天国旅行

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 433
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541065

感想・レビュー・書評

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  • 巻末に『心中』をテーマにした短編集とありなるほど言われてみればその通りと思いあたった
    読み進める中でテーマは『死ぬこと』だと感じていたので同時に少しびっくりした
    確かに『心中』について書かれているのだがそれでは題名の『天国旅行』にそぐわない気がしたのだ
    『心中』はマイナスのイメージだが『天国』も『旅行』もプラスのイメージが自分にあるからだと思う
    『心中』することが『天国』に続くと考えた人々の物語ということだろうか?
    よくわからん
    考えてということかもしれん
    よくわからん
    よくわからん物語は苦手だ

  • 実は10年くらい前に文庫本で読んでた。
    読み始めてから気づいたけど。

    いろんな人の死や生の考え方が
    流れ込んでくる感じ。
    共感できるところと
    そういう感じ方をして生きる人もいるのかと。

    けど、夫と不仲で別れるのが面倒だから
    一緒にいるだけという感じな今、
    愛とか恋とかそういうものと
    無縁に生きている今、
    どちらかというと共感は難しかったかも。

  • いろいろな形の「心中」がある。

    樹海で自殺しようとする中年男、駆け落ち同然で連れ添った夫婦、老女の初盆に現れた不思議な客、前世の記憶と現世が曖昧な女、いつの間にか幽霊になっていた彼女、一家心中の生き残り。

    「遺言」と「星くずドライブ」が好きでした。
    死に瀕したとき、人は取り繕わない素の自分に戻るというけれど、やっぱりその瞬間は怖いのかな。

  • 1.この本を選んだ理由

    基本、短編集は読まないですが、たまたま三浦しをんさんの作品で読んでないものが図書館にあったので手にしました。


    2.あらすじ 

    心中をテーマとした短編集。
    ①森の奥
    ②遺言
    ③初盆の客
    ④君は夜
    ⑤炎
    ⑥星くずドライブ
    ⑦SINK

    それぞれ、作風が違っていて、全く別物に感じました。


    3.心に残ったこと

    やはり、テーマが心中というだけで、心が暗くなります。


    4.感想

    面白いということはないけど、
    人生観を深めるきっかけになる本だと思います。


    5.登場人物

    ①森の奥
    富山明男
    青木


    ②遺言
    私と君

    ③初盆の客
    及川駒子
    及川ウメ
    及川辰造
    及川寅一

    石塚夏生 なつき

    ④君は夜
    理紗
    小兵
    根岸

    ⑤炎
    亜利沙
    立木
    楢崎初音


    ⑥星くずドライブ
    香那
    佐々木英ちゃん
    下條


    ⑦SINK
    日高悦也
    悠助
    田代恵美

  • 表紙がえらいおどろおどろしいとおもったら、「心中」を共通テーマにした短編集だった。。。

  • 「新しい物語を紡いでもいいのかもしれない。これからも生きのびるために。記憶を消すことができないのなら、せめて都合良く改竄してみるのもいいかもしれない。」
    生きのびるために。

  • たまたま図書館で手に取った本なのだけど、
    なんともまあ、故人をお迎えするこの時期に
    ふさわしい本でした。
    この前に読んだ本が『ツナグ』でしたので、
    なにか不思議な巡り合わせを感じます。

    死は誰にでもいつか等しく訪れ、
    これは抗いようのない事実なのですが、
    「ああ、おもしろかった!」と
    自分も家族にも思ってもらえるような
    終わり方がいいな、とふと思いました。
    そういう気持ちにさせてくれた
    『遺書』が一番心にせまってきました。

    『初盆の客』『星くずドライブ』は
    『世にも奇妙な物語』でドラマ化できそう。
    どちらもこの時期に読むのにぴったりなお話。

  • 本のタイトルが独立していて、所謂「表題作」を冠した作品は無いのだね。
    ちょっと珍しい。
    テーマがテーマだから、暗い話が多い…暗いというか重い?湿気が高い?
    うまく言えないけど、それでも生きている。

  •  心中をテーマにした短編集だそう。
     人はどんな理由で死にたくなるのか、と興味をもった。
     心中という感じのするものがあまりなかった、のは、私がわからなかっただけだろうか。
     
     もっと重いものを想像していたけれど、その心の準備のおかげか
    そうでもなかった。

  • 心中をテーマにした短編集。にも関わらず、絶望的じゃない。始めの話で出てくる自殺をしようとするおじさんの心理描写がすっごくリアルに感じた。「遺言」は思わず泣いたわ…。

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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