顔のない裸体たち

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104260058

感想・レビュー・書評

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  • 異性とまともに付き合わないまま歳だけとってしまった独身の男女が出会い系サイトで知り合い、性的な意味だけで繋がりを深めていき、しかし、二人の温度差からやがて事件が起きる。
    …というあらすじに興味を覚えて読んだのだけれど、小説の出来がどうとか、出会い系サイトがどうとか、ネットでの匿名性がどうだとか言う以前に、あたしは、この主人公達みたいな、想像力のない薄っぺらな人がとにかく嫌いだ。

  • 男と女の、解剖めいた心理描写の綾は「ほほぉ」て感じ。

    んが、何か壮大な話の一要素であればもっと面白いと感じるかもしれないけれど、これだけだとどうにもこうにも物足りないというのが正直なところ。
    この作者さんだからよけいにそう思うのであろうけど。

    ネット社会の罠……?
    私には、作者はそういうことを意図して書いたようには思えなかったけども。
    ネットはファクターの一つに過ぎなくて、それらに映し出されて浮かび上がってきた心のアレコレを描写したかったのかな、と思いましたが。

    琵琶湖って、そんな写真が撮れるようなところなのかー!

  • この著者の文章は不思議である。確かに表現としては難解である、が、ギリギリのラインで内容がわかる。一たび内容がわかると難解な文章が、著者の感性や考えを実に的確に表現している事に気づく。きっと人の想像や感性を文章に表すと、必然的にとても難解なものになるのかもしれないしそれが文学の使命でもある。平野啓一郎は文学というものにかなり近い人物かもしれない。ところで内容は、どこかであったような、どこにでもあるような男と女の痴情のもつれ。ややアブノーマルか。逆算的に事件の起こるあらましを女の側から描く。ひたすらローな空気が文章中に漂う、そのなかで性にたいする一種独特な視点が面白かった。

  • じっさいに読んだのは新潮文庫版。この人の作品は短編の方が好きかもしれない。しかしうまい。

  • 記号と意味。精神と肉体。
    使い古された言説。
    新鮮さも衝撃もないまま、読み終えてしまった。
    うーむ。

    平野氏が何を思ってこの作品を書いたのか、気になる。

  • 第三者の目を通して冷静に描く主人公二人の描写がリアリティーに溢れ、本当に現実の事件として起こっているのではないかと思うほど。

    平凡な中学校教師<吉田希美子>は、とあるきっかけで出会い系サイトを介し、一人の男性<方原盈>と出会う。<ミッキー>というニックネームを名乗っている間は、現実の地味な<吉田希美子>とは切り離され、大胆に振舞えた。

    インターネット上、特に自分を知るものがいないとき、人は奔放に自分を表現できる。現実社会での「自分」、例えばSNSの中での「自分」。もちろん両者とも「自分」である。
    「本当の自分」とは一体何なのか、少し立ち止まって考えてみるいいきっかけになる一作だと思う。


    文体は、取り扱うテーマに合わせてか平易で読みやすく、しかしその表現は逐一的確なもので読ませる作品になっている。
    平野氏にとっては軽い挑戦だったのではないだろうか。
    何かとエロスの部分だけが取り沙汰されているようだが、平野氏の描くエロスはこのように陳腐なものではないと期待して★★★★☆

  • 思ったよりは読みやすかったかな。
    いやらしい感じはあまりしませんでした。

  • 出会い系サイトで知り合った男女のお話。
    こういう人たちってほんとにいるんだろうなぁ・・・
    こういうのが趣味の人たちって・・・
    なんかそういう世界を垣間見てしまってドキドキした。

    平野啓一郎の作品にしては読みやすかった。

  • 出会い系

  • エロくて
    怖い

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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