いま生きる「資本論」

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104752072

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優さんの博識が随所に出て頭良すぎと感じた一書。資本論自体の解説よりも、資本論を研究する学者の話や講座を受ける人が書いたレポートから派生した話がとても面白かった。ここまで頭がいいとかっこいい。
    競争にとりあえず買っておくこと。身近な人を大事にしておくこと。理論から資本主義を抑えておくと、時代がどんなに変化をしても軸のある人になるのかなと思った。

  • 「文体は思想だ」って佐藤さんが文中で言ってるんですが、資本論の話より合間に出てくる雑談やその語り口の方が面白かったですね。著者の本を読むのはこれが初めてだったので、特に新鮮でした。ロシアや拘置所の実体験に基づく話ってのはやっぱり説得力があります。

    いま生きるために…
    コモディティにならないようにする。単純な代替可能労働力商品として使われないように、熟練労働者として生きる。

    そしてもう一つが、自分の周りで、直接的人間関係の領域、商品経済とは違う領域を作る。

    僕の場合、後者が今の課題です。

  • なぜいま「資本論」なのか?共産主義が崩壊したから?いや違う。資本主義の枠組みの中で生きている我々にいま、いったい何が起き、これからどう生きていけばいいかを考えるためだから。少なくとも自分はそう理解した。資本論の本質と間違いを正しく理解し、またそれを研究している著書も合わせ読みして考察することも大事。さっそく実践。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:331.6//Sa85

  • 普段読むことのないようなジャンルの本をと思いまして、経済の分野と思いつきまして、この一冊を選びました。
    著者はベストセラーを多数書かれている佐藤優さん。
    佐藤さんの本は、新書をメインにこれまでも何冊も読ませていただいておりますが、講義を文字起こししたようなこの本のようなスタイルのものを読むのは初めてのことでした。
    何しろ、私が経済学なんてものに疎いのでとにかく話が難解。
    これはもちろん、本が悪いというわけではなく、私の知識レベルが低い故のことでございますので、本に非は全くございません。
    そんな難解な資本論の講義であっても、随所にユーモアを散りばめた佐藤節のおかげで、なんとか読みきることが出来ました。
    付箋は23枚付きました。

  •  1867年に第一巻が刊行されたマルクスの『資本論』は、経済学を語るときに欠かせない古典だ。けれども、岩波文庫版で9分冊ある同書は、内容も決して読みやすくはない。そこで、その重要なポイントを講義したものを書籍化したのが本書だ。
     『資本論』を徹底して論理の書として読む著者は、同書を「資本主義社会の内在的論理を解明した書」であると位置づけ、なぜ日本の社会で人々が生きにくくなっているのか、その根本原因を探る手段として、本書を読み解こうと試みる。
     資本主義はさまざまな問題を抱えながらも、崩壊することはないだろう。であれば、「暴発をできるだけ抑え、このシステムと上手に付き合って」いかなくてはならない。そのために何が必要なのか。本書には、著者の明確な意思が込められた答えが散りばめられている。

  •  面白すぎる。「資本論」を読むコツ、ツボがわかる。
    恥ずかしながら、宇野学派なるものを初めて知った。
     それにしても、これまで出ている「資本論」の邦訳は難しすぎる。新訳が出ないものか。

  • セミナー形式で進む資本論の解説。
    難しい話、楽しい話混在。勉強になります。

  • 労働力の商品化、同語反復(トートロジー)、ポストモダン。実は資本力によって労働力を生産することはできない。国家は搾取しているのではない。収奪している。
    難しいけど勉強になった。論理で物を考える。それをどう実生活に落とし込むか。

  • 現在の労働者が生きやすい様に、マルクスの資本論を通して、現在の資本主義の仕組みを読み解く本。数回の講義を書面に起こした形式になっており、ブラックユーモアがタップリでとても面白い。
    資本論を理解する為のとっかかりとしては良い本だと思うけど、資本論には様々な読み方があるらしく、その他の多くの本を読み進めないと全体像の把握は難しいと感じた。
    印象的なのは、資本主義というのは全ての物に値段つく。命にも値段がつく。偏差値75の子と40の子が交通事故でひかれた場合、75の子は将来官僚になってお金を稼ぐ可能性が高いから、40の子より慰謝料が高い。
    当然労働力も商品になっている。安い給料で沢山働いてくれる労働者が、資本家にとっては当然嬉しい。今流行りのブラック企業は無くなることはないだろうと。
    金が無いと生きていけないと思っているのは、資本主義の枠に囚われているからであって、金が無くなったからといって命を絶つ必要は全くない。大変だろうけど。
    資本主義を生きる全ての人にオススメです。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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