- Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104363032
作品紹介・あらすじ
あたらしい生のほうへ-ひとつの命の誕生という奇跡をのせて、天体は回転しつづける。焼きまつたけとはもしゃぶ。西マリアナ海嶺のうなぎの稚魚。裏のお地蔵さん。石のうさぎ。園子と慎二。みんなのせて。赤ん坊の誕生という人生最大の一日。
感想・レビュー・書評
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一息に読了しました。
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ノンフィクションの中に白昼夢を混ぜこんだようないしいしんじ節炸裂の本。
とても大好きな文章だけれど時々跳躍しすぎて、すこしついていけないところもあった。
ただ読後感は最高で、じんわりあたたかい気持ちでうっすら涙ぐむ感じ。
生まれてきた赤ちゃんが、将来こんなすてきな自分に関する記録を読めることがとてもうらやましい。 -
ある夫婦のある一日を書き綴ったお話。新しい生命をこの世に送り出す、ある一日。
現在と思い出や感覚の間をふわふわと行ったり来たりする文章を読むのは、正直手こずった…
こういうのが好きな人もいるんだろうけど、私は苦手だった…。
途中で読むのやめちゃおと思ったけど、それでも最後まで読んで良かった。
後半の出産シーンは、読んでるだけで、身がよじれるほど痛くて、(実際は比べ物にならないほど痛いのだろう)出産を経験していない人にはオススメしません。うっかり読んでしまい、後悔(笑)
でも、電車の中でなかったら言いようのない感動で涙が出ていたんじゃないかと思います。
出産を経験した方は、また違った印象を受けるんだろうな。
感想が聞いてみたい。 -
ある夫婦がこどもをうむ話。
シンプルでありながらすごく中身のつまったかんじ。高齢出産なのにとことん自然分娩にこだわる母の強さ。んー痛そう。自分には真似できん。
いしいしんじは、なんだかふわふわと寓話的な話が多いイメージ。
京都の御池通りやら錦市場やらが舞台で素敵。
鱧の湯引きと松茸食べたくなったよ。 -
タイトルの通り、出産予定日からその次の日にかけての夫婦とお腹の中の「いきもの」の三つの視点、そして神の視点とでもいうのか、引いた視点で描かれるちょっと不可思議な日常。
賽の河原で泣きながら石を積む幼子をあやす地蔵さん、石のなかのカエル、世界をかけるハモの生命、輝くような松茸の香りの花が咲く。
今までのいしいさんの文章とは違う気がして、なかなか読み進められなかったのだけれど、読む時間さえ確保出来ていたら一日で読んでしまいたかった。命が産み落とされる瞬間、悲しみの大きさ、世界と自分、自分と自分以外も生まれる。ラストの奥さんが暗誦できるほど気持ちを込めたバースプランに凪いだ海の浜に立つ気持ちになった。 -
読後に高山なおみさん&いしいしんじさんのトークイベントに参加。
出産には立ち会ったことがないが、新生児の放つ特別な光が
死に行く人のまとう光と同じなのでは・・・というお話について
自分でも常々思っていたことなので納得だった。
いしいさんの作品は俯瞰ではなく、その場に自分も立っている気分になる。
その理由もわかった気がした。 -
不思議な空気感だ…。
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新聞の人生相談に、いしいしんじさんがされた回答がとても良いと話題になっていて、久しぶりにいしいさんの本を読もうと思い立って図書館で借りました。
前情報なしで表紙で選んで読み始め、海の生き物やキノコの話をのんびり読んで、ああ、こういう一日もあるよねえ、なんて思ってたら中盤すごいボリュームで陣痛の描写。多分読んでるとき、顔が引き攣ってたと思います。
私は出産で麻酔を希望した経験があるので、何故ここまで苦しむことを望むのか正直理解できなかったけど、最後のバースプランで腑に落ちました。
もしもう一度出産することがあるなら、私はまた麻酔を使ってもらうと思いますが。 -
あれほどリアルに出産シーン?
手にする度に
ちょっとづつ違うと思ってしまう