- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103970019
感想・レビュー・書評
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○2008/06/11
読み始めは妖怪退治とかそんな感じか?と思ってたけど全然違った。面白い。屍鬼に次ぐなぁこれ。
新太郎サイドの謎解き込みの話もミステリ!って感じで良いけど、黒衣サイドの不透明な雰囲気がたまらん。
怪しいんだけど決定打がないまま結末までひとっとび。正体だけでなぞは解けなかったけど。意外性はなかったんだけど、しっとりした雰囲気に思いっきりのまれてた。
ラストというかその後の町がなるほどこういう風になるのね、と。不気味なんだけどそれだけじゃなくて、全体通して入り込んで読めた。ややこしいとこはあったものの。
"夜は光が隠れるから暗いのだろうか、それとも、闇がたちあらわれるから暗いのだろうか"
"さて、わたしはいったい何でございましょうね。わたし自身には意味のない問いでございますけれど"
"もう夜は、決して暗いだけじゃございませんよ"詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初は他の小野作品とのトーンの違いに戸惑うかも。
しかし謎解きの気持ちよさは他と変わりません。 -
2006 12/4
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いまでこそ手に入りますが、これを読むのにワタシは一月以上本屋をさまよいました…。いまでも思い出す…。あの苦難の日々。田舎の本屋なんてそんなもんです。結局手に入れるのをあきらめて、図書館で”取り寄せて”読みました。妖怪ものとあっさりいいたくないのです。舞台は明治維新頃の東京。発展と衰退が渾然とする時代。うまいなぁ、と思うのはやはり”人”の描き方。キャラにすごく惹かれるのです。
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今現在最もオススメする本です。
架空の舞台「東亰」に暗躍する殺人鬼・闇御前と火炎魔人――。それぞれの目的はいったい何なのか?公爵家鷹司との関わりは?
匂うような文体である貴族の家に降りかかる事件を描いています。
小野不由美と言えば「十二国記」で有名ですが、私はこの「東亰異聞」の方が好きですね。こちらの方が大人向け、という感じがします。 -
舞台は東亰。そう、明治維新後の架空の東京である。時代は進む。しかしいつから人は闇をも支配したつもりになったのだろうか。闇にはまだまだ魑魅魍魎が潜んでいるというのに。古き良き言葉遣いや現実的なようで超現実的なお家騒動が面白い。黒子が妖艶です。闇に溶けて去っていくところなんて、もう。
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舞台は魑魅魍魎が跋扈する『東亰』。
とにかく素敵。
授業中読んでました;; -
独特の世界が美しく、また懐かしさまで感じさせる。不確かな不安を払拭させたり、またそれさえ壊したり。大好きな作品。
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昔の日本、といった雰囲気のスタートですけれども、決して現実世界の日本の事ではないようですよ。夜が夜として存在していたころの闇の中の話ではありますが、だからといってホラーではありません。と思います。そういった人外のものの存在を信じる・信じない以前の問題で物語が怒涛に突入していくのは快感。読み応えばっちり。最後までに何度「ええ?!」と思うか数えることをお勧め。
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小野不由美ファンなら必読!!
怪奇と推理。黄昏時を彷徨い続けるような独特の世界がリアルに迫ってきた。