いま私たちが考えるべきこと

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104061075

感想・レビュー・書評

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  • 今の私には、
    ★一つ分くらいしか、この本が言いたい事を理解できていない気がする。

    2001年の橋本治さんの新聞コラムに大共感して、
    「この人の考えを知りたい!」と思って読んだ本。

    まさに今実感していた、
    「所属」や、そこから生まれる「孤独や孤立」。
    「個性」といったことに触れられていたのは自分の脳に吸収できた。

    「個性」についての考え方に共感できた。
    すごく、お友達になっていただきたいと思った。

    けれど、
    結局なにが言いたかったのか、今の私にははっきりわからないし、
    そもそも言うつもりもなかったんだと、
    してやられたりな気分である。

    自分がいる。
    他人がいる。

    独りよがりな答えをだしてもだめ。
    他人に思考してもらうことばかりしてもだめ。

    自分をもち、
    臨機応変に、他人と融合し、
    思考できる知識をもち、
    なおかつ柔軟に、
    生きていきましょう。

    みたいな。

    そんな感じだろうか。


    あたりまえじゃん!!

    って突っ込みたくなるが、
    その当たり前が難しく、だーれも出来て無いじゃんかと、
    言っているのかもしれない。

    -------------


    以下特に共感したところを抜粋

    「自分のことを考える」をもっぱらにしていると、人間は孤独になる。あるいは逆に、孤独だと、「自分のことを考える」をもっぱらするようになる。


    「個性を伸ばす教育」と言う人の多くは、「個性」というものを誤解している。「個性」とは、そもそも「哀しいもの」で、そんなにいいものではないのである。


    だから、以外かもしれないが、「個性的」としか人に言われない人間の目指すものは、「没個性」なのである。


    「個性的」と言われるしかない人間は、没個性を目指すしかない。一般的にこれを「丸くなる」と言うが、しかし、これを目指して邪魔をするのがまた、「自分の個性」なのである。「個性的でしかない自分」でい続けるのはいやだが、しかし同時に、「個性的である自分」を捨てられるのもいやなのである。人間は、そういう厄介なものだからしかたがない。


    個性を持って生きると、しんどいからである。個性を持たない方が生きやすい――そういうベルトコンベア体制が、日本の社会に出来上がっていたからである。

著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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