黄色い目の魚

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104190034

感想・レビュー・書評

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  • 「絵」という、二人の共通項をを通してつづられる、みのりと木島、16歳ふたりの物語。
    幼い頃にいなくなった父親の影を引きずって、「絵」にも、部活動のサッカーにも、いまひとつ本気になりきれない木島。
    好きなのは「絵」と、絵描きであるおじさんだけ。好きも嫌いもはっきりしすぎていて、親とも友達とも、うまくやっていけず浮いてしまうみのり。
    似顔絵が得意な木島なのに、みのりの顔だけ、上手く描くことができない・・・

    切なくて懐かしい。
    私にもこんな時代があったなぁと思い出す。
    何もかも上手くはできなかった、やたらじたばたしていた16の頃。
    もう16歳ではない大人のための物語だと思います。

  • 感想
    狭い世界を自分で満たす。居心地が良く抜け出せない。抜け出す理由がない。しかし幸福はそこにはない。高校から大学、社会へと歩みを進める。

  • 木島君は、真面目に高校生活を送って、キーパーと誰も経験できないポジションを逃げずにやってる。絵も描ける、村田さんという彼女もいる。 読み終わって木島うらやましーと思いました。 私は、テッセイに似た父さんです。

  • 感情の迸り、絵を通しての個性、自分自身もここまでじゃないけれど通じるところがある。大人になるって切ない。

    喧嘩をしないでいるためには嘘つきにならないといけないのかな。ホントの気持ちも隠して少しお芝居をして。いろんなこと考えて失敗しないように地雷を踏まないように。いっぱい気をつかって生きているのかも大人になるってそういうこと?

    もっと一緒にいたい。一緒に色んなものを見たい。一緒に色んなものにぶつかりたい。もっと知りたい。消そうと思っても消えないくらい大きな存在になりたい。お互いになりたい。消えない女になりたい。

    ここで会えたのが奇跡みたいな気がした。絶対的な運命の様な気もした。多分、俺たちはこんな風にここで出会う必要があったんだ。もう一度あらためて。

  • ⸜( ॑꒳ ॑ )⸝⋆*

  • 全部が繋がってた
    最初のはちょっと:::って思ってたけど
    最後まで読むと、納得
    これも絵の話
    よかった

  • sg

  • にとりちゃんのイメージは湧かんなぁ、、

  • この読後感の良さは久しぶり。青春っぽい、恋愛小説っぽいこってり甘ったるさがなく、心にすこーし染み入るのが良かったです。
    設定としては少女漫画にもできそうだけど、この雰囲気は小説ならではだと思います。

  • 青春小説は嫌いだ。正確には青春小説に出てくる「登場人物」が嫌いだ。
    彼らは自分勝手で思い上がっていて中途半端で性に飢えている。
    恥ずかしい過去の自分と重なってしまう。だから嫌い。

    タイトルに惹かれて手にとった本作。
    読みはじめて気づいた。青春じゃないか。
    読むのをやめようかどうしようか、そう迷っているうちに、迷っていることも忘れ読み終えてしまった。
    あろうことか余韻に浸りながら。
     
    確かに青春濃度はかなり高く、そういった意味では間違いなく青春小説なのだが、登場する人物は決して「登場人物」ではなく、木島悟と村田みのりという二人の人間なのだ。
    彼らは真っ暗な道をか細い懐中電灯(よく電池切れになる)の光を頼りに進むしかないあの不安と闘いつつ、時に逃げ時に真正面からぶつかっていく。
    陳腐な表現ばかりになってしまうが、懸命に生きている。
    何かある度すぐ死んだほうがマシというくせに、ちゃんと生きている。
    ともすれば自分なんかよりもずっと。

    なんだよ、青春小説はうんたらかんたら言って、汚い自分から逃げていたのはぼくのほうじゃないか。
    このままではぼくは死んだ魚の目になってしまう。
    願わくば黄色くありたい。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイムで」月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『黄色い目の魚』日本代表リレーチームを描くノンフィクション『夏から夏へ』などがある。http://www009.upp.sonet.ne.jp/umigarasuto/

「2009年 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤多佳子の作品

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