君が夏を走らせる

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104686032

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすくて すいすい読んでしまった。
    読みながら甥っ子との夏休みを、思い出してしまった。

    あと少し、もう少しのヤンキー大田くんが今を精一杯生きている
    ぶきっちょで、言葉足らずで、優しい大田くんがどんどん鈴香ちゃんにはまっていくことが素直に感動した。

    子供って3歳までの記憶ってほとんど忘れてしまうって
    でも かわいくて、笑顔がたまらなくて、ぎゅっと握る小さな手とか 柔らかい温もりとか、こんなにも動かしてくれる子供ってすごいな
    自然と人を笑顔にさせて
    色んなこと吸収していく
    大人の一ヶ月と全く違うのかもしれないけども

    一瞬を忘れないために 今の毎日が幸せであるようにしたい
    大切な人を大切にしたい

  • 高校受験に失敗し、目標を見つけられないまま高校生活を送っていた大田。
    夏休みに先輩に頼まれやることになったアルバイトは、2歳前の女の子のお世話だった。

    続編と知らず手に取りました。
    折々に出てくる前作品のシーンに、その作品は絶対読まなければと思わされます。

    不良だけど、実は心の暖かな大田。
    中学時代に駅伝を走り、一旦は真っ当になったのに、受験の失敗でまた道を踏み外しかけていたなんて。
    この年頃の子には、環境はやっぱり大事ですね。

    でもこの夏の経験で、きっと彼はまた新たな目標を見つけていけるでしょう。
    私も鈴香と一緒に「ばんばってー」と大田を応援していきたいと思います。

  • やんちゃな16歳の男の子が、1歳10ヶ月の女の子の子守りをすることになったお話。
    平坦に物語は進むけれど、子育て中の私にはとっても読みやすかった。なにより2人の成長が眩しく、心温まるストーリーだった。
    大田くんが鈴香に作る離乳食?幼児食?レベルが高い(笑)私も食べてみたい。
    大田くんはヤンチャだが母から愛情を持って育てられているし、中学校の時の駅伝での経験から、これからの未来も明るく感じられて読後感が良かった。

  • 瀬尾まいこさんの本は本当に気持ちが暖かくなります。16歳の今も未来も不安な太田君が1ヶ月、1歳になる女の子を試行錯誤しながらもお世話する話です。ラストの余韻が良かったです。

  • なかなかおもしろかった(^^)


    どうやら続編だったみたいだが
    前作を読んでなくても
    問題なく楽しめた


    自分も育児真っ最中だからか
    楽しめる要因が
    人より多いのかもしれないが
    子どもと関わったことのない高校生が
    子どもと過ごすことで
    感じることが面白く、
    成長していく様が清々しかった


    自分にも当てはまり、
    明日も頑張ろうと思える作品。


    ラストはなんだか切ない。
    現実はこういうものかもしれないが…

    もっと二人のことを見ていたいと思ってしまった

  • 突然二歳の赤ちゃんを預かることになった高校生のお話。かわいすぎる。。。

  • 目標もゴールを見失った不良少年が先輩の子供の面倒を見ることになったお話。いつ子供を危険に晒すのかな、とハラハラしてみていたはずなのに、鈴香の為にあれやこれやと楽しい事を試行錯誤する姿は母親として見習わないと、と思うくらい。きっと元々は正しい道を歩みたかったんだよね。今はその道に迷ってしまっただけで。鈴香のとの日々は何もかもがシンプルで真っ直ぐで、どんな想いも100%の全力。そんな日々で心をリセットして、大田君の新しい世界にまっさらな気持ちで飛び込んでほしいと思った。
    期限のある時間だからこそ、大事で愛おしい。大田君は1ヶ月だったけど、子育てだっていつかゴールが来てしまう。くるくると表情が変わり、昨日とは全然違う息子の成長を噛み締めていきたい、子育てのゴールまで。

    「今も同じ。まさか鈴香が大きくなるまでそばにいられるわけがない。そんなことはわかっている。けれど、もう少し鈴香が広げていくその世界をそばで見ていたい。あと少し鈴香と一緒に胸を躍らせていたい。その思いはどうしたって消えそうもない。だけど、「あと少し、もう少し」どこか苦しい願いを持てるのは、きっと幸せなことだ。」(p274 )

  • 良かった。
    微笑まし過ぎて、可愛すぎて、何回か声を出して笑ってしまった。

    『あと少し、もう少し』を読んで、その続きってことで更に期待して読んだけど、まったく裏切られずに読めた。

    1歳10か月の女の子が、こんなに簡単に16歳の金髪少年と仲良くなれたのが現実的じゃないのかも知れないけど、いや、この大田くんなら意外にやってのけるんじゃないかと思った。

    ぜひ、これからも鈴香たちと楽しく過ごして欲しいな。

    これからの大田くんの生活が充実した日々になることを願います*ˊᵕˋ*

  • めちゃめちゃ良かった。読めて良かった。
    あと少し、もう少しは婚約前、この本は産後に読めたというタイミングの良さもあると思う。つくづく、本は縁。
    鈴香ちゃんの可愛らしさはもちろん大田くん、それから先輩夫婦に先生、ママ友、お母さん…登場人物皆が優しくて、読んでいてずっと幸福感があった。
    もともとは「夏がぼくを走らせる」というタイトルで連載されていたらしいけど、「君が夏を走らせる」の方がグッとくる。素晴らしい。
    途中、何か事件や事故があったらどうしようとヒヤヒヤしていたけれど最後まで優しくて、瀬尾まいこさんへの安心感∞。
    ラストも良かった。子育てがしんどくなったとき、この本を思い出したい。
    2019.06.05

  • 我が子が二歳の頃、どうだったかな?
    とにかく毎日大変で、一日一日をとにかくこなしてた。
    はっきり喋れないのに、何を言っているのか、なぜかわかってた。
    全身でこっちに頼り切ってくれてたあの頃にはもう戻れない。
    読みながら、懐かしさに泣いてた。

著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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