ころころろ しゃばけシリーズ 8

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507108

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズ、頭が疲れているときは気分転換にちょうどいい。

  • 「しゃばけ」シリーズの第8弾の本作。


    若旦那の目が見えなくなった!!!!
    という大事件を
    いろんな角度から切り取った短編集となっている。


    若旦那の為に奮闘する兄やの仁吉と佐助は、当たり前だが、
    当の若旦那が居ない所で、厄介事に巻き込まれ、
    奮闘している仁吉と佐助の姿は新しく、
    彼らの新たな一面が見られるw

    それにしても、相変わらず鳴家たちはかわいい。
    お菓子大好き鳴家たちは、今回も食い意地貼りつつ頑張っている。

  • まずタイトルが好き。
    わかだんなのように素直に優しくというのは生まれ持った性質でしょうか?

  • しゃばけシリーズの、ええっと8冊目?もう8冊というべきか、まだ8冊というべきか。本当に人気シリーズになりましたよねー。

    ・まだ若旦那が12の頃のこと。日限の親分が連れてきたお沙衣は、母親の目を治すために7つの宝玉を集めるのだと言う。最近越してきた目医者が生目社を再建するために必要だと話しているらしいのだが…――『はじめての』
    ・若旦那の眼が突然見えなくなった!元に戻すために兄やも父も奔走したいところだが、間の悪いことに店では大問題が起きていたのだ。それは、伊勢のある藩のお武家様から贈答の荷(干物)を長崎屋の船で運んで欲しいと頼まれたことから始まった――『ほねぬすびと』
    ・若旦那の目を治すために必要な玉。それを持っている河童を探す仁吉だったが「河童をかじって悪鬼になる」という小ざさという人形憑物の女の子と同行することに。しかし面倒事も同行者も何故だかどんどん増えてきて…――『ころころろ』
    ・小間物屋・多喜屋の帳場机に毎日「けじあり」と書かれた紙が置かれる。はて?と不可思議に思う佐助だったが、妻・おたきが鬼を見、しかも退治するのだと言って聞かない。なにかが、おかしい…?しかし何が?――『けじあり』
    ・若旦那の眼が治らないのに業を煮やし、兄やらはとうとう生目神を捕まえた。目を返してくれるように頼むと神は問答をすると言い出す。物語のつづきを見事言い当てたら、という条件に妖らは張り切りだした。――『物語のつづき』

    計5作の短編集です。

    今回は「若旦那の眼の光」に関わる事件が主題。でも1話目から目が見えなくなるわけじゃない…あたりの構成が憎いなぁ。あれが無ければ最終話に重みが消えてしまっていたと思うのですよ。
    仁吉と佐助の奔走記も大層面白かった(特に仁吉。普段困らないタイプなので非常に面白い。離れの妖たちも同じ気持ちだったのだろう/笑)のですが、最終話「話のつづき」がなんとも…人でない者たちの視線から見ると、そうなるか!確かに理不尽極まりないよね鬼退治…。それを考えると一寸法師あたりの解釈も見てみたい気がします。ああ、でも真似しそうだなぁ鳴家たち(笑) 針の剣にお椀のお船…かわいい…

  • 若だんなの目が見えなくなって、仁吉と佐助がそれぞれ頑張る話。
    妖怪多め。でもやっぱり最後は若だんなの推理が冴え渡ります。

  • 読む順番を間違えた(ゆんでめてを先に読んじゃった)とはいえ、

    また夢オチかよ。

    と思わずにはいられない一冊。

    いや、佐助がまさかの同棲してる話がね…。

  • ≪内容覚書≫
    はじめての
    十二歳の一太郎は、熱を出して寝込み中。
    親分が一五歳になる紗衣という娘を連れてくる。
    紗衣の母おたつは、古田昌玄という目医者に
    品陀和気命(ほむだわけのみこと)の社を建てれば、
    目が治ると言われ、高価な七宝の鎮壇具を手に入れるため、
    七宝を結納の品に加えた者を、紗衣の亭主にすると言いだした。
    若だんなは事件を解決できるのか。

    ほねぬすびと
    聞き慣れない音で目が覚めた若だんなは、
    目が見えなくなっていた。
    長崎屋は大騒ぎ。若だんなが全てである仁吉と佐助。
    目を治す方法を探しに行こうとする彼らを説得し、
    仕事へと向かわせる。
    その頃長崎屋は、国元から江戸まである品物を
    船で運ぶ依頼を受けていた。しかし、品物が消えてしまい…?

