君が夏を走らせる

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 268
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104686032

感想・レビュー・書評

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  • 失敗が大事ってよく言うけど、判断を間違っちゃいけないときもある。
    うまくいこうがいくまいが、倒れようとも前に進むしか選択肢はない。
    「こっちにおいで」そんなふうに言ってもらえることは、どれだけ幸せなことだろう。
    あなたが走るのは、今まで通ってきた場所じゃなくて、これから先にあるってこと。わざわざ振り返らなくたって、たくさんのフィールドがまっている。

  • 君は1歳11ヶ月の女の子。何に対してもやる気の出ない高校生が目覚めさせてくれたもの。それは喜怒哀楽を素直に出す偽りのない純心さ。さあ、新たな一歩を踏み出そう。2023.9.17

  • 勉強が出来なくても、ヤンキーっぽくても、太田の良さが存分に伝わってきた。子育てはやはり大変だけど、それを上回る素晴らしさもある。鈴香と太田の微笑ましい成長記録ですね。

  • 1歳11ヶ月の子どもにとって1ヶ月というのはとても密で、十分成長できる期間というが、大田くんもこの先の人生観が変わるほど成長していた。本当に心の優しい少年だと思う。大田くんの想いに鈴香がうれしそうに応えて 、鈴香なりの表現が増えていくのも微笑ましかった。鈴香と過ごす最後の日の場面は読んでいる方が胸を締めつけられ涙したが、大田くんは自分と鈴香それぞれの未来を見据え、前を向いており、真の愛情と強さを感じた。優しさに満ち溢れた作品でとてもよかった。

  • 安心して読見進めれた。
    こんな好青年ほんとにいるといいな。。
    わたしも子育て中だけど、大田みたいには子供と接していなかったなぁ…
    できることできないことは人それぞれだから正解なんてないとは思うのだけど。
    本を読みながら何度も我が子を愛でてました。
    その時間がとても幸せだったな。

  • あと少しもう少し、の大田くんのひと夏の奮闘話。
    見た目は金髪の不良なのに、ものすごく純粋な心の持ち主で応援したくなりました。
    最後はちょっぴりウルっと、だけどお涙頂戴にはならず瀬尾さんらしいサッパリした終わり方で、却って印象に残りました。

  • 瀬尾まいこさんらしいやわらかい描写に疾走感のある物語。
    体温の高い子どもは物語の中でさえも温度が高いなぁ。
    そこがぽっと明るくなるような希望のようなそういう生命力がある。

    物語はグレれた(?)中学生時代に陸上の楽しさに目覚め、だけど受験に失敗して底辺高校(本人がそう言う)に入学した男子高校生が主人公。
    夏休みの半分くらいをヤンキー時代の先輩に頼まれて先輩の子どもの子守のバイトをすることになる。
    俺に?なんで??無理っすよ!!と断ろうとするのに、先輩はお前しかいないんだよ、お前なら大丈夫って思うんだよ!と。

    恐る恐る受けたバイトを通して彼は内省する。
    みんな「次」に進んでいるのに俺はずっと「ここ」にいる。

    お話自体は目新しいことのないストーリーですが、光がたくさんある「ここ」から「次」に行く気にさせてくれる光のある本です。

  • 子育ての一ヶ月が一冊の本になるくらいってのがビックリ。これ位大変だって事が伝わる本でした。
    ただ、先輩の奥さんの親に手紙を出すのはどうかな。そこだけ、惜しかった

  • 高校生と子供  
    あまり接点の少ないポジションが違和感なく面白かったです。

    大人も自分の状況や未来に不安も期待もあるはずだけど、確かに高校生くらいの時は振れ幅も、見えない壁も高く大きな物だったと思い出しました。

    過去に居場所を求めても先に進めないのですが、そこに有る安住感にも、引きずられる事が寂しさかな。
    進む道の光が過去の自分だけでは無いから面白いのかもしれないですね。

  • ヤンキーの太田くんが、ひょんなことからまだ2歳にも満たない鈴香の面倒を見るバイトをすることになる。
    初めは泣くばかりの子をどうしたらいいのか分からなかった太田が、鈴香のためにとあれこれ世話をする様子がとても良かった。
    ヤンキーとか言ってるけど根は真面目なんだよなぁ。

著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

瀬尾まいこの作品

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