- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104667024
感想・レビュー・書評
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様々な経緯で無人島に流れ着いた男31人と女1人の話。
まるでマンガのような奇想天外な話で楽しめたんだけれど、
なにか書きぶりが中途半端と言うか、どっちつかずの様な
感じ。
マンガ的にもっとコミカル路線で描くか、文体は敢えて思いっ
きり固めにして奇天烈なストーリーとの落差を表現するか、
のいずれかに徹した方が、より面白いんではないかなぁと
思いつつ読了。
単行本新刊で買わずに文庫になったら買おうと思っていたけど、
ブックオフで見つけてゲット。割引券も使ったから、新刊定価の
約1/3にて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
無人島に、中年夫婦、若者、中国人の密航者、そして・・・
次々に流れ着く人々が、自分の所持物や、思想によって、相手との生活態度を変えていく。
なかでもたった一人の女「清子」の存在は、人間の欲望を翻弄していくが、その先にはもっと違う展開も待ち受けている。
話はあまりリアリティを感じない作品でしたが、最後どうなっていくんだろうと期待した分、あっけない終わり方だったので、少々期待はずれでした。 -
32人が流れ着いた無人島。島をトウキョウと見立てて独自のコミュニティを創出。唯一人の女性である清子を巡りむき出しの欲望、悪意、弱さが表面化する桐野節で一気読み。読了後、この物語が第二次世界大戦中の実話「アナタハンの女王事件」をモチーフにしていると知って驚愕。
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無人島に漂流した32人。
31人の男性の中に、女性は1人だけ。
そんな閉鎖的な環境では生きていく人達は人間の善意などより、
表面上はある程度の人間関係を保ちながらも
自分の性欲や欲望、利権を第一に生きていく。
そういう人間の黒い部分を書いたら、
やっぱり、うまいな~と思った。
今回は桐野さんにしては文量が少ない気がした。
本は分厚くなっても、もっと衝撃を受けるような悪意等を描いて 、いい意味で嫌な気分でもうちょっと読みたかった。 -
『柔らかな頬』が好きじゃなかったから、さして期待もしてなかったけど、気持ち悪い!谷崎潤一郎賞ってのは、こんな作品に与えられるんか!
この人が書く女(っても2作しか読んでないが)ってのは、身勝手で全く感情移入できん。
極限に追い込まれた人間の醜さ=リアルを描いているんだろうけど、面白くもなんともない。 -
いわゆる漂流、無人島ものじゃなくて
人間の集団生活とか、ネーミングの力とかに
主題があった気がして、そんな実験を
端から見ている気もして、
なんとなく冷ややかにオモシロかった。
イジワルの応酬ってカンジ。
生きるってカンジ。
わかったフリを止むなくしてるカンジ。
仕方なく集団ってカンジ。
集団よりも独りでいれるなら
その方が強いかもね、
当然のようだけど、読んでさらにそう思える。 -
4章の途中から別の女性遭難出稼ぎグループの出現は面白かった そこで歌われる曲が何とも言えなくツボにはまった
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いや、駄目。性の虜になった中年女の汚なさ。
ページを読み進めても面白くならず、途中で止めた -
ひょんなことからとある無人島に流れ着いた男女達。待てど暮らせど救助が来ないなか、ただ一人の女性である清子を中心にサバイバル生活が続く。極限状態の中で徐々に増えたり減ったりしていく島民達の体と心はどのように変化していくのか。谷崎潤一郎賞受賞作。最初のほうはなかなか面白かったのだが、徐々に退屈に・・・。結末も決して納得できるものではなく、不満が残る作品でした。
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どろどろしていた。描写が生々しくて、気持ち悪いところもかなりあり、休み休み何とか読み切った。