    ころころろ
    仁吉は、若だんなの大切な物を持つ河童を探す途中、
    小ざさという少女と出会う。
    小ざさは、長生きして母親を見つけるため、
    河童を食べて悪鬼になるという。
    仁吉も初耳のその話をしたのは、河童本人だという。
    仁吉は河童の居場所を知る小ざさを連れて行く事となるが、
    成り行きから人間の子供万太、
    妖のろくろっ首と唐傘まで加わり…。
    苦労する仁吉のお話。

    けじあり
    おたきと夫婦二人で、多喜屋という小間物を扱う
    小さな店を営む佐助は、ある朝、”けじあり”と
    書かれた紙を見つける。
    それから毎日、朝起きると”けじあり”と書かれた紙が
    見つかるようになり、やがて佐助が知らない間に
    店は大きくなっていき…?


    物語のつづき
    仁吉と佐助によって、広徳寺に置かれた神用捕り罠に
    神様が捕まった。それこそ、若だんなの目から
    光を奪った生目神であった。
    生目神は、自分の問いに答えられたら目を返すと約束する。
    人間が嫌いな様子の生目神が気になった若だんなは、
    その訳を知る好機だと考える。
    果たして若だんなは、光を取り戻せるのか。

    ≪感想≫
    一話一話独立しているが、
    若だんなは目が見えなくなる事件が根底にある連作。

    『はじめての』は、現代でもありそうな詐欺のような
    宗教のような目医者の登場にヒヤヒヤした。
    人間、身体が弱ると心も弱るよね、健康一番と思いつつ、
    身体が弱くとも心は強くあろうとする一太郎さんの
    強さを感じた。
    珍しく若だんなが女性にひかれる描写があった。

    『ほねぬすびと』で、若だんなの目が見えなくなる。
    解決するのか…?と思ったら、連作だった。
    しゃばけシリーズは、短編だと思って読んでいると、
    たまにこういう仕掛けがあって、不安にさせられる。
    消えた品物は、まぁ、そういう結末だろうな、と言う感じ。
    それぞれのお話は、どっきりしないんだけれど、
    予定調和を崩されるせいか目が離せない
    不思議なシリーズだな、と、改めて思った。

    『ころころろ』は、仁吉さんがひたすら苦労していて笑った。
    有能な人が困惑している様、っていうのは、なぜか楽しい。
    ふりまわされる仁吉さんもすてきでした。

    『けじあり』では、佐助が主役。なんと奥さん…!?
    全国の佐助ファンの独身女性が泣いたに違いない。
    でも、途中から様子がおかしくなって、最後には一安心。
    これも『ほねぬすびと』と同じで、
    結末はこうなるだろうな、と思っていても、
    なぜだか不安をかきたてられた一作。

    『物語のつづき』。
    ようやく若だんなの目から光を奪った神様登場。
    ……この神様、いろんな点でマヌケさん…??
    若だんなの狙った理由がイマイチわからないままだったが、
    神様も寂しい生き物?だな、と思った。
    いずれ先に死んでしまうであろう若だんなと
    妖たちとの関係を思って、ちょっと切なくなった。

  • 若旦那と生目神様の話。
    しゃばけシリーズ8作目。
    今回も楽しく読めました。なかでも仁吉と佐助、それぞれの話が好きかも。最後の生目神様の問答は少し切ない。

  • 若だんなの目が・・・

  • 生目の神さま

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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