- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104669035
感想・レビュー・書評
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額子とヒデと、最悪の別れからそれぞれに波乱万丈な人生を送ってきたわけだけれど、アルコール、左腕、ラーメン屋、愛、一度失って、少しずつ取り戻すよう手を伸ばしていく、喪失と再生の物語でしょうか
まだ傷の多い2人ですが、希望のあるラストに救われました
「ばかもの」というタイトルは、叱責する言葉じゃなくて、愛のある睦言のように感じました -
読書開始日:2022年2月19日
読書終了日:2022年2月20日
所感
大好きな作品になった。
作中のラウンドアバウトが、しっかりハマっていた。
ヒデのアル中へのきっかけのない変遷も、アル中を断つ踏ん切りがいつになってもつかないのも、気づけばどんどん堕ちていくのも、全てがリアルだった。
一度ハマったアル中から逃れられず、慎ましやかに生きることのみを目標に過ごしていたヒデは、額子と会う機会を得る。
迂回した2人は、ぎこちないながらも分かち合うものがあった。
そしてヒデが額子のいる片品に通うようになってからは、あたたかい時間が続いた。
依存症に対して、ただただ甘えさせることは正義ではない。依存症には、翔子のような優しさと、額子のような強さが両方必要だった。
個人的には、ヒデがどんどん他者に尊敬の念を寄せていくところが、アル中からの少しずつの離脱を表していてとても良かった。
ジューリンってどんな字だっけ
やんごとなき
くすくす笑いがネズミ花火のように身体中を駆け巡る
俺はクズだ。だけどそれを誰にも言ってほしくない
ネユキのメールを、差し出された一枚の清潔なハンカチのようだと思った
こんな形で「明日」がきたのだ。また濁る
切断部までしか神経はないのに、見えなくて触ることもできない、存在しない先端が痛むのだ
なんでこんな陳腐な言葉で考えてるんだ?ただ単に興味
おめー、ほんと強えな⇨甘えたい男が本当に欲しかった愛情
痛快ってこういうことなのか、とヒデは思う
片腕でなんでもこなす額子の強さが、俺の依存症を撃退する
俺は迂回するだろう、俺は君を忘れないだろう
片品に通うようになってからの怒涛
ラウンドアバウト
とてもかなわないという素直な尊敬の念が、依存症の克服を表す
因業
それだけ愛してて、尊敬してるってことだよ。尊敬できる相手と一緒にいられるのって、滅多にないよ -
129:これを書くのは苦しかったんじゃないだろうかと勝手に想像。登場人物たちの苦しみや葛藤を描写するのは本当にしんどいことだと思うのです。アラサーだとかアラフォーだとか、そんなくくりを軽々と飛び越える柔軟なヒデと額子が幸せであってほしい。
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そこかしこに グンマー。
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『ばかもの』
口は悪いし、酷いし、女としてどーなの、タイプなのに
結局救われたね
いや、主人公のアル中な描写は結構きつかったけれど、目を覚まして
おばやんの元に行って改心出来たのは良かった
『ばかもの』
って無駄に言ってやりたくなった、この本読んだら
でも木に縛り付けるとかちょっと普通じゃないと思うwどうかしてるw -
2014.8.20
(174P) -
お互い好き同士だと思っていてもそうじゃないことがある。
すれ違いと言うより転落して終わっていくのも、ありがちな感動で終わらせない生々しさも良かった。