でなければもっと楽しく読めたかな。

    オオカミが最高。オオカミがその後何をするかどうなるのかだけが気になって最後まで読み進められた。

  • オオカミ犬、孤高の存在の寂しがり屋である疾風に、音道は憧れ、自分を重ねて、惹きつけられたのでしょうか。
    ミステリーですが、オオカミ犬の印象がとても強いです。そして、警察内部の女性の立ち位置に、他のペット犬とは一線を画すオオカミ犬の立ち位置が重なります。
    事件の謎がとけたときの、すっきり感よりも、疎外感を感じる職場でなんとか頑張っている音道刑事の息苦しさを感じる物語でした。
    続編あるみたいですね。
    音道シリーズ、読んでみたいです。

  • 冒頭の意外性ある殺人シーンは面白く、その後も野犬らしきものに襲われて次々に死んでいくという意表をつく展開。中盤までは期待させるものでしたが、その後の事件解決までのプロセスや、謎解きとしての作品の魅力に乏しく、読後は圧倒的なオオカミ犬の存在感が際立っていた。

  • 都内のファミリーレストランで、人が燃え上がる事件が起きた。
    捜査にあたるチームとなった皇帝ペンギンのようなの容貌の滝沢と、女性白バイ隊員の音道。
    放火殺人と思われた事件は、別の事件と複雑に絡まる復讐劇だった。

    タイトルから思えば当然でしたが、始まりからはオオカミ犬が事件に関係することは想像できませんでした。
    犬を愛する飼い主なのに、復讐をその犬にさせる、とても残酷な事件だと思います。
    音道が、疾風が何故自分が追われなければならないのか、何故飼い主の笠原が迎えに来ないのかと疑問を持っているのではないかと思うに至るシーンに、胸が苦しくなりました。

    疾風の最期はとても悲しい。
    ストーリーは面白かったですが、辛い読書となりました。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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